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障害年金が先じゃろが【ソーシャルワーク演習】

【写真】オサムシです。ゴミムシの仲間は、色がきれいなので善きです。むっちゃクサイですけどね。

この記事は、主婦でも障害年金を受けれるよっていう内容と、困難ケースっていわれる状況でクライアントとなんらかの良好な関係を築くためにも、障害年金の申請はアリだよっていう内容です。

この記事は、大学での演習授業内容がもとになっています。

使用してる事例は、わたしが、いろんな学校の演習教育で使ってきた、お気に入りの事例集からです。
この事例集は、実践に携わっている医療、福祉職の支援者が、スーパーパイザーである医師にむけて相談をする形式になっています。

この事例集は、きれいごとじゃなくて、本音まるだしの表現がふんだんに出ていて、現場のリアルを伝える教材として使えます。もちろん、個人情報関係のことも出版社としてマスキングとか架空事例としての処理がしてあるわけだし、そして、公刊された事例集なので、評論できる点も良いです。

「『母乳で育てたい』と薬物治療中断中の統合失調症の母親。」
(P33~36)
概要・要約
相談者:こども家庭相談支援センター(事務職・係長) 35歳
対象者:母親 30代   子(3人) 5歳・3歳・4か月

・母親には統合失調症あり、第一子出産以来、母乳で育てたいと、服薬自己中断。以来、妄想出現しており、「悪霊」などという言葉がでてる。
・子どもには発育上に心配な点が出ており、食事にも飢えているようで、衛生状態も良くない。
・母親は保育園への送り出しなどができず、保育園の保育士が迎えにいくなどの負担が生じている
・保育士からの連絡内容に対して母親は「やってる」と返事をするが、やれていない。
・精神科病院入院中に知り合い結婚した夫(父親)にも精神疾患あり、就労から帰ると疲れ果てるのか、育児には一切関与しない。
・保育園の園長から相談者は、「子どもたちに何かあったら、おたくの責任ですからね」と言われる。

相談者の主訴:子どもたちの安全を守るために、お母さんは精神科病院への入院が必要。どうやったら入院させられるのでしょうか。

「精神科の病院に入院させる方法」
・・って、おいおいっていうか、おいおいおいおいおいっおいっおいっおいーって感じですね。相談者が入院必要性を判断しちゃっているじゃんっていう点はおいといたとして、それを実行する場合って、夫(父親)を説得した上で、母親を精神病院にどうにか連れて行って医療保護入院ってことでしょうか。それどうやって連れてくの?もしかして・・。それで子は一時保護所ってことですかね。はげしいですね。

対象者が問題意識を持っていなそうにみえるケースでは、ワーカーが対象者に継続的にかかわりをもてんのか?っていうことが一番難しくって、不安だってのはわかるんですけどね。ただ、「精神科病院に入ってくんねえかな」とか思いながら関わっても、あんまりいい関係にはならないでしょうね。

支援の方向性
このケース、明示されていないけど、相当高い確率で、経済状況はあまり良くなさそうって読めますよね。
それから、ぶつっと精神科治療を断ち切っているので、十分な社会的支援を受けずじまいだったんじゃないかな、と見立てます。

この読みをすすめると、障害年金を受けていないんじゃないの?っていう仮説が考えられます。

障害年金のことを、説明しま・・・・せん。
心身に疾病や障害が一定程度あると、障害年金が受給できます。
基本的な情報(受給額や申請方法)はネットでみてください。
ただし、ネットではわからない暗黙ルールとか挫折ポイント、受給のコツがたくさんある領域なので、気になる人は、この分野に詳しい社労士や、ソーシャルワーカーに必ず相談してください。

この記事で伝えたいことは、障害年金は、主婦でも受給できます。ということです。
もともと働いていなかったから、とか、障害者手帳はないからとかいって、障害年金の受給要件を満たしているのに、障害年金を受給していないっていう状況は、巷にかなり多いです。
下のような場合もかなり見逃されやすいです。
 ・ひきこもり
 ・癌になり継続治療が必要なとき
 ・軽度の知的障害、発達障害
 ・精神疾患

