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La Salle de Séjour|居間

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マダム・ロマランの居間。おしゃべりしたり、モーヴ街の住人や散策する人をお迎えする場所。
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居間|菫色の小部屋再開から物語へ、断片的な思考を思うままに記述する試み

 四月の初旬、霧とリボンさんの菫色の小部屋の扉が三年ぶりに開き、そちらで新しくできた絵本『彼方の鳥』の原画展を開催して頂きました。  ご来訪くださった皆様、ありがとうございました!改めてお礼申し上げます。Webで見守ってくださった皆様へも改めて感謝申し上げます。  三年ぶりに訪れた菫色の小部屋、初めてポプリを試香されるお客様のお姿、じっくり絵を見てくださるお客様のお姿(少々ひやひやしながら)、カリスマ店員ことノール様の忍者のように素早い細やかな会場整備の目撃など、感動的な

居間|クリスマスの訪問客

 モーヴ街の街路樹は色づいて、冷たい風が吹く季節になりました。それぞれのお店にはクリスマスを待つ華やかな飾りが付き始め、通りは一層賑やかでした。  10番地のロマランでも、お裾分けしてもらった小さなもみの木を一つお店の前に置き、そこに金色の小さな鈴を付けた菫色のリボンをふたつ結びました。なにしろここへ越してきて初めて迎えるクリスマスですので、飾るものなどは一つも持っていなかったのです。だけどこれだけでもマダム・ロマランには十分に華やかな飾りでした。  窓から金色の陽が穏やか

居間|10番地よりご挨拶

Text|フランスガム  はじめまして。この度モーヴ街10番地に入居させて頂くことになりました フランスガムと申します。  こちらでは「小さなお話を売るお店」として場所を頂き、絵本のご紹介やそれにまつわる品々などをお届けする予定です。  このお話を頂いてから、モーヴ街の小さなお話を売るお店にはどんな店主がいるのだろう?と色々思いを巡らせている時に、ベランダにあるローズマリーの姿が浮かびました。なぜかといえば通常ローズマリーには菫色の花が咲くのです。(今年うちにあるものには