ドラマのバッドエンド。9月15日の日記

二日酔いで目覚める。しばらく横になる。昼過ぎにベッドを出る。今日も夕方Dが来て、寿司を食べに行く。おいしかった。熱燗を飲む。

今日は『竜の道』の最終回だったので、二軒目には行かず早めに帰ってお風呂に入った。最終回では妹にも復讐相手にも正体がバレてしまう。けどなんとか復讐をやり遂げる。私はもともと「復讐劇」が大好きだ。それも、憎い相手に復讐することを人生の目的にし、何年も何年もその復讐にすべてを賭け、ついにやり遂げる・・・という話が好き。コーネル・ウールリッチの『喪服のランデヴー』とか、何年も何年もかけて執拗に相手に復讐していく、常軌を逸した破滅的な生き方には、ある意味ロマンを覚える。このドラマは、双子の兄弟が両親の敵をとろうとする話。両親を死に追いやった男に復讐し、男から家族も会社もすべて奪ってやり地獄に落とそうと計画する。そのやり方がすごい。弟のほうは官僚となり、復讐相手の娘に接近し、「表」から相手を攻めていく。そして兄のほうは顔も名前も変え、自分の正体を明かさずに「裏」から攻めていく。兄は裏社会に身を投じ、殺人という罪も犯してしまう。そこに血の繋がらない妹が絡んでくる。妹にだけはなにも知らすまいとする二人。私としては、二人の復讐がうまくいってほしいので、この妹が邪魔に思えて仕方なかった。妹が兄たちを想って「復讐なんて危険なことはやめて!」とか言い出すのが嫌だった。確かに、復讐なんて忘れて、3人で仲良く暮らす、というのが3人にとって幸せなことだろう。けど、兄たちは復讐相手への恨みを忘れることができなかったし、復讐しないと彼らの人生は報われないと思い込んでいた。兄と弟は妹をめぐって背反する。けど最後には3人は手を取り合い、復讐を果たすことができる。復讐という人生の目的を果たし、兄は殺人を自首し、3人は新たな人生をスタートさせようとする。兄が自首する前夜に、最後に3人で鍋を食べようと妹が提案する。妹の家で鍋をやるため、妹と弟がスーパーへ買い出しに行く。「お兄ちゃんも早く来て」と妹から電話があり、兄は幸せな気持ちで早く二人のところに行こうとする。辛い思いばかりしてきた3人だが、特に兄が一番ひどい目に遭っている。けれど、この後、自首して逮捕されても、きっと弟と妹は何年でも待ってくれるはずだ。そしたらまた3人で一緒に暮らせるかもしれない。復讐も果たせたし、案外ハッピーエンドなのだろうかと思った。けれどももう終わるかと思った最後の最後、兄のもとに突然の刺客が現れる。兄に父を殺された中学生の息子だった。兄は一瞬のうちに刺されてしまう。兄を刺した中学生にとっては、兄は父を殺した憎い相手。兄にとっての復讐相手のような、殺したいほど恨んでいる相手なのだ。因果応報。ここで、最後の最後でこの展開か、と唸ってしまった。このバッドエンド、なにかを思い出す・・・そう、『BANANA FISH』だ。すべてが終わり、主人公が大切な仲間のもとへ向かう途中、まさかのサブキャラに刺されて命を落とす。玉木宏が冷たく横たわるエンディングは、とても悲しいのだけど、復讐劇の終わり方として余すところなく美しかった。私は、このような美しく後を引くバッドエンドが、大好きだ。

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