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加藤彰「モア・セクシー 獣のようにもう一度」

シネロマン池袋で、加藤彰「モア・セクシー 獣のようにもう一度」 脚本は中野顕彰。

ハマで相棒(河西健司)と美人局してヘタ打ったヤンキー娘(畑中葉子)がスカに向かう途中で偶然拾ったパンダのぬいぐるみにはヤク。取り戻そうと必死なヤクザと決闘前に正体隠した麻薬Gメン(片桐竜次)と結ばれた。オバンになる前に精一杯ツッパッテおきなよ!野良猫ロックな性春ポルノの佳品。

まさに畑中葉子は、だんだんよくなる法華の太鼓!デビュー作の小原宏裕「愛の白日夢」はエロも演技も硬かったが2作目の同じく小原宏裕「後から前から」で演技開眼!グッと良くなり加藤彰に監督が代わっての本作でロマンポルノ女優として一気にブレイク!

畑中葉子はロマンポルノに4作品出ているが、本作と次作にして彼女のロマンポルノ最終作に当たる「セクシー・ぷりん 癖になりそう」は加藤彰のフィルモグラフィの中でも重要な位置を占める佳品だと思う。加藤彰と畑中葉子、相性はサイコーだったのだろう。

1966年生まれの私にとって畑中葉子とは清純派からグラビアヌード、ロマンポルノまで一時代を駆け抜けた新時代のアイドルそのもので、こうして時代を伴走していたアイコンを改めて劇場で久しぶりに堪能して思うこと、いやあ、若いって、昔って良かったなあ。

少し自分語りさせてもらうと小学校6年生の時に「ザ・ベストテン」で平尾昌晃&畑中葉子「カナダからの手紙」を観てウブで垢抜けないけど可愛いな、この歌手って思った。その後、私が中学生になった頃に葉子のコペルニクス的転回に、私は我が目を疑いましたw

週刊プレイボーイのヌードグラビアで乳首晒してるの、畑中葉子じゃん!彼女、結婚した後にすぐ、離婚したらしいんだよね。昔、池内淳子が同じように結婚して離婚して映画に復帰しようとした時、大蔵貢に「着ぐるみに入ることが条件」言われたそうだけど。

で、私が中学3年の性の目覚め真っ盛りの時に畑中葉子はロマンポルノ「愛の白日夢」に主演して主題歌の「後ろから前から」は空前の?大ヒット。まだ未成年の我々はエロ妄想をくすぐる歌詞にいたく感動、いや、興奮したもので、永遠の青春の記憶だねw

で、畑中葉子って人は歌も演技も恐らく勘がいいんだろうね。ロマンポルノデビュー3作目の本作は素晴らしい出来。映画の内容も遅れて来た日活青春アクション映画のような趣があって思わず見入っちゃうんだけど、それ以上に挿入歌の一つ一つが懐かし過ぎ!

まず、ハマで美人局でおいたした葉子が、根城とするスカのオバン(横山エミー)のクラブで踊りまくるBGMは佐野元春「ナイトライフ」♪ パーティ・ライトに シャンペングラス Shakin' Shakin' Shakin' It's a Friday Night  ダイナマイトみたいなクレイジー・ナイト Living in the city The night life  I love the night life ♪

次に、仲間に入れろと迫る身分隠した麻薬Gメン片桐竜次をベッドで試す横山エミーと並行して、クラブでバーテンの内藤剛志を誘って妖しく立ちFUCKする葉子のBGMは喘ぎ声が満載でほとんど洋ピンの吹き替え「モア・セクシー」♪Shake, Sheke me in your secret,Ah~Ah~♪

3番目に、スカの海辺の海岸でチャリをどっちがより遅く漕げるか競争に夢中になる畑中葉子、河西健司、内藤剛志、マリア茉莉、太田あや子たちの若さと青春が弾けるキラメキの瞬間のBGMに佐野元春「ガラスのジェネレーション」♪ ガラスのジェネレーション さよならレヴォリューション見せかけの恋ならいらない  So one more kiss to me 恋をしようぜ baby きれいな恋を maybe 本当のことを知りたいだけ So one more kiss to me ♪

