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細山智明「桃色家族性活」

細山智明「桃色家族性活」(成人映画公開題「実録 桃色家族性活」) 脚本は鴎待人(=細山智明)と可愛金魚の共同。

マントルを経営する「桃色屋」の4兄妹は、上から順に長兄(日比野達郎)、その妻リリー(筒美愛)、長女マリコ(しのざきさとみ)、次女アリス(伊藤清美)、三女ユキ(橋本杏子)。自宅で売春しながらいつかは薄れゆく桃色の家族性活を想う、発想がぶっとんでる奇想天外でシュールで、でも抒情的な青春作。

実家の売春宿「桃色屋」を継ぎ今マントル。あっけらかんと売春で共同性活を送る長男夫婦と三姉妹。疑似家族の様なぼんやりとした共同体幻想は家族崩壊の一形態か、シュールで尖った、でも濃厚FUCKは学生といえども決して手抜きなんかしませんぜ!エロには妥協のない作品。

1984年、細山監督が弱冠22歳の時、日芸の卒業制作で学校側に却下され、それが成人映画として公開され陽の目を見た。昨2021年に大阪芸大の堂ノ本敬太が「海底悲歌」で、実に37年ぶりに細山監督と同じ道を辿ることになったのが非常に興味深い。しかも、映画会社まで同じとは。

堂ノ本監督は、作中でショパン「別れの曲」とともにサティ「3つのジムノペディ」の使用していたが、この細山作品も、終盤に印象的に「3つのジムノペディ」が使われる。この曲、若さの象徴なのかな。ピンク映画を撮る、ということとこの曲を使うことは、決して馴染んでいるとは言えないのだけれど。

さて(←さて、じゃねーよw)この細山監督の意図せず?卒業制作がピンク映画デビュー作となった作品、堂々としてとても新人監督の出来を遥かに上回っていると感じるのは、役者が伊藤清美を筆頭にしのざきさとみ、橋本杏子、更にゲスト出演で中村京子や竹下ゆかりまで登場、完全に商業映画として一級品の仕上がり。

どうしても堂ノ本監督との比較をしたくなってしまうのだが、一番の違いは濡れ場がこれでもかとこってり描かれ、その後の細山作品を思い返すにつれ、「こんなにエロに良心的だったっけ?」(←こらこらw)と思う位に、濡れ場こってり一直線!なところにいい意味で若さを感じる、青春してる!

私は1980年代はロマンポルノ止まりでピンク映画はあまり観たことがなかったから、しのざきさとみや伊藤清美は熟女の印象が強く、橋本杏子にしたってリアルタイムで観た「小松みどりの好きぼくろ」を除けば、数年選手のイメージ。だからもう、全員が若い、若い、ピッチピチですよ!

しのざきさとみも伊藤清美も、こんなあどけない顔をしてたんだ。可愛いなあ(*'▽')橋本杏子に至っては、まだ垢抜けなくて演技もぎこちない所が逆にフレッシュさ倍増。これに加え、日比野達郎とか山本竜二とか、まあ全員が若すぎるよ(笑)凄い、タイムトリップした気分だ!

ところで(←ところで、じゃねーよw)本作の実質的なヒロインは、次女を演じる伊藤清美だと思う。彼女のキャラはパラノ人間(笑)恐らく日芸と思われる校舎で女子大生の三女・橋本杏子が哲学?の授業を受けていて「スキゾ人間とパラノ人間」の講義を受ける。スキゾが杏子ならパラノは清美、この二人のキャラは正反対に描かれる。

びっくりしたのは、長女を演じる劇中設定22歳のしのざきさとみがつぶらな瞳にショートカットが、まあ可愛い!どこのアイドル歌手ですか、彼女は!という位に可愛らしく撮れていて、清美がパラノ人間としてキャラ固定されるのが不憫に思えるほどwさとみはキュンキュンするような清純派アイドル!

