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SP皆伝(IIDX)を攻略してみた結果

あるてぃなです。

前回の記事を投稿してから2年近くがたってしまいました。
共感・反論多くの反響をいただき、自身の音ゲー遍歴を見つめ直すきっかけにもなりました。

社会人というのは恐ろしいもので、平日毎日仕事があります。大学生の特権であった自主全休など許されません。会社に通い、仕事をこなす日々。

必然的にゲーセンに足を運ぶ機会も入社から時間が経つにつれどんどん減っていき、趣味に割くモチベーションも数年前に比べると下がったのも現実です。

今は土日は暇なら行きますが平日は元気なら行くか、くらいの感覚です。それでもやりたいと思うんだから音ゲーってすごいよね。
根が怠惰な人間なので、このくらいが案外ちょうどいいのかも。

今回はbeatmaniaのSP皆伝に関する記事になります。前回でも少し触れましたね。

これから皆伝を目指したい、という方も、皆伝とるの大変だったなあ、と昔を振り返ってみたい人も、ぜひご覧下さい。


皆伝とは?

beatmaniaを始めた人なら誰もが最初に憧れる段位、皆伝。

その歴史は古く、13作目であるDistorteDから実装された段位となっています。しかし、未だSP・DPともに段位の最高峰としての位置を維持しており、
しばしばプレイヤーの一つの到達点として目標にされるものでもあります。

30作目であるRESIDENTからは、”極皆伝”、”裏皆伝”という段位も登場しました。その名の通り、すでに皆伝を取得できる腕前のプレイヤー向けに実装された段位です。

https://p.eagate.573.jp/game/2dx/29/howto/lightning_model/kiwami.html

が、私はどうにも取る気になれなかったので挑戦はしていません、、、

そもそも取得するメリットを感じないのも一因ですかね。せめていくらか上級者がプレーしやすくなる仕組みがあってもいいと思うのですが。
例えば散々言われているクレジット数での選曲制限廃止とか。
まあ、本筋から外れるのでこのくらいにしておきましょう。

さて今回は、取得後のやりこみ要素についてはいったん片隅に置いておき、
・現在目指している!初めての皆伝とってみたい!
・まだ目指す腕前には遠いかもだけど、興味がある!

方向けに、皆伝はどういう段位なのか、どういったアプローチが皆伝取得に有効なのかという点についてまとめてみようと思います。
自分で見て必要そうだな、と思ったポイントがあれば、ぜひ取り入れてもらえると嬉しいです。一般的なことも書くけどね。

お品書き

ではさっそく、今作EPOLISのSP皆伝の曲目を見てみましょう。
のちに触れるため、BPMも併記してます。譜面は1P基準です。

1st.    EMERALDAS(A)

BPM: 88~176(中盤37小節目で減速し、以降176)

足切り枠ですね。

実はこの1曲目は意外と変遷があって、今やハードで皆伝合格目安と言われているquell(A)やBad Maniacs(A)が就任していた時代もありました。

その後しばらくは嘆きの樹(A)だったのですが、BISTROVERからはこの曲が就任となりました。癖に悩まされたプレイヤーが苦情でも入れたんですかね。

この譜面は、ソフラン(1/2減速などのBPM変化ギミック)があるものの、曲を通してバランスよく難所が散らばっている、いわゆる全体難の譜面といえるでしょう。
BPMは上位譜面にしては控えめですが、スクラッチもしばしば癖があり、認識しづらい二重乱打も多く、受験者の最初の関門として十分な難易度に思えます

最近の譜面っぽくBSS(しかもHCN: 回し続けていないとゴリゴリ減少する)が特徴的な譜面ですね。

24, 32小節目と同じようなHCNのBSS地帯が印象的

この後は減速地帯を挟み、少し連皿複合からのラストスパートで発狂(ノーツの密度が急激に上がる)し、HCNの回復地帯で終了となります。

2nd.  灼熱Beach Side Bunny(A)

BPM: 153

皿曲枠です。常夏を感じさせるようなサンバ調の曲調…と共に大量すぎる皿が降ってくるインパクト抜群の譜面です。

一度プレーするだけで立派なDJになった気分に浸れます(ほんとか?)
実際ライブ等でここまで回すことってあるんですかね?もし本業の方やDJ経験のある方いましたらコメントお願いします。

すでに薄々お分かりかと思いますが、この譜面の難しいポイントはスクラッチ(連皿複合)となっています。曲を通してホイッスルの音に合わせて常に皿を回しているようなイメージです。