 4番目、彼女の葉子がスカの昔の仲間たちとワイワイやってるのに寂しさを覚え就職して働こうとするが頭も悪く手に職も無くバーで自棄酒を浴びている河西にBGMでこの曲が(笑)「止めてくれよ!」激怒するの畑中葉子「後から前から」♪ 後から前からどうぞ 後から前からどうぞ 後から前からどうぞ いつでも抱きしめていいの ♪

最後の5番目、これぞ本作の主題歌!パンダにヤクが入っていてヤクザを敵に回して大抗争の挙句、麻薬Gメンまで登場するけどハッピーエンドで海岸べりをチャリ漕ぐ畑中葉子をバックに本作の濡れ場と決闘キメ場面をフラッシュバックさせながらの、爽やかにラストを締める佐野元春「ガラスのジェネレーション」

尺も通常のロマンポルノより10~20分は長い81分あって、出演者も男女合わせて10人以上投入され一般映画でも顔を見知った俳優も多い。畑中葉子主演作品では最初の大作と言って良く、イケメン枠で片桐竜次、河西健司、内藤剛志と3人も顔を揃えてるスゲエ!

でも女優陣はもっとスゲエ!ヒロインの畑中葉子が「ヨーコ」スケバンの先輩・横山エミーは「オバン」同輩・マリア茉莉は「お嬢」後輩・太田あや子は「チビ」で差別感ありありw他に敵対するヤクザ情婦で香川留美と青山恭子も登場するが一番の大物はこの人!

なんと紅白歌合戦にも出場した大物歌手で大物俳優の扇ひろ子が麻薬Gメンで暗躍する片桐竜次の上司の部長役で颯爽と登場(当然ながら非脱ぎw)後は技斗つける高瀬将嗣が前作に当たる「後から前から」の白バイ警官に続いて本作でも印象的な役で出てる。

映画の内容としてはザックリ、野良猫ロックを一回り後ズラした、長谷部安春先輩も藤田敏八先輩も撮りたい青春映画を70年前後に撮ってたじゃない!俺も遅まきながら撮るぜ、これまでロマンポルノに散々貢献して来たじゃねーか!魂の叫びが聞こえるようだ。

でもね、1981年に野良猫ロックが撮れるはずもない。全共闘世代からシラケ世代を経てツッパリ世代と新人類に大きく分化した若者文化は横浜銀蠅のような落ちこぼれを救うファッションと佐野元春のようなスカしたシティ派ファッションに二元化したと言える。

中学や高校のヤンキーがボンタン履いてリーゼント、横浜銀蠅やなめ猫をファッションリーダーにする一方で、そんなこと全然関心ない私は、文化放送「ミスDJリクエストパレード」などで猛プッシュされた佐野元春の爽やかな青春ロックに明日を見たのね。

だから思うの、畑中葉子はツッパリのスケバンでハマでスカで悪さを働くけど、その一方で青春も謳歌してる。ダブルでいいとこ取りなんだよね。全共闘世代やシラケ世代になかった底抜けのカリフォルニアの青空みたいな新世代の予感を映画から感じ取る。

加藤監督に日活アクション映画を撮らせるゴーサインは、世代的にアイドル的なアイコンだった畑中葉子が脱ぐ、濡れ場を演じることとワンセットで初めて実現したと思うのよね。だから濡れ場に手を抜かない。畑中葉子のFUCKシーンは驚くほどエロく撮れてる。

だから(だから、じゃねーよw)畑中葉子が絶対ヒロインで、他の登場人物たちは葉子にとって何者か?により描かれる。中でも美人局の相棒を組む和製ボニー&クライド、無軌道な青春をひた走る河西健司の青春の切なさ、彼が影の主役と断言してもいいです!

