サッカーをめぐる組織論3 ー 大きくなれ、東京Ⅴー

永井監督のハラスメントの問題が尾を引いているようですね。

ですが、ファンになって初めて知ったのですが、それ以前から東京Vにはいろいろな「ドラマ」があったようです。

スポンサーについても、近年だけでも、アカツキやゼビオをめぐっていろいろな問題があり、今回のハラスメントの問題でも、明確な回答がjリーグへなされていないのでは、何回も回答がくりかえされているというのは、運営会社とゼビオなどの対応に、何かがあるのではないかという印象さえ受けてしまう状況が起こっていると思います。

問題にも、いい問題と、悪い問題があります。チームにしろ、組織にせよ、「問題」を乗り越えたとき、成長します。パワーを得ます。

チームにせよ、ファンたちにせよ、問題を乗り越えたときに、知恵や工夫を結集した、強い力を得るのです。

例えば、古くのチームでいえば、飛行機事故などで悲劇を起こしたチームが、復興する過程で、強い力を発揮することがあります。破綻に瀕したチームが、復活したり、合併などする紆余曲折を経ることで、強い反発力を示すことがあります。

東京Vは反発力を秘めています。トラブルもあったけれど、それを浄化し、結晶化すれば、すべてはいい思い出、強いチームになることはできるのではないでしょうか。

必要なことは、自らを問い直すことです。東京にはFC東京や町田のような上位のリーグで戦っているチームはありますが、競争をあまりしないことも一つの方法ではないかと思います。

競争しない、つまり自分らしくあるということです。自らの個性を研ぎ澄ますことです。周りに影響をされない。

ではどのように個性を研ぎ澄ませばいいのでしょうか?強くなることでしょうか?戦術的に特異になることでしょうか?ユース・育成が強くなることでしょうか?地域に根付くことでしょうか?

いずれも正解だと思います。間違っていない。

ただ、加えて大きくなっていくことが必要だと思います。ファン層、資金力、影響力を、大きくしていく方向にベクトルを向けることが必要だと思います。

大きくなれば、できることが増えていきます。逆に言えば、小さければ、制約がかかるようになります。ファンがたくさんいて、資金があり、影響力を発揮できるツールがあれば、東京Vというのは、今の時代にはとても魅力的なツールになれます。サッカーチ-ムはいろいろなことができるのです。

今はIT技術とSNSの発達した時代です。まずコアとなる東京Vという魅力的なチームを作り、それをIT技術とSNSで影響力を広げていく、拡散していく。そのやりようによっては、東京という土地の性格もあり、強い影響力を発揮できる組織が生まれると思います。

資金に限って言えば、資金を大きくする、ということは、お金を使う、投下する、ということです。日本は倹約を美徳とする風潮があり、お金を絞る、倹約するという考え方があります。

一方で、欧米ではお金は投資するもの、また寄付するものという風潮があります。聖書に10分の1税という考えがあったはずですが、自らの儲けを10分の1寄付するという考えがある、という話を聞いた覚えがあります。うろ覚えですが。

ビル・ゲイツにせよ、ロックフェラーにせよ、引退後は巨額の富を投下して財団を作り、社会の福祉のために活動しています。オグ・マンディーノなども、利益の半分をより貧しい人のために使いなさいとしきりに述べています。

これらはお金を投資・寄付する、という考えです。そのことでお金が循環し、感謝や、幸福が返ってくる。

スクルージや、ヴェニスの商人のような因業商人、業突く張り、お金に汚いという印象を、払拭でき、そして人生を輝かせることができるのです。

日本やアジアでは農耕型の文化であり、資本を子孫に残し、自らの霊を祀ってもらうことをねがいますが、欧米や西洋では狩猟文化なのか、自らが人に貢献し、人に与えることを望みます。

東洋と西洋の違いは興味深いですが、お金の循環とお金に基づく研究や開発という面では、「投資する」「お金を使うことでお金を生む」という西洋の考え方は、お金を死蔵してしまう東洋よりより挑戦的で、発展的なのかもしれません。まあ、東洋型にも言い分や、長所がありますが、今は「お金を使い、大きくなる」ということを考えましょう。

ゼビオは現実的にはお金を絞る、少ししか使わない方向で考えているよですし、東京Vにお金を投資する気はあまりないようにも思いますが、実際はわかりません。自分には守備的な経営には感じる。それはゼビオの小売で稼いでいくポリシーの結果であり、金に染みついている重さを知っているからで、悪いものではないと思います。

ただ、ならば、投資的な性格を持つ会社、「賢くお金を使える会社」をメインスポンサーとしてもっと引っ張ってきてもいいのではないでしょうか。ヴェルディでも日テレ・ベレーザは広報価値の高いチームですが、同じように、発展的に戦略を組む会社を加えて、男子チームも運営してはどうですか?

もしくは会社自体が、IT関係の戦略を考えて、広げ発展していく道筋をもっと整備していくべきなのかもしれないのでは。詳しく言えば、資金を出す側が発展の道筋を示すのではなく、資金を受ける側がこういう展開があります、とプレゼンというか、道筋を示すことだと思います。

アカツキはその意味で良きパートナーでしたが、復縁は、ないのでしょうね。IT系で、東京に本社があって、大きな展開の絵を描ける会社と組めればいいのですが。もちろんニチガスや、セガサミー、MJSがその役割を担っても、問題はありません。大歓迎です。

ただ、今の東京Vは、拡大ではなく守りの展開で、経営を考えていると思います。発想を換え、選手や運営費の拡大だけではなく、ファン層の拡大、影響力の拡大の2点などで、より発展の手法を考えていけば、東京Vはもっとよくなれると思うのですが。

そしてそれを、他チームのことを考えず、自分たちらしくやることです。

ハラスメントの対応でゼビオの考えはよくはわかりませんが、後手に回っている印象はあります。どうするのか、ゼビオも考えて、またチームも考えて、この困難な時期を乗り越えたとき、東京Vは一つ強くなるのではないでしょうか。

勇気あり、知恵のある人が現れてほしいと思います。

そして選手たちが報われますように。


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