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モーヴ街の街路樹は色づいて、冷たい風が吹く季節になりました。それぞれのお店にはクリスマスを待つ華やかな飾りが付き始め、通りは一層賑やかでした。 10番地のロマランでも、お裾分けしてもらった小さなもみの木を一つお店の前に置き、そこに金色の小さな鈴を付けた菫色のリボンをふたつ結びました。なにしろここへ越してきて初めて迎えるクリスマスですので、飾るものなどは一つも持っていなかったのです。だけどこれだけでもマダム・ロマランには十分に華やかな飾りでした。 窓から金色の陽が穏やか
Text|フランスガム はじめまして。この度モーヴ街10番地に入居させて頂くことになりました フランスガムと申します。 こちらでは「小さなお話を売るお店」として場所を頂き、絵本のご紹介やそれにまつわる品々などをお届けする予定です。 このお話を頂いてから、モーヴ街の小さなお話を売るお店にはどんな店主がいるのだろう?と色々思いを巡らせている時に、ベランダにあるローズマリーの姿が浮かびました。なぜかといえば通常ローズマリーには菫色の花が咲くのです。(今年うちにあるものには