住めば都?

緊急事態宣言が出されてから約一か月、いかがお過ごしでしょうか。コロナちゃんとの関係性を思えばもう全然新型なんて思ってないよ、水臭いなあとっくに旧知の付き合いじゃんて感じですね。
程度の大なり小なりはあれどもみんなが強制的に一時停止を余儀なくされた。こんな風に共通の敵が出てきた時はジャンプ漫画のように「とりあえずはアイツを倒してからだ」みたいにいがみ合っていたやつらとも肩を組む展開になるのかと思ったけれどそんなことはなくて、誰かが誰かを袋叩きにする光景を目にする機会はよっぽど増えたかもしれない。

住めば都の応用編というかこんな生活にも慣れというものはやってくる。ライブもオーディションもアルバイトも一切できなくなった代わりに八田荘の鈴木さんの料理動画を真似てパスタを湯がいてみたり、サッカーの長友のトレーニングを参考に体幹を鍛えてみたり、卸すあてもないけれどせめてアイデアの種ぐらいはとネタを考えてみたり、在宅配信のタイムラグにやきもきしたりする日々にもリズムがうまれてきた気がする。
同居人のまんたな先生はレトルトものにひと手間アレンジを加えたカレーを作っちゃったりして、それを口にして「あー店のカレーが食べたいー」と嘆いたりしています。木場事変はマインクラフトで実家を再現していたり、我が家はそれなりに楽しくやらせてもらっています。
濃縮還元のフルーツジュースを口にして味がしなかったら焦ろうという家訓ができました。俺たちの検査キッド、ミニッツメイド。大抵の飯は料理酒をぶち込めばなんか良い感じになることも、最寄りのスーパーに出向くだけでもウーバーイーツの配達をしている自転車とマジで100回はすれ違うことも、こんな暮らしにならなければ気づけなかったことかもしれない。
収入のあてはほとんどなくなってしまったけれど支出も激減した。
世界で一番インターネットに弱いオズワルド伊藤さんにnoteのやり方をレクチャーしたら

なんか一万円もらえることになった。もうちょいしたら御国から10万円もらえたりもするらしいのでなんとかやっていけています。長友式体幹トレーニングをやっている分、なんだったら以前より健康になっているかもしれない。

「どうやらお笑い活動は、原状復帰の優先順位としては最後尾に位置しているかもしれない」という現実を受け入れるのにじっくりことこと弱火で三週間ぐらいかかった。特にライブなんてがっつり3密環境をやらせてもらっているし、なにせ不要で不急なことなので仕方がない面も多分にある。
僕らにはどんだけ金がなくても路上や公園で打ち上げをやるようなゴキブリ根性が備わっているのできっとどうにかなるだろうが、劇場の方はかなり切迫した状況らしい。東京の非吉本芸人ならほぼ確実に世話になっているところも家賃の補填のためにクラウドファンディングを始めていた。目標金額が集まらないと本当につぶれてしまいかねないようだ。
当然つぶれないで欲しい気持ちでいっぱいだが、5月を切り抜けるための目標金額に達しても6月に再開できる保証があるわけでもなく、お客さんに向かってあてのないランニングコストへの投資を呼びかけることを憚ってしまう気持ちもある。
マラソンランナーに向かって「もうちょい頑張れ!ゴールまであと何キロかはわからんけど!!ぶっちゃけゴールがあるのかもちょっとわからんけど」なんて声援を送っていいものだろうか。
劇場に冬眠みたいなシステムがあったら最高なのだが、僕がこうして気後れしているこの間にも劇場の家賃がしっかりと発生している。とりあえず自分でできる範囲の支援はしてみるつもりだ。

僕が所属しているマセキ芸能社ももう三か月間事務所ライブが中止になっている。三月に新しく入った後輩の顔をまだ一回もみていない。プロフィールが気になりすぎるプノまろともまだ会えていない。

鉄ヘチマと棒をこの目で見るまではくだばるわけにはいかないね

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