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山城新伍「女猫」

山城新伍「女猫」 原作は茜胡茄と川崎三枝子。 脚本は内藤誠と桂千穂の共同。

巨乳レズの産婦人科女医ネコ(早乙女愛)は患者でゲイボーイのパーティ会場で狙撃された女(大塚良重)から頭蓋骨を預かり、カフェバー店長のシャーリー(岩城滉一)と組んで悪党の医学部長(名和宏)と全面対決に。見応えあるハードボイルドでロマンチックなエロチックサスペンス系の娯楽作品。

ラインナップとしてはにっかつロマンポルノだけど、山城新伍が演出して悪のボスが名和宏なので東映っぽいエンタメ活劇、そんな中でもカメラが名手の前田米造だったり音楽は元ザ・タイガースの森本太郎が担当でありながらロマンポルノの音源も使用してるのかな?そこはかと日活の香りもするんだよね。

ダブル主演の早乙女愛と岩城滉一のキャラはレズとゲイ。因みに愛には濃厚なレズシーンはあるが岩城にゲイシーンは無い(笑)二人は愛し合って実はバイ性癖なのかよ!って所だけど、80年代前半と言えばゲイポルノ自体が黎明期でさすが桂千穂脚本。時代を何十年も先取りしたLGBT仕様。

誰がどう見たって見所は「愛と誠」で西城秀樹と共演デビューして青春メロドラマ路線で一世を風靡したあの早乙女愛が脱ぐぞ!その一択なんだけど(笑)令和の今になって観返すと、これが唯一のロマンポルノ出演になる岩城滉一の匂い立つセクシーな男の色気の方がむしろ見応えある気がw

早乙女愛の全裸シーンは全部で4回あるんだけど、まあ目立つのが胸が大きいのよ。ロケット乳で上にプリンと向いてる気がしつつ重力に抗えずちょっと垂れ気味なのがまたエロいんだよね(´Д`)愛ちゃんのおっぱいだけで飯山盛り三杯はイケると思うね。カラミなんてどうでもいいもん(爆)

1984年のお正月映画で、清純派で売っていた早乙女愛の大胆ヌードをテレビの深夜バラエティでチョメチョメ連発してたセクハラオヤジの山城新伍が撮ります!ってことで話題性は十分だっただろう。興行的にも大ヒットしたらしいからね。AVなんかとは別にこういうポルノは観たいもん。

10年後に本作はリメイクされ北畑泰啓監督・ヒロイン可愛かずみ「女猫 美しき復讐者」で蘇る。つまりVシネの元祖の役割も果たしたんだ。これは日活創立80周年記念作品で、藤浦敦がプロデューサーとして文字通り日活を「落陽」させたあの超大作だけじゃないのねw歴史遺産なのだなあ。

女優に関してはキャスティングをほぼ山城新伍が自分で行ったらしく、脇を固める大塚良重25歳はボブカットの知的ビューティーでなかなかイケるけど女駆け込み寺の産婦人科院長は表の顔で実はヒールだった伊藤幸子はトンボグラサンで最近亡くなった爆弾魔の桐島聡みたいな造形で萎えるw

大物女優を起用したロマンポルノって文芸大作に代表されるように傑作まずありえないんだけど、本作も例に漏れない(笑)山城新伍が監督と聞いた時点で映画としてのハードルだだ下がりなのは万人に共通だと思うけど、その割によく出来てると思うのよね。早乙女愛のデカ乳だけじゃないw

ストーリーはエピソードが雑多にてんこ盛りで交通整理がもはや不可能な状況の中で、最初から最後まで飽きずに一気に観させる力技って凄いよね。東映で鍛えられたエンタメ精神が存分に発揮されていて、アクションありサスペンスありハダカありラブロマンスあり、なんでもありの宝石箱や!

早乙女愛が脱いでくれるだけで神々しくエロいのを除けば、実用的なエロに関しては青木琴美一択だね。演技は相変わらずの棒だけど(笑)ロリっぽさは白衣の天使になっても際立っていて、殺し屋たちにレイプされる時のイマラチオとかアソコをクスコで大開脚されたり一人で大暴れだ!

男優部で特筆すべきは特別出演のせんだみつおは暑苦しいだけで目障りなんだけどwそれよりも小林悟のゲイポルノでお馴染みの沢まどかが出てるんだよね。配役はジュリーで(笑)岩城が経営するカフェバーでオカマの一人で陽気に騒いだ後は仲間の死に際し葬儀で弔問客の山城を案内するw

ザックリ言えばカッコいい男・岩城滉一がカッコいい女・早乙女愛を悪の手から守りそして殺され悲しみに暮れるカッコいいだけの物語。要は雰囲気で魅せる映画なので考えるな、感じろ!東映の不良性感度がロマンチックなメロドラマに昇華したような、良い所を消しちゃってる気もするがw

結局はストーリーが支離滅裂なんだよね。恐らくホンの時点ではそれなりにきちんと書き込まれていたんだろうけど、演出が素人で撮り散らかした挙げ句に困ったらロマンチックな劇伴とドラマチックな男女の恋愛譚をぶち込んでごまかし続けてるうちにあれよあれよとエンドマークまでw