こういう受給漏れをまねく背景は
 ・どういう状況だと障害年金が受給できるのか、わかりずらい
 ・窓口は市役所?ねんきん事務所?
 ・申請書類が、激烈にめんどくさい。
 ・診断書の作成には、医者に多大な労力がかかり手間賃に見合わないため、書いてくれる医者がいない場合がある(下手すると10時間くらいかかりますが、診断書は1枚1万円くらいで、勤務医には1円も入りませんから)

どうしてこんなになっているのか?簡単です。年金の所管が、あの、日本が誇る社会保険庁だったからです。いまは、解体されて、社会保険事務所も「ねんきん事務所」とかいって不祥事以降は少しまともになりましたが、昔は、粘菌事務所といった雰囲気で、いかにもやる気なさげで、南方熊楠もびっくりだよって感じでした。
私は、当時、患者さんと同行したときに3時間待たされたことがあります。

さすがに日本を揺るがすレベルの不祥事を起こしたんで、「てへっ」とか少し照れ笑いしながら、表面上、少しはまじめぶって働いていると思いますが、国民が受給しやすいように、手続きの透明化・スムーズ化していこうなんて考えるわけないですよね。
なので、不明点・ブラックボックスだらけだし、私は制度的な不正も感じています。ですが、文句を言い出したらキリがないので、やめます。ただ、おかしいなと思うことがあったら、躊躇なく、不服申し立てっていう役所が嫌がる手続きに踏み切ってくださいってことだけいっときます。

障害年金申請の支援で信頼関係をつくるって方法はアリ
さきのべたように、障害年金の申請は当事者一人では、ほぼ無理です。最初に受診した医療機関にいって初診日を証明してもらう書類を書いてもらうとか謎でしょ。
だからこそ、支援者とシンプルな信頼関係が築きやすいってことにもなります。
こういうアプローチは、ひきこもりのケースとかでも、かなり有用で、精神科の受診につなげられたりします。

ちなみにこのケースの展開はどう考えるか?
事例の詳細は、本を読んでいただいたうえでってことですが、私は、「夫、、アウト・・。」が最初の感想です。
夫がやってることがアウトっていうか、夫はいったんアウトしていただいたほうがいいかなっていう。

夫を除いて考えれば、母子生活支援施設への入所がけっこう現実的になってきます。つまり、一時的な別居っていう選択肢は提示できそうです。
自治体の判断によっては、結果的に形式的な離婚をしなくてはいけないかもしれないし、選択するのはあくまでも妻の考え次第ですけどね。
ここらへんの話題って、一般の人が聞いたら、眉をひそめるような話かもしれません。ソーシャルワーカーにとっては、かつ、あくまで選択肢としては、そこまで突飛な話ではないとおもいますけど。
話が激烈な分だけ、夫がびっくりして、子育てに関与をはじめるかもしれませんね。あるいは、「そーゆーのもありだね」っていう反応が返ってくることも十分想定されます。

てか、話がそれますが、母子生活支援施設は、経済的な問題や家庭内の事情などにより、母親とその子どもが安心して生活できる場を提供するための施設です。
この施設は、もっと社会的に広く認知されて、基本的にすべてのシングルマザーとかが希望すれば、簡単に利用できるようになるべきだし、入所者がもっと自由奔放に好き勝手に生活できる規則に緩められるよう、もっと補助されるべき施設だと私はおもっています。
「男税」っていう目的税を設定して、キャバクラとかそっち系の利用に税金を課して、この事業を補助していくべきです。言ってること変でしょうか?
私はそれだけでだいぶ児童に関する虐待の事件が少なくなるとおもっているんですけど。でも、この記事に関係ないですね笑

まとめ
障害年金を含めた社会サービスの申請の件で得た信頼関係のもと、児をこのままにはできんからちゃんと考えようやっていう厳しい話や、新たな収入をつかって今の生活を改善する方法、夫(父親)が積極的に関与する方法や、母子生活支援施設への入所っていう方法を、家族・保育園も含めたカンファレンスなどで、考えていくってことですかね。
一足飛びに、精神科の病院の入院ってことにはならんすわ。

母子生活支援施設への入所方法? こども家庭相談支援センターにご相談ください笑














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