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爆進!ウィッグ道オマケ~超個人的ウィッグショップリスト~

毎回ただ漫然と思ったことを書き殴っているが、今回は「私も見出しとかリンクとか使いこなしたカッコいい記事を作りたい!」ということで、私の超個人的ウィッグショップリストを披露しようと思う。今にもどこからか「それって、あなたの感想ですよね?」と上ずった声が聞こえてきそうではあるが、どうか生暖かい目で見守るなりブラウザバックするなりしてほしい。

はじめに!(見出しだぁっ)

ここまで私のウィッグに関する記事を読んでくださった方は私がいかにウィッグにその情熱となけなしの資金を注ぎ込んだかお察しだと思う。
「めんどくさくて読みませんでした」という方のために前置きすると、私は乳がん治療のための抗がん剤で脱毛することになり、よくあるニット帽みたいなやつ(ケア帽子という)はあからさまな病人感が出るということで断固拒否しウィッグを手に取った。
はじめは自分の脱毛前の髪型に近いものやちょっと明るい色のもの、インナーカラーが入ったもの等普段使いできるものをいくつか購入した。しかし、通っているがんセンターで本人確認のために生年月日を言った際に偶然それを聞いた知らないおばあさんに若すぎて二度見されたことを切っ掛けに「もぅ無理。。。逆に目立と。。。」となり赤や青、ピンク等のいわゆる派手髪ウィッグで通院するようになった。(ちなみに「若すぎて」とはいえ91年生まれなので癌患者として若いだけである)
当然病院では好奇の目で見られたがその視線がクセになり私はウィッグ沼から出られないどころか自ら沼の奥深くまで素潜りすることとなったのである。以来一度も浮上していない。
長くなったが、つまりは馬鹿みたいに(ほんとうに馬鹿なんだよね)ウィッグを持っているので、私が実際に利用してきたオススメのウィッグショップを紹介したい。
尚、リストは思い付いた順であってランキングではない。
最後に「ベーシックカラー部門」と「派手髪部門」で独断と偏見でしかないランキングを紹介するつもりだがどうか叩かないでほしい。

1.LINEASTORIA  (リネアストリア)

