女の人生を左右する3人の男。2月6日の日記

朝は5時半に起き、30分だけ小説の推敲をして用意する。ご飯を炊きお弁当箱に詰める。おかずは昨日の鮭のちゃんちゃん焼き。味が濃かったので、ご飯を多めに詰める。それとトマトとブロッコリー。

『スカーレット』は、喜美子の窯焚きがようやく成功し、女性陶芸家として名声を得ることとなった昨日の回がハイライトだった。窯焚きが成功した次の瞬間に7年も飛び、そのとき喜美子はすでに名のある陶芸家になっている。具体的にどのようにして成功したのかということは描かれない。それはあえて描いていないのだと思う。喜美子が目指しているのは「陶芸家としての成功」ではないから。彼女はただ自分のやりたいことをやっただけ。自分の納得のいく色を出したくて、何度失敗しても夫に去られても窯焚きを敢行した。それに挑戦し続け、最後に窯焚きに成功することこそが喜美子にとってのハイライトだ。さらにいえば、喜美子にとって大事なのはそのときそのときの人々との交わりだ。荒木荘の人々との関わりも大切にし、その結果ちや子さんに取材してもらってそれがきっかけで名前が知られることになった。喜美子はつねに「今目の前にあること」に全力投球している。陶芸だろうが人だろうが、そのときそのときの自分の大切なものに対して誠実に対応する。それが結果を生み出している。荒木荘での女中の経験なんて、陶芸家としてなんの役に立つのだろう?と思っていたが、そういうことではないのだ。そこでの人との関わりや経験が、喜美子の人生を豊かにしている。

幼いころから父に振り回され、父が亡くなり夫ができてからは夫の顔色を窺い・・・。喜美子の人生はそんなことの繰り返しだった。それでも父や夫の許しを得て自分のやりたいことをちゃっかりとやる。けれど本当にやりたいことを夫が許してくれなかったとき、別れを決意した。今後は恐らく息子との関係が描かれていくことになる。陶芸家を志すことになる息子は、このあと病気になる。史実では若くして病死している。そうなると喜美子は父、夫に続き息子まで失うことになる。父、夫、息子。喜美子の人生を左右する3人の男。私は昔は父に振り回されたが、幸いなことになにかするのに許しを乞う夫も、手のかかる息子もいない。自由だ。なんて幸せなことだろうか。

会社は相変わらず忙しい。全体会議資料を上司に送るついでに業務調整のお願いをしてみた。明日業務についてミーティングすることになった。冷静に今の状況を伝えよう。

朝ドラで7年も時が飛んだが、ドラマや映画ではそうしたことがよくある。元気だった人が次のシーンではもう死んでいたり、思わぬ展開があったりする。私はこういう、突然何年も経つという作り方が好きだ。すごくワクワクする。それを自分の小説でもやろうと思う。私が今書いているのは約20年前の世界だ。そこに突然現在の話をぶっこむことにする。自由に書きたい。自分の好きなことだけを書きたい。20年も前の物語に囚われていてはつまらない。


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