横浜民の私にとっては完全なる横浜地元映画で、愛&レズ友幸子がいわくつきの頭蓋骨持って外人墓地をドライブしてたら悪の一味に追いかけらてそのままカーチェイスになって中華街を爆走する場面のロケは結構お金かかってるんじゃないの?山下埠頭で一人佇む愛の立ち姿は画になってる。

冒頭、愛は自宅マンションで深夜に呼び出されネコらしく牛乳を飲んで産婦人科に出勤。手術は無事に終わるが朝になるとドンドンとドアを叩く迷惑客は中華街で肉屋を営むせんだみつおが恋人のゲイボーイを連れて「妊娠した!」と大騒ぎ。呆れたレズの愛は「ご懐妊です」ワルノリだw

せんだはゲイボーイの妊娠祝いに岩城のカフェバー「シャノワール」でパーティ開き、ゲストで女医の愛も訪れた所に謎の女良重が現れ、窓から狙撃した殺し屋の銃弾がせんだの彼女に当って即死。でもね、愛は良重の顔に見覚えがある。私のことを「泥棒猫!」罵ってナイフで刺した女。

愛は医大を経営する名和理事長のドラ息子で同級生の水上功治と交際、全裸で水上に抱かれデカパイ揉まれてアンアン喘ぐが不感症と罵られフラれクスリでラリって山下ふ頭で産婦人科医の幸子に拾われレズの道を開花させられ今に至るのだが、良重は愛に復讐しに来た訳ではなかったのだ。

良重と瓜二つの妹は水上と交際していたが彼に政略結婚の話が持ち上がった時に奥多摩にドライブに誘われ白骨死体で見つかった。良重が妹の非業の死の理由を探ろうと頭蓋骨を持ち歩き愛に謎を解いて貰おうとゲイパーティに参加したが、不穏な動きを知った名和理事長が命を狙っていた。

水上は大学での成績こそ優秀だったが変態性癖の持ち主で政略結婚相手の電機会社社長令嬢の仁科まり子を全裸で便器に座らせシャワーのお湯を全身に浴びせてビショビショにするとイマラチオ。水上は女はヤルだけヤッてポイ捨てして来た大悪党で、名和理事長は揉み消しに追われていた。

名和理事長の雇った殺し屋軍団が付け狙うのは愛と彼女を庇う幸子の二人。中華街カーチェイスは何とかまいて産婦人科に戻った彼女を待ち受けたのは水上の子を身ごもり走爬したばかりの良重と琴美が残虐レイプされズタボロの姿で、身の危険を感じた愛は良重と頭蓋骨を持ち姿を消した。

愛が頼るのはカッコマン店長の岩城で、屋根裏部屋に頭蓋骨を隠してもらうとオープンカーのカッコイイバギーで夜の高速を飛ばす。隠れ家で二人っきりの愛と岩城のロマンチックなムードに甘美な劇伴が重なり、愛の願いで幸子に居場所を連絡する岩城。でもなんだか様子がおかしいぞ?

幸子は名和理事長一味に拉致られ、邸宅に連れ込まれると、判明する幸子はレズビアンなのに名和に無理やり犯されて言うこと聞かされた過去。女の味方を自認する幸子であったがここは心を鬼にして分娩台に寝かせた良重に麻酔注射を打とうとしてる所に乗り込んだ愛の怒りのメスが飛んだ!

幸子は愛に発砲し腕に重傷を負うが助けた岩城に傷の手当てをしてもらい「上手なのね♡」岩城はこれも上手だよと手料理を食べさせそのままロマンチックなムードになって唇を重ねてソフトなラブシーンながら正常位で愛を腰を動かしてピストンする濡れ場は大物同士、見応えあるよなあ。

コトが済んだ後に鍛え抜かれた肉体美を晒す岩城に後ろから抱き着いてキスする愛の方が役得だろ(笑)二人して全裸を鏡に写してテレビに見立てて「スキャンダルよねえ」と自虐ネタ(笑)で、悪びれない水上が社長令嬢と政略結婚する披露宴の舞台に颯爽と乗り込み復讐に燃える愛と岩城。

披露宴に向かう準備で床屋に寄った名和の首筋をナイフで一閃しスキあり!愛に対し、岩城の方は水上にピストル突きつけ廃屋に連行、ここに頭蓋骨から再生した良重妹の姿が!ここからはね、殺し屋軍団が乗り込んで来て銃撃戦になるけど、岩城&愛は滅法強いの。次々と殲滅して行き、最後は水上を縦断の雨あられでハチの巣にするカタルシス。

ここで、おお!全裸で入浴する愛のデカパイ堪らん!ここが一番のヌキ所です(こらこらw)復讐済んで気が晴れて、せんだの新しいゲイ恋人とのコントなど見つつ街中をルンルン気分で歩く愛に不穏な銃弾。デートの約束に駆け付けた岩城に通行人を装った殺し屋がズドン。哀しみに暮れる愛が岩城の死体を抱き泣き崩れ、遠景に山下ふ頭のある横浜港の日常が広がった。

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