説明不要!みんな大好きリネアストリア!!
闘病アカウントを一日中眺めているとここのウィッグの着画を見ない日はない。私自身、初めてウィッグを買うことになったときに同病のフォロワーさんから「絶対ここ!」と勧められたのがリネアストリアだった。
まず可愛い。抗がん剤を受けるにあたりがんセンターからウィッグのパンフレットを2、3社分もらったが、どれも中年女性がウェービーな短髪やグレーのメッシュが入ったウィッグをして菩薩のように微笑んでいる写真ばかりなのを見て私は失望していた。その分、初めてリネアストリアのサイトを見た衝撃は忘れられないものとなった。どの髪型もイマドキ。そしてモデルさんも若くて美人。なんだこんなのあるんだ!助かった!の一言である。
価格帯も「助かった!」。医療用ではないが、HEART BEATというシリーズなど税込2,900円で購入できてしまう。安さゆえ型崩れと抜け毛は気になるが、ロング、ショート、ストレート、ウェーブ等々髪型の種類が豊富なのはもちろん、色も黒や茶に限らず「モーヴピンク」(くすんだピンク)や「オリーブ」(金に近い黄緑)など個性的なカラーも揃えてある。
ところでリネアストリアの個性派カラーの特徴は「日常OK」だと私は思っている。金髪ありピンクありラベンダーありと豊富ではあるが、「まぁ都会行ったらいるよね」の域を出ないカラーがほとんどである。そのため私の場合通院ではあまり使わないブランドであった。つまりちゃんとした常識的なオシャレさんに是非オススメしたいカラーばかりである。
HEART BEATシリーズ以外で私がよく購入していたのは、医療用ではない4,000円台のマシンメイド(機械が毛を植えているので本物のツムジより毛の並びが直線的)ウィッグである。HEART BEATより髪型の作りが複雑なものが多く、小顔効果が望めたり美容院でしっかりセットしてもらわないとできない型が楽しめたりする。カラーは大抵ダークブラウン~ハニーブラウンといったベーシックなものだが、型によってはチェリーブロッサム(黄みを感じるピンク)やキャロットベージュ(オレンジがかった明るい茶)など冒険枠もある。
しかしリネアストリアの代名詞的シリーズは医療用として人気が高い「天使シリーズ」だろう。価格は15,000円前後(人毛が入ると10万前後のものもある)と決して安価とは言えないが、世の中の医療用ウィッグ全体で見るとかなり手に入りやすい価格だと思う。医療用なのでキャップ部分は薄手の柔らかな生地が全面に張られており、総手植えなのでツムジがより自然なのも嬉しいポイントである。私もウィッグバレしたくない日はこのシリーズのウィッグをしていくことが多いが、個人的な感想としてはちょっと毛量が少なくて布地が見えていないか不安になる。この天使シリーズを語る上で欠かせないのが「天使の日」である。これは、普段はなかなか手が出ない天使シリーズのウィッグを毎月14日は14%offで買うことができるという世にもワクワクする催しである。私はこの日を目指して毎月カートを天使シリーズでパンパンにして待機していた。馬鹿だと思う。この天使シリーズで私が気が触れたように気に入ったのが「天使のナチュールボブ」という名作である。肩に付かないくらいの丸みを帯びたボブだが、後頭部の毛先だけが外はねになっており、それでいて顔回りの毛はしっかりフェイスラインを覆っているため小顔効果もある。可愛らしさの中にハツラツとしたフレッシュさも感じさせる髪型である。ちょうど某海賊漫画のヒロインの2年前の髪型によく似ている。私はたいして仲良くない人から突然「戦後の女優顔」と言われるくらい古くさい顔立ちなのだが、そんな私でもこのウィッグを被ると少女のような瑞々しさを演出できる(と信じている)。若見えである。この効果は三十路過ぎの私にブッ刺さり私はこの「天使のナチュールボブ」を全色揃えることとなった。馬鹿なんだよね。
最後に余談ではあるがこのショップでは時々「Linea-gramar(リネアグラマー)」なるモニター兼広告モデルのようなものを募集しているが私は何度も落選している。

2.AQUADOLL(アクアドール)

