朝倉書店『幾何学入門事典』鏡のパラドックス

なんと、最初の項目として「向き」(orientation)が取り上げられて、「どうして鏡は左右を反転するか」を数学の立場から説明している。

空間において、「左右」を数学的に抽象化した「枠」を考え、2つある一方の枠を選ぶことが「向きを選ぶ」ことになるとしている。
枠は、(空間の)順序を考慮した基底を意味し、右手枠と左手枠がある。
鏡で、上下ベクトルはそのままであるのに対し、枠で定義された左右は逆になる。だから「鏡のパラドックス」は不思議なことではないという。

参照:朝倉書店のサイトから試し読みができる。


これは、私が「鏡映左右反転の物理と心理」などの記事で、論理的な理由―左右軸劣後などとして言及した考え方だ。

こわい… 大数学者が不思議でないと言い切っている。私の論など寝言にしか聞こえないだろう。
しかし、むにゃむにゃと続けておく。

じゃあ、横になって右手を伸ばして鏡を見たらどうなるの?と。
身体の左右は、空間の上下とは関係があるわけではない。ならば…
まあいい。

自分で考えたことを信じられそうだ。

付記
なお、この事典の記述が間違っているわけではなく、謎に答えるにはもう一言ほしいということに過ぎない。大数学者ともなれば、そんなこと当たり前ということかもしれない。