橋本杏子はこの作品がデビュー作!(←ホントかよw)リアルに20歳位だったのかな?聖子ちゃんカットがとてもよく似合うけど、肉食系で男を喰らう派はデビュー作からもうこのキャラで行ってるのねw男を二股、三股かけ、その後は桃色屋の本業にせっせと励む、彼女は肉食獣(笑)

三姉妹の上からしのざきさとみ、伊藤清美、橋本杏子のトリオが余りにキャラが濃すぎて他の出演者の存在が霞んでしまいがちですがwホントにこれが卒業制作の映画なの?ピンク映画界を代表する名優たちが出るわ出るわ、もうこれは桃色屋とはそのまま成人映画界のことなのですねw

桃色屋は、代々続いた売春宿。日比野&三姉妹の両親は2年前に他界。日比野は3年前に結婚した愛と、元々は一軒家でちょんの間していた商売を維持できずマントルに鞍替え、両親の教育が良かったとかでw三姉妹は学業に励みつつ、同時に実家買春して金を稼ぎ、家族性活が成り立ってる(笑)

さとみがいかにも長女らしい、大人しくて母性本能を前面に出すタイプなのに対して、次女の清美は何を考えてるか分からないようなアブナイ文学少女、三女の杏子は甘えん坊で男を同時に股にかけて遊び倒す今時の女子大生を謳歌、全く違う三人の女性の日常が交差する映画だ。

さとみはレンタルビデオ店でバイトしていて、同僚が中村京子、彼女もリアルに20歳のピチピチなのだが本作では残念ながら脱がない。杏子と大学でクラスメートで親友の竹下ゆかりはリアルに18歳!脱がないよなあ、と諦めてたら、ホンの短い服脱いでオールヌードになるシーンと風呂場で全裸でシャボン玉吹くサービスカットあった(*'▽')

男優陣は、この作品の主役として堂々とテロップに紹介されるw若き日の日比野達郎(26歳!)それに、桃色屋の常連客として、武藤樹一郎、吉岡一郎、久須美欽一、山本竜二(25歳だが作中設定は20歳wこれは影田の前日譚?)更にお見合い相手を紹介に来る吉田純や、杏子の本命彼氏の佐藤靖まで、錚々たる顔ぶれに、一人ずつ出てくるたびに驚きの連続!

物語は大きく前半と後半に分かれていて、桃色屋の現状と日常を色濃く描き出す前半は、常連客の武藤が清美を正常位でガンガン犯し、常連客の吉岡が愛を騎乗位でガンガン責め、同じく常連客の久須美も愛をバックからガンガン突く、売春宿改めマントルの平凡とは決して言えない家内制手工業売春の実態w

日比野&愛夫婦は、まだ20歳そこそこの若い三姉妹を、ずっとマントルに縛り付けちゃいけないと思う。でも、実際に彼女たちに恋人が出来ると「わきまえろ」と深入りせぬよう促す(←鬼畜やろw)5人で食卓を囲み、ガツガツとひたすら食べる、品の無い食卓wに、いつ薄れゆくか分からない桃色屋の将来を案じるw

そして、第一の矢はさとみに振って湧いたお見合い話。トルコチェーンのドラ息子と、これぞ細山演出と感心した、田舎の田んぼのど真ん中にテーブルと椅子を置いて、お見合いするさとみと相手の25歳の男。さとみがキラキラお目目に無造作ショートカットヘアがもう可愛すぎ、これ、私も恋しちゃうよ!

第二の矢は、清美が取った客。オサムというその青年は、清美と相性ドンピシャの文学青年風のおかしな奴で、大事な金魚に餌をあげて飼育していた清美は、やがて餌をドバっと水槽に入れ、もう彼の方に夢中になる。相変わらず、どスケベな武藤はガンガン私を犯すが、もう心はオサム君一直線なのだ!

