チャカ持ってけ！って言われた話。

2020年9月12日 00:23

さて、旅に出る事が決まって。

会社も辞めて。

期待とワクワクが少しずつ不安に変わって行った時期の話なんですけど。

僕はその頃にはまあまあ道を踏み外してたのですが、少しだけ闇社会系のほんの入り口の辺りもウロウロして小銭を稼がせて貰ってたんです。

その頃めちゃくちゃお世話になってた兄貴分的な人が居ました。

ていうか二人共釣りが超好きで、それが縁でとても良くして貰っていました。

闇社会の人だって釣りくらいはするんですよ。

そんで、兄貴分は旅に出る事を快く承諾してくれ、応援もしてくれました。

で、旅に出る少し前、その兄貴分が僕のアパートを訪ねて来てくれました。

正直言って、「これは餞別にいくらか貰えるかもしれないぞ！」なんて思っていました。

そしたら案の定、茶色い封筒を出してきました。

でもお札にしたら少し大きい封筒です。封筒というより紙袋と言った方が良い感じです。

封筒じゃないですね。
茶色い紙袋ですね。

「？？？」

「これ。持ってけ！」

「え？なんすか？これ、、、、」

ちょっと重い、、何かの旅の道具かな？と手渡されたその紙袋を持って思いました。

「チャカや！今から分解の仕方と組み立て方教えちゃる！バラして持ってきゃ分かんねーよ！」

、、、、、、、、

、、、、、、、、、、、、いや、、、

いやいやいやいや！！絶対分かるよ！絶対バレるよ！！てか旅どころか日本出れないどころか塀の中直行だよ！！道具だけど旅の道具じゃないよ！！！

「い、いやあ、、、こ、これは無理っす！！本当に大丈夫なんで！！お気持ちだけ有難く！！」

「いやあ、だってお前よぉ、、なんかあったらコレさえありゃ、無事帰ってこれると思ってよぉ、、、俺心配でよぉ、、」

本当に優しい、言葉だけじゃなくて心から僕の事を心配してくれてるのが伝わって、心底感動したんです。

心底感動したんですけど、今から考えるとかなり狂ってますね笑

でも、若い頃に素敵な人達と出会えて僕は幸せだったんだと断言出来ます。

ずっと感謝しています。

ROLLOVER MAGAZINE

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