リネアストリアと双璧をなす(と私が思っている)のがアクアドールである。
私はこのショップに何度もお世話になっている。まず抗がん剤真っ只中の去年の夏、Twitterのアクアドール公式アカウントでウィッグプレゼント企画をしていたためダメ元で応募したところ当選。ティアードミディというストンとしたストレートのウィッグをいただいた。ただのプレゼント企画だったと思うのだが、私はご丁寧に頼まれてもいないレビューを何千回も撮り直した最強の自撮りを添えて投稿した(誇張表現です)。すると有り難いことに公式アカウントが私なぞのアカウントをフォローしてくださったのである。この出来事は私のウィッグ道を二度と戻ってこられないところまで押し進めることになった。
そして抗がん剤も終えて1年検診をクリアした今年の春、今度はInstagramでルームウィッグのモニターを募集していた。ルームウィッグとは、帽子に頭髪が付いたようなもので、普通のウィッグより締め付けがなく負担なく装着できるものである。ウィッグ関係の募集は見境なく応募している私は当然食い付いた。今回は顔出しレビュー有の募集である。先ほども書いたように私は割りと古風な顔立ちをしており、輪郭ものっぺりとした卵形である。目が大きくてシュッとした逆三角形の輪郭を持つインスタで大量に見る可愛らしい女性たちとは掛け離れたルックスをしている。まぁ応募するだけタダや!と勢いで応募したところ、なんと当選。ボブ丈のブラウンのルームウィッグをいただいた。その際、DMでスタッフの方と発送先の連絡等でやり取りしたのだが、当選しただけでも嬉しいのに「息子さん可愛いですね!」というハートフルなお言葉までいただいた。温かいやり取りに感激した私は持てる技術全てを使ってメイクをし持てる語彙力全てを注いで渾身のレビューを投稿させていただいた。後にそのレビューはアクアドールのルームウィッグの広告ページに載ることになるのだが、私は今時の美しいお嬢さん方に挟まれて一人だけ時代の違う微笑みを見せているので気になる方は検索してみてほしい。
さて。ではこのアクアドールのルームウィッグ、実際どうなのかと思われる方もいるだろう。正直に言おう。これは良品である。お世話になった義理で言っているのではなく、他社の同様の品と比べても本当に良品である。まず、毛質が素晴らしい。価格は10,000円弱なのだが、もっと高価なウィッグに使われていてもおかしくないサラサラ感である。しかもその良質な毛がしっかりキャップ生地が透けないくらいの、しかし多すぎない程よい量で植えられている。だが一番感動したポイントは、キャップの縁の内側に、ズレ帽子のシリコンが縫い付けられている点である。お陰で寝転がってもズレにくく、正真正銘「ルーム」、お部屋でダラダラしたいときにも安心して被れる逸品であった。
もちろん言うまでもないが、ルームウィッグ専門店ではない。アクアドールもリネアストリア同様、安価なファッションウィッグから10万前後の人毛医療用ウィッグまで幅広く取り揃えている。
しかし、あくまで私の個人的な好みであり感想に過ぎないが、3,000~4,000円台のウィッグはボブのカールがキツかったりウェーブが細かすぎたりと髪型が少々野暮ったいものがある。よほど可愛くないと似合いそうもない難しい髪型も目立つ。カラーリングもインナーカラーやグラデーションカラーなど派手髪よりのものもあるが、リネアストリアに比べると、これは好みの問題だろうが絵の具で塗ったような鮮やかすぎる発色でわざとらしさが否めない。ただ、ショートヘアの形は痒いところに手が届くというか、他社にはないマニッシュに決まるカットがあるので男顔の私はかなりの数のショートヘアをアクアドールで買った。特に気に入ったのは税込2,900円のDear Dolly ボーイフレンドショートという商品で、ボーイッシュじゃなくてほぼ男装がしたいんだという人にオススメである。可愛らしさゼロの(褒めてる)純粋にイケメンな髪型にキマる。また、アクアドールはブラウンの種類が多く、誰でも自分に合うブラウンを絶対に見つけられると思う。
アクアドールにも医療用のシリーズがある。「ヴィーナス」と呼ばれるシリーズである。価格はリネアストリアの天使シリーズより遥かに高い30,000円台からという値段設定であるが、私はベーシックカラーのウィッグではこのヴィーナスシリーズの髪型が一番好きである。特に使いやすいボブ丈の髪型が豊富で、どれも繊細なカールやシャギーが絶妙で簡単に可愛くキマる。また、これは低価格帯のウィッグにも言えることであるが個人的にはアクアドールは前髪が素晴らしいと思う。厚すぎず薄すぎない自然なシースルー具合で、横分けにしてもスッキリ上品に収まってくれる。パッツンがよく合う髪型のものはハサミを入れ直す必要がないくらいちょうど良い長さでパッツンにカットされているし、先ほど言ったようなクールなショートカットの前髪には涼しげなシャギーが入っている。
欲を言えば…これは買う側の勝手なワガママなのは重々承知だが……ヴィーナスシリーズのような髪型を3,000円から4,000円台でも出していただきたい。
余談だが美人なモデルさん使ってるなーと思ったらスタッフレビューだったのには驚いた。優しく美しいスタッフの方々で運営されている素敵なショップである。

3.BRIGHT LELE(ブライトララ)