葉子はスカの不良番長だった過去から、今は地元でクラブ経営の20代半ばにしてオバンと呼ばれるエミー、卒業して3年だから21歳の元同級生で医者と結婚して玉の輿の茉莉、そして現役女子高生スケバンでセーラー服姿で通すあや子、4人は心通じ合う戦友だ。

で、男優の方だけど葉子がヒロイン特権でイケメン3人を総ナメで喰っちゃう。河西とは恋人同士ボロアパートでしっとりと正常位で、内藤とはクラブで立ちFUCKキメて、片桐とはボートの船室で身の上話した後に想いのたけをぶつけるようにFUCKで全部エロい!

冒頭、ハマの絶景を背景にタイトルインからの葉子がフェラするようにソフトクリーム舐める珍場面wツッコミ入れた河西と追いかけっこは青春だなあ(*'▽')で、美人局の獲物を発見し連れ込み宿で一発の最中、河西が乗り込むと相手はヤクザで葉子、危機一髪!

全裸で服を抱えて逃げる葉子に「これ、アイドル映画かよ!」軽く私もツッコミ(笑)葉子は映画館に逃げ込むがここではポルノを上映中でwスカートの中に手を突っ込まれ慌てて逃げ出す葉子は「この町は危ないわよ!」河西に訴え、ハマをバックレる覚悟。

河西と葉子は痴話喧嘩の振りで通りかかった車の運転手を連れ出すと車ごと持ち逃げ。でもこの運転手、悪徳市議の高橋明で、前方のトラックから落ちて来た段ボールとパンダのぬいぐるみに気を取られ車は大破!ここにあや子たち暴走族グループが通りかかる。

あや子に案内されスカに河西と戻る葉子。先輩のエミーはクラブのママをしていて、佐野元春「ナイトライフ」で踊ってる所にヤクザが乗り込んで来て「ブツはどこだ」散々荒らしまわって去って行く。パンダのぬいぐるみを持つ河西と葉子の顔は割れていた。

葉子は推理する「あのパンダのぬいぐるみに入っていたのはヤクね」でもこのぬいぐるみ、もうゴミ箱に捨てちゃったんですけど(笑)ここにカッコマンの片桐が登場して「俺も一枚かませろ」で、試してやるとバター犬オナニーで我慢してたエミーが名乗りw

エミーはアグネスラムなの?思う位に日焼けが日本人離れしていてw片桐との重量級FUCKはエロくて見応え十分!その頃、葉子はバーテンダーの内藤を立ちFUCKで咥え込んで「モア・セクシー」あや子は可哀そうな河西の目を塞いで見えないようにしてあげた。

ヤクザは、学校帰りのあや子を拉致って車の上に乗せて全裸に剥いて輪姦「このまま街中を走ってやろうか?」頑として口を割らない、というより何も知らないあや子(笑)親分がニヤニヤしながら情婦の青山恭子(びっくりするほどハクい!)の乳揉んでるw

当座の金が欲しい葉子と河西は、目星を付けた車に当たり屋したら「お嬢じゃないの!」なんと高校時代の同級生の茉莉だったのだ。彼女もスケバンだったが過去を隠し医者と結婚。ねん挫した葉子のプリケツを診察と称して触りまくる織田俊彦が羨まし過ぎ!

茉莉は結婚してもデカチンのオヤジが忘れられず会い続け、人目を盗んで海岸べりで青姦(逆に目立つだろw)正常位で迎え入れた後、背面騎乗でおっぱい揉まれる茉莉たんもエロいなあ。顔立ちの整った長身スポーティ美人で俺、モロにタイプなんだよ(爆)

葉子は茉莉がデカチンオヤジに浮気ネタで脅迫されていると知り、河西とあや子を使ってノックアウトするがまさかのホントに死んだwで、遺体を海に投げ入れて魚を釣ってると死んだはずだよ、ステテコオヤジが背後からニュッと現れるの、間がいとおかしw

