2023年私的ベストアルバム40(第20位~第1位)
去年はトップ10だけ全部感想書いてましたが、今年は40枚すべて感想も書いてます。本当にただの感想ですが良かったら読んでやってください。
前半(40位~21位)はこちら↓↓↓
20.PinkPantheress 「Heaven Knows」
Beabadoobeeっぽいなっていうのが最初の感想。Beatopiaの多様性をバンドではなくクラブの感覚でやりましたみたいな。
やっぱりポップなのが好き。
19.Caroline Polachek 「Desire, I Want To Turn Into You」
ボーカルといい楽曲といい神秘性すらあって近寄りがたさも感じるけど、聴いてるとやっぱり身体が動いちゃう良いダンスポップ。
フラメンコとかケルトとか色々詰め込んでて楽しいし面白いけど、シンプルに高揚感のある1曲目が好き。
18.Arlo Parks 「My Soft Machine」
前作のインディーロック成分をより強めてくる意外性にやられた。
「Devotion」のギターとか最高じゃないですか。
17.藤原さくら 「AIRPORT」
AIRPORTのタイトルにふさわしいような外に向かっていく開放感が気持ちいいアルバム。
「いつか見た映画みたいに」の成長を感じるキラキラポップスも好きだし、「まばたき」の昔から変わらない素朴さも好き。
16.羊文学 「12 hugs(like butterflies)」
「永遠のブルー」とか「more than words」のタイアップとかあったので、なんとなく羊文学なりに「狙った」アルバムを予想してたのですが、いい意味でそれを裏切られた作品。
変に浮足立たずに、実直にソングライティングと演奏を磨き上げて、作品の豊かさがさらに一段上がったと思います。
15.揺らぎ 「Here I Stand」
1曲目のダイナミズムにぶち抜かれた勢いでライブのチケットまで買ってしまった揺らぎの新譜。
「Here I Stand」がやっぱり名曲のオーラがあって好きだけど、「I Wonder」の後半の展開とかもめっちゃ好きです。
14.Black Country, New Road 「Live at Bush Hall」
このライブ盤をもって、ポストパンク勢の中だとFontaines D.C.と並んで自分的に頭一つ抜けた感あります。それぐらい大物になる予感をビンビンに感じさせるダイナミックさとキャッチーさ。
13.Kylie Minogue 「Tension」
この夏「Padam Padam」を何回聴いたことか。このキラーチューンで始まるアルバムが良くないわけがない。さすがのエレクトロクイーンです。
キャッチ―でとにかく楽しいアルバム。クラブ寄りの曲だけでなくインディーっぽい曲があるのも個人的には意外で良かったです。
12.Inhaler 「Cuts & Bruises」
2枚目にして曲のスケール感が増しててかっこいい。このままどんどん成長してデカくなってください。
11.Lana Del Rey 「Did you know that there's a tunnel under Ocean Blvd」
ラナ様の世界があまりにもディープで好きになるのに時間がかかったけど、やっぱ1回ハマると深いですねこの人は。
ピアノが不穏に響く中盤の流れが秀逸だと思います。
10.Paramore 「This Is Why」
ギターの鋭角的な音のかっこよさが炸裂してて最高です。
ヘイリーのソロ以降って感じのダンサブルなインディーロックから、初期にもあったような熱いロックソングまで、とにかくロックバンドとしてのかっこよさがこれでもかってぐらい詰まってると思います。
9.The Rolling Stones 「Hackney Diamonds」
この年でこんなに力強いロックサウンドを響かせるって、後にも先にもなかなかないのでは。
「Angry」の王道ストーンズ節もかっこいいし、「Sweet Sounds Of Heaven」のミックの熱唱と大団円な感じもグッと来るのですが、個人的に「Mess It Up」の軽やかさがこのアルバムの凄さを1番物語っているようにも思います。
8.Blur 「The Ballad of Darren」
恐ろしいこと言いますが、ブラーのアルバムで本当に心から好きになったのってこれが初めてな気がします。
バンドとしての円熟味といい、特に「St. Charles Square」とか「The Narcissist」あたりのギターの音のかっこよさといい、無駄のない構成といい、何度も聴き返したくなるとっても魅力的な作品。
7.SZA 「SOS」
18位のアーロのアルバムとも共鳴するような、R&Bの枠からはみ出た懐の深いポップアルバム。このボリューム感で今年何度聴いても飽きなかったです。
そしてアーロのアルバムにもこっちにもしっかり顔を出すフィービーさん、さすがです。
6.Mitski 「The Land Is Inhospitable And So Are We」
何度聴いても心がザワつくアルバム。フォーク調で始まったと思ったらいきなり轟音になる「Bug Like An Angel」からして不穏極まりないですが、安心できる瞬間がほとんどない。音作りの尖り具合で言ったら恐らくトップの傑作。美しくも恐ろしい唯一無二の世界。
5.Olivia Rodrigo 「GUTS」
前作同様めちゃくちゃキャッチ―でありつつ、前作よりもオルタナ度増してて最高です。
オリヴィアのはっちゃけ具合にワクワクする「all-american bitch」から始まって、途中の緩急のつけ方も素晴らしい。
4.カネコアヤノ 「タオルケットは穏やかな」
曲や歌にどっしりと貫禄すら出てきた感じもありますが、演奏とかアレンジの部分でも深化を見せてくれたアルバムだと思います。
なんだかんだで「わたしたちへ」が狂おしいほど好き。
3.boygenius 「the record」
USオルタナの希望の星。3人のこのハーモニーがある時点で勝ちなのに、ギターロックのかっこよさまで備えちゃったらもう無敵です。
雄大な広がりを持った「Not Strong Enough」は今年を代表するアンセムだと思います。
2.BUCK-TICK 「異空-IZORA-」
前作の時点でも、熟成のさらにその先にあるエグみみたいな、「これ、食べていいの…?」っていう感じの凄みが出ていると思いますが、これはさらにすごいことになってると思います。
これだけ多種多様な楽曲を違和感なくロックバンドのアルバムとして、しかもポップにまとめ上げちゃうってどういうことですかね。
1.Foo Fighters 「But Here We Are」
愛する人の死を、乗り越えるというよりは抱きかかえてこれからも生きていくんだっていう前向きさと、でもやっぱり悲しいんだっていう素直な気持ちもどっちも持った作品だと思います。
フー・ファイターズの王道中の王道ロックソングの「Rescued」「Under You」に始まって、ドリームポップ風味の「Show Me How」、大作の「The Teacher」があって、優しくも激しいレクイエムの「Rest」で締めるという構成も見事です。
何でもかんでも結びつけるのは良くないと思いつつ、やっぱり櫻井敦司とチバユウスケという2人のカリスマを立て続けに失ったショックが自分の中で大きくて。そんな中で改めてこのアルバムを聴き直した時に、このアルバムの持つ前向きさと素直な悲しみがあまりにも自分の感情とマッチして、リリース当時に聴いたときよりも胸に来るものが大きかったです。
それってさすがに気分で決めすぎなんじゃとも思ったけど、それはそれで2023年の記録として良いんじゃないかと思いまして。