ここも先の2社と同様説明不要の人気店である。私の持っているウィッグはおそらくここのものが一番多い。このショップはオシャレと奇抜が絶妙なバランスのカラーリングが最大の魅力である(私はそう思っている)。
派手髪ウィッグにありがちなノッペリした単色ではなく(単色のコスプレウィッグも700円とかで扱っている)、複数の色の糸がブレンドされ立体感のある色のものが多い。そのため、赤やピンク、ブルーであってもコスプレ感なく日本人の顔立ちともうまく馴染んでくれる(昭和銀幕顔の私が保証する)。私は派手髪の時はコントロールカラーとカラコンを駆使し肌色と眼の色までウィッグに合わせるが、ブライトララの派手髪はそこまでしなくても違和感なく被ることができる。
そんなブライトララで一番感動した色が、ライトウェーブミディという型にあるブルーベリーmixである。くすんだブルーと紫、シルバーの糸が巧みにブレンドされ、青は青だが奇抜すぎずどこかクラシカルな雰囲気すらある。あまりに気に入りすぎて出し惜しみしてまだ一度も使ったことがないので似合うかどうかは不明である。他には多くの型にあるピオニーブラウン、モーヴブラウンもお気に入りである。どちらも「ブラウン」と言いつつピオニーブラウンは華やかなくすみピンク、モーヴブラウンは甘い赤紫を充分感じる色味である。
色だけでなくカットもオシャレなものが多く、色・型ともに文句の付けようがないのがインナーラーレイヤーミディである。まず顔回りのレイヤーが美しく、どんな輪郭でも小顔に見せてくれるだろう。カラーリングは、上記2社のインナーカラーが茶や黒と赤などの他のカラーといった組み合わせが多い中、こちらはダークブルー×ライトブルーや、ベージュ×ラベンダーなど個性的かつチャレンジしやすいものが多い。
価格も4,000円以下で充分可愛いものが買えるので、派手髪に挑戦したいけどコスプレ感が出るのが怖いという人にオススメしたいショップである。ただ、ファッションウィッグなので地毛を中に隠すことを想定しているためか脱毛時はアジャスターを一番小さく留めても少し大きく感じた。上記2社の非医療用ウィッグと比べても大きめかもしれない。
医療用ウィッグも扱っているが、オシャレというよりは普段使いしやすい個性を抑えたデザインが多い。その中でも人毛mixのフェミニンショートボブという商品がどうしても可愛く、約60,000円という高級品だが清水の舞台から飛び降りる気持ちで買ってしまったことがある(私の場合何回も飛び降りているので最早パルクールである)。しかし写真通りの可愛い型ではあったのだが思ったより毛質がパサパサであっという間に型崩れしてしまったので値段に見合っていたかはちょっと……わから……ない……。
最後に余談ではあるが私はブライトララのモニターも落選している。モニターになった子を見たらやはりイマドキのシュッとした輪郭と大きな眼を持つ可愛らしいお嬢さんだった。

4.SUGARCRANZ(シュガークランツ)

ここのショップは闘病アカウントではあまり見ない。が、派手髪をやりたい人には是非オススメしたいショップである。
とにかくド派手。THE派手髪。日常使い?何それ美味しいの?なウィッグが揃うロックでありサブカルでもあるラインナップ。それでいて鮮やかで複雑なミックスカラーが多いのでコスプレ感は薄い。ただし、ブライトララと違って肌と眼の色を合わせたりがっつりメイクをしたりして似合わせるのは必須である。また、モノによってはツムジがなく、糸を頭頂部で熱し固めただけのものもあるので、ウィッグバレしたくない場合には避けた方がよい。私もがんセンター以外では着用したことがない。
価格はだいたい4,000円前後。型も色も豊富というわけではないが、ここでしか買えない絶妙な色が多い。特に私が好きなのがアメジストパープルグレーという色で、パッと見シルバーなのだが紫や白、黒などの糸もブレンドされており光の加減によって濃淡様々な紫に見える。ベーシックカラーよりのものではダークチェリーという色が可愛い。サイトの写真ではダークブラウンに見えるが、こちらも光の加減で滲むように赤みが差し、他社にはない色である。カットは外ハネタッセルカットボブというのがものすごく気に入り色違いでやたら買ったのだが(基本やたら買っているが)サイトを見るとどうやら再販なしの売り切り商品になってしまったらしい。安くなっているのでこの記事が間に合えば是非手に取ってみてほしい。
また、こちらのショップは時々(年に1、2回かな)大丈夫なんですか?というくらい大盤振る舞いなセールを企画してくれる。福袋セールとかいう名前だったと思うのだが、6,000円でどれでも2つとか8,000円でどれでも3つというように、自分で好きなウィッグを組み合わせて安く買うことができる。うまく利用すれば半額に近い値引きになる。今後いつそのセールが行われるかはわからないが、これ以外にも日替わりセールやスペシャルクーポンなどいろんなお得企画を催してくれる。
このように良心的なショップであるが、有り難いことに私はこちらでも一度モニターをやらせていただいたことがある。しかも男装モニターを募集してるところに応募したら「男装に限らずよかったらお好きなものでどうぞ」などと神対応にもほどがある提案をしてくださり、切りっぱなしストレートセミロングのブードゥーブルーアッシュグレーmixというウィッグを送ってくださった。こちらも他では見ない丁寧に作り込まれた色で、青やシルバー、黒の糸が混ざり合い青なのにコスプレ感はない。この厚意に応えるべく私が原型を留めぬ詐欺メイクをして着画を投稿したことは言うまでもない。
余談ではあるが私はここのショップでユニコーンカラーのウィッグを買ったのだが、夫から「そんな人とは一緒に歩きたくない」と言われ、主治医にも「それはちょっとオカシイ人でしょう」と苦笑いされたためお蔵入りになってしまった。
あと、ここのショップのモデルさんは絵のように可愛い。是非見てみてほしい。