葉子はニセのパンダぬいぐるみを餌に、ヤクザの実行部隊長である高瀬をおびき出して海にぬいぐるみを投げ飛び込んだ高瀬を一網打尽wそのまま船室に閉じ込め脅迫にかかる。ヤクザを相手に脅迫する怖いもの知らずの葉子、もう河西は完全にブルっちゃってるw

モノホン現役番長のあや子が鋭利なカミソリを高瀬のチ〇コに近づけ「取引の期日はいつなんだい?」これで金をパクッてやろうとする怖いもの知らずの女たちに高瀬は「21日だ」とゲロしながらも「お前たち、ホントにやるつもりなのかい?」半信半疑なのだw

麻薬取引を裏で手を引いているのは悪徳市議の高橋。当然ながら、パンダのぬいぐるみを巡る一騒動の件は知らないw麻薬Gメンの片桐はヤクザの敵対勢力を装って葉子たちに近づいたが、ホントは扇ひろ子ボスの麻薬Gメン組織こそが彼の職場だったのだ!

河西は葉子が生き生きとスカで暮らしてるのが仲間外れにされたような気分で「女たちは勝手にやってろよ」自棄酒飲んでBGMの「後から前から」にもイライラして、そこにヤクザの情婦の留美が「遊ばない?」(こっちも美人局やんけw)で、フラフラと付いていく。

ここにヤクザが登場して、美人局のくせに美人局にハマる河西は学習能力なさすぎw留美の部屋に監禁されるが「トイレ行きたい」「ズボン下ろしてくれ」「チ〇コに手を添えてくれ」からの、縛られたまま留美のおっぱい舐めてアンアンその気にさせてスゲエ!

河西は両手両足が不自由なまま、留美に立ちFUCK仕掛けて「縄解いてくれよ」そのまま床に押し倒して正常位でガンガン突いて射精した途端「お前も逃げた方がいいぜ」部屋を飛び出すと見張りヤクザに見つかり、スカの街中を全力疾走のチェイスが迫力満点!

河西は公衆電話に飛び込み「取引が1時間、早まったみたいだ」情報を言い残すと、ボックス内でヤクザに刺されて絶命。「俺だってやる時はやるんだぜ」言い残して倒れた無軌道で儚い青春。そんな折、スカの埠頭ではヤク取引の予定となる現場に片桐の姿。

片桐はヤクの密売人を押さえるべく闇の中で逆襲に遭い、胸を刺された瀕死の状態で、ボートで居合わせた葉子の手引きで船室の中へ。ここで初めて身元を明かす「俺はヤクザのヤク取引を絶対に潰さなきゃなんねえ」決して麻薬Gメンだとは名乗らない。

片桐は葉子に「お前のことが好きだ。これは遊びなんかじゃねえ」でも葉子は「私のこと、遊びで抱いてもいいのよ」口づけを交わし、そのまま対面座位で熱くFUCK。そして帰宅した葉子の元に茉莉から知らせ「河西さん、死んだわよ」現場に急行する葉子!

葉子の怒りがメラメラと燃え上がる。高橋がヤクザに全財産を預け、パンダのぬいぐるみを持つ密売人との取引現場に、ゲリラ的に改造バイクで侵攻する葉子たち。爆竹を鳴らしヌンチャクを振り回し、スケバン時代に鳴らしたツッパリ喧嘩で女たち大暴れ!

麻薬Gメンには高橋市議の圧力がかかり捜査本部は解散命令が出ていたが扇ひろ子部長の「私が責任持つ!」で片桐が機動隊を携えて犯人逮捕にかかると葉子たちもその場に乱入、最後はトラックに乗って制圧し、まんまと麻薬と大金の両方を手にしましたw

エミーは札束を一握りだけ、しばし姿を消す片桐とパンダのぬいぐるみを持って旅行に出たwそしてあや子に札束を全部預けた葉子は「チビ、あんたも2,3年経てばオバンよ、それまでツッパッテおきなよ!」檄を言い残しチャリで走るガラスのジェネレーション。

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