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[西洋の古い物語]「最初のクリスマス・ツリー」

こんにちは。
いつもお読みくださり、ありがとうございます。
今回はクリスマス・ツリーにちなんだ物語です。
ご一緒にお読みくださいましたら幸いです。
※ 画像は新幹線の新神戸駅で見つけたクリスマス・ツリーです。
 ツリーを守るのは、みんなのヒーロー、カンセンジャーです!
 カンセンジャーは、ダークマインダーから地球を守るヒーローです!
 

「最初のクリスマス・ツリー」

 ある寒い冬の夜のことです。二人の小さな子どもが暖炉のそばに座っておりました。すると突然、おずおずとドアをノックする音が聞こえました。一人が走って行ってドアを開けました。

寒くて暗い外に一人の子供が立っておりました。その子は足に靴も履かず、薄くてボロボロの洋服を身につけておりました。寒さでブルブル震えながら、子どもは中に入って温まってもいいでしょうかと尋ねました。

「いいとも。おいでよ。」と二人の子どもは叫びました。「暖炉のそばの僕たちの場所に座るといいよ。さあ、入って!」
二人は見知らぬ小さなお客を自分たちの暖かな席へと引っ張っていき、晩ごはんを分け合って食べ、自分たちのベッドに寝かせました。彼らはというと、硬い長椅子の上で眠ったのでした。

夜中のことです。二人の子どもは美しい音楽の調べで目が覚めました。外を見てみますと、光り輝く衣服をまとった大勢の子どもたちが家の方へと近づいてくるのが見えました。その子どもたちは黄金のハープを弾いていて、あたりは音楽のメロディで満ち溢れておりました。

すると突然、あの見知らぬ子どもが二人の前に立っていました。もう寒さに震えてもおらず、ボロをまとってもいません。子どもは銀色の光に包まれておりました。

彼は静かな声で言いました。
「僕が寒くて震えていたとき、君たちは僕を中に入れてくれた。僕がお腹を空かせていたとき、君たちは僕に食べさせてくれた。僕が疲れていたとき、君たちは自分のベッドを僕に与えてくれた。僕は幼な子キリストなのだ。全ての良い子たちに平和と幸福をもたらすために世界中を歩き回っている。君たちが僕に与えてくれたように、この木が毎年君たちに豊かな実りをもたらすように。」

そう言いながら彼はドアの近くに生えているモミの木から枝を一本折り取ると、それを地面に植えました。そして彼の姿は見えなくなりました。その枝は大きな木に育ち、毎年素晴らしい黄金の果実を親切な子どもたちのために実らせました。

「最初のクリスマス・ツリー」の物語はこれでおしまいです。

クリスマス・ツリーは、二人の子どもたちが行った心からの親切を喜んだイエス・キリストが、豊かな愛の贈り物をしてくださったことから始まった、という物語でした。

「あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、私にしたのである」という聖書の言葉(『マタイによる福音書』25章40節)が、小さな子どもたちにもよくわかる心温まる物語として語られています。

クリスマス・ツリーを飾るときや、街角の美しいツリーを見るときには、子供たちはもちろん、大人もわくわくして心躍りますが、ただ飾り付けを楽しむだけではなく、クリスマス・ツリーの意味を考えてみるのも素敵なことなのかな、と思いました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
次のお話をどうぞお楽しみに。


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