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自由詩「奇跡の虹」

    こんにちは。ローランです。
    今日も自由詩です。

    雲の本に、丸い虹を作る方法が書いてありました。こんな虹が作れたら素敵だなと思い、そこからイメージを膨らませてみました。

    では、今日もお楽しみ頂ければ、幸いです。


これはいつもの虹

奇跡の虹


評価やダメ出しで落ち込むと
決まってソファで
膝を抱えて丸まる
弱っちい僕
君は隣に座って
何も言わず
いつものように
雑誌を読んでいる
静かに静かに時が過ぎる
この沈黙はとてもありがたい

この日の僕も
相変わらず落ち込んでいた
ソファの上で
膝を抱え込んで丸まっていた
君が入れてくれたコーヒーに
口もつけずただ震えていた

どれくらい時が過ぎただろう
癒えない心のまま
僕は泣き言を呟いた
もし奇跡みたいな虹が見れたら
僕の人生ももう少し希望が持てるのにな…
だが君は何も言わずに
立ち上がって出て行ってしまった
きっといつまでも落ち込んでいる僕に呆れてしまったんだな…
しばらくして外から僕を呼ぶ声がした


何だろう
重い腰をあげて庭に出ると
なぜか君は脚立の上に立ち
ホースを握りしめて
水を撒いている
放物線をえがいて落ちる水が
陽の光に反射しキラキラ輝いている
一体何をしているのだろうか
正面に回って来てと
君に促されるまま
言われた位置にたどり着いて衝撃を受けた
「虹だ!」
ホースから広がって落ちる霧状の水に虹が浮かんでいる
丸い虹!半円形じゃなくて丸い!
君は僕の呟きを聞いてくれていたんだね
そして奇跡のような
こんな見たこともない虹を作って僕に見せてくれたんだ
「えっへん!」
驚く僕を見た君は
さらに得意気に水を撒く
そんな君を見て僕も笑顔になる
心を覆う闇が一瞬で晴れてしまった
そうだね
君こそ僕の奇跡の虹だ!

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