5.PRISILA(プリシラ)

このショップは私が見つけるのが遅かっただけで割りとファンの多いショップである。
医療用やミセス用など幅広い商品を揃えているが、私はファッションウィッグしか使ったことがない。ここのファッションウィッグの毛質はツヤツヤで纏まりが良いが、あまりに整いすぎているため逆にウィッグ感が強くなってしまっている。毛量は自然でカールが強いものでもオバサン臭くならずスッキリオシャレに見えるのがすごい。特にロリポップウェーブボブという商品はモデルさんが可愛すぎて「こんなのなぁ!可愛い人しか似合わないんや!」とやさぐれた気持ちで買ってみたら(なぜ買ったんだろう???)抑えめの毛量のお陰で私のような凡庸な顔でも割りと可愛く被りこなすことができた。ストレートヘアの形も美しく、モアシルキーボブはシンプルながら首に向かってピッタリとワンカールし、パッツン前髪なのにヘルメット感なく上品で知的な印象になる。個人的にはエッジブラントボブというワンカールなしでバスンと直線的に切り揃えられたおかっぱボブも大好きで、麗子像に似てると言われた私との親和性は高く全色買ってしまった。馬鹿なの。
プリシラではいわゆる派手髪はカラーウィッグとグラデーションカラーウィッグに分かれており、前者は単色のコスプレウィッグである。後者は頭頂部が黒っぽくなっており派手ではあるが自然な仕上がりになっている。グラデーションカラーウィッグは型は色々あるものの色は8色しかなく、人気の色だと欠品していることも多い。また、全ての型に8色あるわけではない。オススメなのはCloud Blueという色で、グレーがかったくすみブルーである。派手すぎないので初めて青色に挑戦したい人向けである。型はハンサムショートという型が素敵で、その名の通り男性的な短めのショートである。オン眉スレスレのシャギーが効いた前髪が他社のショートカットにはない攻め具合で気に入っている。気に入りすぎて4/5色持っている。馬鹿である。
全体的にプリシラはこれまで紹介した4社に比べ価格が高い。医療用ではないファッションウィッグでもベーシックカラーの普段使い向きのものは8,000円~9,000円する。グラデカラーウィッグだと少し下がるがそれでも6,000円程度である。しかしケースはしっかりしていて、他社が紙製の箱やジップロック等なのに対し、ペンケースや絵の具セットのような取っ手とファスナーが付いたビニールバッグに入っているので管理しやすい。だが……もしも……もしもだが、紙製の箱にして価格が安くなるなら、たぶんその方がみんな嬉しいと思う……。

6.DESIRE WIG(デザイアウィッグ)

