単純な世界で,文化的雪かきになるには(定期購読マガジンおまけテキスト)

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夏の始まりに,その終わりを欲する

 夏生まれだが夏は嫌いだ.幸いぼくは8月の終わり(ともに1ではない異なる2つの立法数の組で表される日)の生まれで,高校生くらいまでは「自分の誕生日からは秋だ」と言い聞かせてきた.

 ちょうどその頃,夏休みが終わるちょっと前くらいから学校祭の準備が始まり,そこから2週間ほど夏の名残りのエネルギーを使って学校祭まで駆け抜けて,そのあと少しずつきちんとした秋がやってくる.高校生活3年間で3回学校祭を迎えたけれど,最初の2年は生徒会役員としてあれやこれや駆けずり回って学校祭の裏と表とを一通り見て,3年目にはクラスの1員として好き勝手やった.まあ,でももう1回やれるとしたら2年生のときかな.

 しかしここ数年は全くそんな感じではなさそうだ.9月に入っても猛暑日が並ぶこのご時世,炎天下で体育祭がやれているのか/やっているのかも知らないのだが,当日もさておき,あの準備のために注ぎ込まれる時間と汗はどうなっているのだろう.

高校生の頃,世界は単純だった

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