【体験記】法務省専門職試験【マイナー試験?】

みなさんお久しぶりです。
今回の記事では2020年度の試験体験記という事で、お話を伺えた方の体験を中心にまとめていきたいと思います。
伺った話を中心に、こちらで一部加筆・修正を加えていきます(※をつけていきます)
特に地方上級や国家一般職といったメジャーな試験ではない試験の体験談は貴重だと思いますので、ぜひご覧ください。
また、他の試験の体験談でも教えて良いよという方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただければと思います(Twitterでも構いません)


体験談の前に法務省専門職試験(以下法専)のお話を少しだけします
法専は、法務教官や保護観察官などの区分を一括で試験する採用試験になっています。仕事の特色上、公安職に近いとも言えますし、福祉職に近いとも言えます。試験科目としては心理学や教育学や福祉学が出題されるところからも、専門性や特殊性を感じることができますが、必ずしも大学等でそれらの学部に通っていなくても試験を受験することは可能です。

採用試験は国家専門職試験の日に行われます。なので国税専門官や労基の試験と同じ日に行われることになりますので、これらの併願はできません。
専門職試験申し込み→法専を選択→更に法務教官・矯正心理・保護観察官といった形で区分が分かれています。
教養科目はそれらの試験と同様で、専門科目は前述の通りやや特殊な科目が出題されることになります。
筆記を通過すると面接試験があるのは他の試験と同様です。
あまり長々と試験概要を書くのもくどいので、体験談に移ります

【体験記】
私が受けた区分は法専の中の保護観察官区分
試験は6/7に予定されていたがウイルスの影響で8/2に受けた。
1次試験の会場は東京都を希望していたが、会場がなかったようで結局さいたま市で受験した。
※法務省専門職試験は例年東京大学駒場キャンパスが会場になっていました。ちなみに令和5年度試験では、明治学院大学が会場になるようです。

ちなみに会場はさいたま新都心にある合同庁舎が指定されたが、2次試験の面接も同様の会場で受験することになったので、道に迷わずに済むという意味では助かった。
※加えて言うと、さいたま新都心の合同庁舎は様々な官庁が入っているので一般職の官庁訪問あたりでもよく訪れる場所になると思います

試験会場に行くと受験生でごった返していて、各区分の受験者が揃っていたので結構な人数になっていたと思う。密を防ぎましょうと言われていた時期なのに、これでは意味がないのでは?と思うぐらいだった
実際の試験の基本的な流れは他の公務員試験と変わらないと思う。
試験の説明→解答用紙に名前等をマーク→問題冊子配布→試験開始という普通の流れだった。このマークシートは国家系は共通らしく、国家総合職や国家一般職と同じものだった。
別に難しい作業ではないので、来年以降受ける人も特に神経質になる必要はないと思うし、塗り忘れがあれば試験官が持ってきて塗るように指示をされるので特に問題はないと思う。
あえていうと、今年はマスクの着用に関しては少し厳しく言われていたと思う。昼休憩も他者と話をせずにできるだけ離席しないよう指示をされた。
基本的にみんな守っていたのでトラブルもなかったが、逆に静かすぎて物音がほとんどしないという意味では少し不気味な感じもした

試験勉強に関しては教養試験に関しては他の公務員試験とほとんど変わらないと思う。過去問を解きたければ国税の過去問集をやればいいと思う。
苦労するのは専門試験と論文試験だと思う。というのも、出題される問題が非常に難しいといった事よりも、そもそも参考書が少ない、或いはないといったケースが多いからというのが主な理由になる。
社会学に関しては一応参考書も充実しているが、心理学、教育学、福祉学は殆どないといっていい。一応スー過去シリーズに心理学と教育学が一緒になっているものがあるのでそれで勉強はできる。福祉学は社会福祉士などの資格試験の参考書は存在するが、そもそも公務員試験用の参考書ではないので勉強に向いたものであるとは決して言えないと思う。
自分は大学がそちらの分野の学部だったので、試験勉強にも結果的に生きた面があったが、初学でやるとなると少々苦労すると思う。
繰り返しになるが、中身が難しいというよりも、そもそも参考書や過去問集といったものがないためである。
※教育学などは教職員採用試験の参考書である程度は賄えますが、確かに予備校などでも開講している場所は多くないですね

