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塔ノ岳

少し前になるけれど、久しぶりにハイキングへ行ってきた。

今回は丹沢の塔ノ岳。金曜日に雪が降った後の日曜日だったのだけれど、土日の天気がよかったのでまあ普通に登れるだろうと予想して出かけた。久しぶりの山で高低差1200メートル超のコースを選んでしまったのは良かったのか悪かったのか、微妙なところだ。間違いなく良い運動にはなった。

まずいい意味で驚いたのは、丹沢の近さだ。新東名を使うとあっという間に着いてしまう。自宅から1時間半くらいで登山口に到着した。信じられない近さだ。これなら早起きも必要ない。こんなに近いのならもっと頻繁に来てもいいかもしれないと思った。

この日の天気予報は晴れだったので期待して行ったのだけれど、前半は薄曇りで気温高め。かなり暖かくて半袖でも大丈夫そうな、春のような天気だった。

前半、のどかな登り

今回選んだのはひたすら登り続けるコース。けっこう体力的にはきつい。ときどきおしゃべりをして気を紛らしながら歩き続けた。人は多めでわりと本格的な装備の人がほとんど。トレイルランニングしている人も多い。富士山が見えるといいなぁと思いながら登っていたら、山頂前の最後の山小屋を超えたあたりで様子が一変した。それまでは「本当に2日前に雪降ったの?」というくらい全く雪の痕跡がなかったのだけれど、山小屋を過ぎた途端に雪山のような景色になった。

頂上はまるで雪山

気温もいっきに下がり手袋がないとかなり辛い。防寒着を何枚か持ってきていてよかった、と思うような状況に突然変わった。これは完全に冬だ。周りを見ると8割くらいの人がチェーンスパイクをつけて歩いている。確かに何もつけずに歩くとけっこう滑って危ない。それにしても、これだけの人がチェーンスパイクを持参していることが驚きだ。みんな準備が良い。この山はそういう人しか来ない山なのだろうか。かく言う私も念のため、今まで一度も使ったことがない軽アイゼンをリュックに入れてきていたので、下りは試しにつけてみた。

ガスっていて眺めもいまいち

というわけで富士山は全く見えず、思っていたのとはだいぶ違う山登りになってしまったわけだけれど、今シーズンは一度もスキーに行っていないので久しぶりに雪山体験もどきができて楽しかった。山頂の山荘で飲んだ温かい甘酒がとても美味しかった。

下山したら下の世界はやはり暖かくて、天気もけっこうよく、平和な雰囲気が漂っていた。帰りの高速道路から丹沢方面を眺めてみたら、面白い光景が広がっていた。なんと、塔ノ岳の山頂付近だけ見事に雲がかかっている。それ以外の周辺の山々はすっきりと晴れているようだ。どうりで山頂が荒れていたわけだ。しかもよりにもよって、ピンポイントで荒れている山を選んでしまったようだ。でもおかげで数時間のうちに2つの季節を体験できて、なかなか楽しい山登りだった。ある意味すごい当たりを引いたような、楽しい気分になって帰路についた。


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