ここは本当に、心から、早く見つけなかったことを悔いたショップである。抗がん剤中にこのショップを見つけていたら私はここで狂ったようにウィッグを買い漁っただろう(既に狂ってる?)。
このショップを知ったのは抗がん剤もとっくに終わった今年の春くらいだったと思う。なので詳しくは知らないが、パッと見派手髪はなさそうである。しかしとにかく型が洗練されている。普段使いにピッタリでありながら地味ではないオシャレなカットが多い。色も黒~金の間の常識の範囲を出ないモノばかりだが、グラデーションが自然で地毛を染めたようである。
オススメは切りっぱなしミニボブである。2,990円という価格も嬉しいし、小さい作りのせいか若見えする(若見え大事なお年頃である)。色はホワイトグレージュグラデが大人しすぎず奇抜すぎずバランスよく洒落ている。
何度でも言うが悔やまれるくらい発見が遅かったショップなので詳しいことは知らないが、価格は3,000~4,000円台が主のようである。毛質は細くてマット。人形の髪のようなテカりはない。ただ型崩れしやすく、しかも使い捨てのポリ袋に入って届くので管理は難しい。
ここのウィッグは2、3個しか持っていないが(そもそも個数把握してないのが異常なのは言うまでもない)型崩れしやすいことを覗けばデザインもカラーもとても良かったのでリストに加えた。

以上が私が気に入ったウィッグショップである。
他にも数社のウィッグを持っているが、毛が抜けやすかったり艶消し加工が反って傷んだ毛にしか見えなかったり、私には合わなかったものも多い。結局は好みであるが少しでも参考にしていただければ幸いである。

ウィッグショップランキング

ではここで私の独断と偏見しかないランキングを紹介しよう。

ベーシックカラー部門

1位 リネアストリア
2位 アクアドール
3位 プリシラ
結局オシャレな型が豊富で価格も手に入りやすいリネアストリアが強い。

派手髪部門

1位 ブライトララ
2位 シュガークランツ
3位 プリシラ
個性の強さが程よいブライトララがやはり使いやすい。ただ、最近の新作は冒険カラーが減ったような気がしないでもない。

おわりに!

振り返ると、ただ私が異常にウィッグを買い集めたことが明るみに出ただけの恥ずかしい記事になってしまったが、無駄に買った分10人中1人くらいの参考になれば嬉しい。
最後に、医療用ウィッグじゃなくて平気なの?という疑問があるかと思うが、私個人としてはなんの問題もなかった。ただし、アンダーキャップやインナーキャップと呼ばれる水泳帽みたいなものは必要である。ファッションウィッグは固めで目の粗い、例えるなら剣道の面のような網に毛が付いている感じのものがほとんどなので、脱毛しきった地肌に直接付けるとやはり痛いと思う。また、私の場合ラストケモから半年ぐらいの、野球少年~千鳥大悟くらい生えてきた時期が一番医療用ウィッグを使った。医療用ウィッグはキャップ部分が網ではなく帽子のように頭全体を覆う生地になっているのでアンダーキャップ無しでも着用できる。そのためちょっと毛が生えかけて暑くなるとアンダーキャップを使わず一枚で被れる医療用ウィッグが重宝するのである。
今はラストケモから10ヶ月半になるが、水泳帽みたいなアンダーキャップではなく、タイトなウィッグネットでないと地毛が無様に飛び出すようになった。そうなると最早ファッションウィッグだろうが医療用ウィッグだろうがあまり関係ない。

私はたまたま地毛や容姿にコンプレックスがあり変身願望が強かったのでウィッグにハマったが、大半の人にとって病気やその治療で脱毛するのは耐え難い苦痛だと思う。髪を失うくらいならと治療を拒否する人がいるのも当然だと思う。
でも、狂気のようにウィッグを買い漁った私だから言えることがあるとすれば、服を着替えるように髪を着替えることは実はとても自由を感じられる行為だということ。ファッションの幅が広がるだけでなく、黒髪の私、金髪の私、青髪の私を見ているうちに、いろんな私が居て良いんだと気付く。好きな私も嫌いな私も本当の私だと悟る。そうして今までよりも少し自分と仲良くなれる。
もっと単純に言うなら、ウィッグをした私も、あなたも、思ってる以上に可愛いよ。
どうかこの下らないウィッグ狂いの自分語りが、脱毛に怯える人、苦しむ人の小さなクスッとになりますように。


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