さらにいうと、仮に勉強をすすめても他の公務員試験に生きることは少ない。例えば憲法を勉強すれば、ほとんどの公務員試験で利用できるから費用対効果が高いと思う。でも法専の専門科目は国家一般職に教育学と心理学が出るぐらいなので、うま味は少ないと思う。様々な公務員試験を併願することを考えている場合は、自分がどういった形で勉強するかをよく考えて勉強時間を割り振って欲しい。人よりも勉強しないといけない科目が多くなるので、しっかりと組み立てないとどれも中途半端になってどの試験にも引っかからない最悪の状況になると思う。

自分の試験結果は筆記が55/80だったのでそれなりに満足をしている。ただ論文が全く用意をしていないテーマだったので点数がかなり低くなってしまった。面接は無難にCだったので可もなく不可もなくだった。
面接は面接官が3人の個人面接が行われた。質問は面接カードに沿ったものが多く、特に圧迫といった感じはしなかった。
ただ、自分の面接の順番がかなり後の方だったので結構な時間拘束をされた。早い人だと1時間ぐらいで帰れると思う。持ち物リストには昼食が入っていたと思うが、それを用意する必要もないぐらいだったと思う(笑)
ただし面接の順番は当日いくまでは分からないので準備は忘れずに。

自分が入室したときは、既に何人も面接をしていたせいかむしろ面接官の方がぐったりとしている様子だったので、面接する方も疲れるよなと少し同情した。ただそのせいか、話はあまり盛り上がらなかったので面接の手ごたえは薄かった。とりあえず無難にこなしたとは思うが、筆記試験で結果がイマイチだったとすると逆転するのは厳しいように思う。なお面接官は男性2人と女性が1人だった。

この2次試験は通過すると最終合格という形で合格者名簿に載ることになる。更にこの後に管区面接があり、その結果によって採用されるかどうかが決定される。自分が志望する管区は試験前の採用希望カードを提出する際に書くことができる。ただし必ずしも志望する管区に呼ばれるわけではないようで、恐らく席次が低いと志望が通らない様子だった。ただ管区面接自体は席次が良いから採用されやすいとか低いからだめとかは無いと思う。地方上級で言う所のリセット方式で最終面接があると解釈すればいい。
基本一発勝負なのでだめだと今までの努力は全部泡になるので頑張ってほしい

頂いた体験記としては以上になります。最後に未来の受験生へのアドバイスをいただきました

筆記は何だかんだ通るので頑張ればなんとかなる。面接は手ごわいと考えた方がいい。そもそも仕事が内容が罪を犯した人間と面接することだったりするため、嘘をついていたりすれば簡単にバレると思う。もっとも圧迫面接なわけでもないし基本は面接カードの通り進行するので、要はしっかりと志望動機や受け答えがしっかりとできるように対策をすれば何とかなる
仕事内容が特殊なため、何となく試験に受かりやすそうなどの理由で受けるべきではないと思う。結局続かないでやめることになりそう。受験を考えている人には頑張ってもらいたい。

体験記は以上になります。お話を伺えてとてもありがたく思っています。
マイナー試験となると情報が集めにくくて苦労するかと思いますが、受験を考えている方に試験のイメージを持っていただけていれば幸いです。

ちなみに、更新日から見て明日の11/25(水)に心理系公務員試験のオンライン業務説明会が開催される予定になっています。
家庭裁判所や法専等々、色々な機関が参加するイベントが開催予定です。
事前予約が必要なようなので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか?
https://www.withnavi.org/koumuin/shinri-fukushi/

今回は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。(^v^)

2021/2/10追記
法務省専門職試験の採用予定数は3月中に発表予定のようです
日程は既に発表されていますので、受験を考えている方はご確認ください

2021/3/3追記
採用予定数が発表されました
〇矯正心理専門職A 約25名 (30)
〇矯正心理専門職B 約15名 (20)
〇法務教官A 約110名 (100)
〇法務教官B 約30名 (40)
〇保護観察官 約40名 (40)

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