第三の矢は、杏子。彼女は二人の姉が桃色屋の日常から脱出すべくいい男を見つけかけていることに呆然。本命の彼・佐藤靖とは濃厚な正常位FUCKで本気印でガンガン抱かれるが(←デビュー作らしく絡めた脚とか艶めかしくてフレッシュ!)二番手の彼にはカーセックスで乳だし手マンペッティングまで、三番手の冴えない男にはパンティモロ見せまで、なんてどうでも良くなった。

清美はオサムとの恋に落ち、ヘタクソな青江三奈「恍惚のブルース」を口ずさむ♪女の命は 恋だから 恋におぼれて流されて 死ぬほどたのしい夢をみた あとはおぼろ あとはおぼろ ああ 今宵またしのびよる 恍惚のブルース♪彼女は桃色屋にいても気もそぞろ、早くオサムに会いたい!

さとみはトルコ王のドラ息子とお見合いしつつ、客商売も続行。マントルの風呂という設定の単なるユニットバスで(笑)おっぱい星人の若い客山本竜二に執拗におっぱいを揉まれ、顔をおっぱいに埋めて窒息しそうになるプレイなどしながら「あんた、若いくせになんでこんなとこ来るのよ?」山本は「セックスから始まる恋がしたい」

さとみはトルコ王のドラ息子とのお見合いに失敗。吉田が言うには「あんたが桃色屋の女将だと思っていた」どうやら、身体を売らせる女はドラ息子とぴったりお似合いでも、自ら身体を売る女は不釣り合いだ、という先方の非常に身勝手な理由で、さとみはフラれた。でも、常連客となった山本はさとみに熱烈プロポーズを続ける。

清美は、夜寝ていても、オサムがシェーカーを振りながらカクテルを作ってる夢を見る(←どういう夢だよw)オサムはカクテル作りながら「君は1日に俺の知らない男二人と寝る女。そんな状況を俺が我慢できる訳がない。ああ、なんで君は売春婦なんだ!」でも、そんな状況こそ、清美にはサイコーのオカズ。

とっくに桃色屋はちょんの間からマントルに変身したのに、清美の中では「ああ、私は可哀想な娼婦、なんで私は娼婦なの」自分が娼婦であることに酔いしれる清美はやっぱりパラノ人間(笑)布団の中でパンティに指を突っ込み、アソコに指を突き立てて激しくオナニー、ワンワンスタイルに体勢を変えて続行し、やがて激しくイッた。

杏子は、三股かけている自分を客観視、義姉の常連客である吉岡と二輪車することに決めた。姉妹丼だぜ!ウッシッシと鼻の下を伸ばす吉岡は、全裸の杏子と愛を二人並ばせケツを突き出させて、うぐいすの谷渡りをマン喫!愛をバックからパンパン犯しながら、杏子のアソコを猛烈に手マンした。

そして、ベッドに上がり、仰向けになった吉岡に顔面騎乗する杏子、松葉崩しでFUCKする愛。夢見心地の二輪車を味わう吉岡は幸せ者すぎ、おい吉岡、俺と代われ!(←ってムリだよwおい)こうして、桃色屋は明日も安泰かと思われたが、三女の杏子が仕事に身を入れた途端、長女と次女に変化が!

清美は桃色屋で売春に使ってるベッドから全裸で登場、愛が呆れて「服くらい着なさいよw」でも、清美にはそれどころじゃないのだ「イイ人ができたの」どれどれ、日比野と愛が入ってみると「どうも」と全裸で挨拶するオサム。その日の夕食、日比野と愛は「ちゃんと一線は守るように」清美に釘を刺した。

さとみは、目一杯おめかしして、駅で山本とデートの待ち合わせ。ルンルン気分で出発するさとみちゃんは、ホント可愛いなあ(*'▽')やっぱり巣立つのは長女から、これが順番なのだろうか?相変わらず吉岡と激しい3P続ける杏子と愛。清美は呟いた「あー!思いっきり、マスターベーション、してえ!」

スクリーンに大きく「桃色屋」の三文字がドーン!これまでの流れと全然不似合いな、軍艦マーチが流れ自始め「音楽・桃色舎」「協力・松岡錠司」などテロップが回った後、「あなたの一本の黒髪が、地平線になりました おしまい」

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