BPM153ですが、かなり速く感じます。

特に、第2片手トリル地帯を抜けた後が凄まじいです。
ここは前半より難易度が跳ね上がっています。ハードも当然きついです。

物理的に腕をブロークンしに来る配置となっております

明確な回復地帯は序盤以外になく、こちらも全体難の譜面となりそうですね。まさにスクラッチができてこそ真のビートマニア、を体現する譜面の一つと言えるでしょう。

3rd.   卑弥呼(A)

BPM: 83~185(37小節目で93に減速、その後戻り88小節目で80程度まで減速)

準ボス枠、地力枠といったところでしょうか。

ワンモアで聖徳太子が出るなんていうコピペは有名ですね。もちろん嘘松です。

この譜面はBGAのミスレイヤー「塵へと、帰れ。」の通り、最終曲に臨まんとする挑戦者を葬る気満々の譜面となっております。

まず全体的にBPMが185と高速である上、軸・縦連打・高速トリル・乱打がこれでもかと散りばめられています。1Pミラーのブレイク前7バスの軸配置、もちろんおかしいのですが、1回目低速直前の縦連は正規系でもランダムでも等しく難しいです。

きれいな配置…BADハマりで天国はすぐそこだ

加えてソフランは当たり前のように搭載しており、しかも前後半に2か所あるのに後半のほうが圧倒的にきついです。

BPM80程度まで遅くなっているのに、上から押しつぶされるような感覚に陥ります。よほど低速に自信がない限り、多少ノーツを捨ててでもギアチェン(普段のハイスピードに戻す)したほうがいいと思います。

総評として、冥に臨むための実力があるかどうかを試すもう一つのボス曲、という立ち位置ですね。生半可な実力では大体ここで落とされます。

4th.   冥(A)

BPM: 66~200(51小節目で100に減速、その後55小節目から10ずつ上がっていき、64小節目でBPM200に戻る)

ボス枠です。突破できれば皆伝の称号はあなたのものです。
この譜面が皆伝のほぼすべて、といっても過言ではないと思います。

作曲者のD.J.Amuroもといdj TAKA氏曰く、

この曲のテーマは、ある一人の男の悲しい運命の物語である。
家族に永遠の別れを告げ、一人黙ってシャトルに乗り込む。
ここからのストーリーは、みんなのご想像にお任せしたい。
音から物語を感じてもらえたら嬉しい。

https://www.konami.com/amusement/products/am_bmiidx12/

音ゲーで体験するにはあまりに壮大な感覚ですよね…
でも、その分皆伝を取った時の喜びはひとしおで、モチベーションとするには十分でしょう。

卑弥呼より速いBPM200がメインな上、極めつけはBPM100まで減速してからの加速地帯が用意されています。

加速地帯は、スクロールの遅い時間が卑弥呼やEMERALDASよりもずっと長く、また配置も縦連交じりのいやらしい配置であるため、対策必須です。かつての私も、心臓を高鳴らせながら何度も皆伝に挑んで、そのたびに加速地帯で落ちてしまっていました。

加速地帯の攻略については後程詳しく触れるとして、高速乱打・トリル・縦連打もなかなか押しにくい配置となってます。

この配置が正規でやりこみNGと言われている理由です

例えば前半の配置、俗に言う4545トリルというやつですね。
この配置の難しいところは、直後の縦連打や階段と被ってどこを押しているのかわかりづらくなる点にあります。やればやるほど下手になっていく、というのは多くのプレイヤーにも共感してもらえるでしょう。

そして加速地帯を抜けて後半はウイニングランとは言われていますが、決してひどく簡単になるということはなく、12上位クラスの乱打と縦連、最後はBPM66に減速しての余韻地帯で〆となります。

総評

そこそこのLv12ならハードできるくらいの高い実力を求められながら、皿、ソフランといった個人差要素も完備していますね。きついですが、いつ見ても完成度が高いなあと思います。

Lv12の中でも上位~最上位クラスの譜面の寄せ集めなので、当然ですが苦労もせず誰でも取れるわけではありません。皆伝なんて簡単だよ、と謙遜している人もいますが、裏できっと苦い思いしてますからね。あまり鵜吞みにしないように。

よくある話なんです

このように曲目をさらってみると、今まで中伝までペースよく昇段してきた人がぶち当たる壁としては相応に高いのではないでしょうか。
事実、皆伝が取れないと嘆いている人の半分以上は単純に"地力"が足りていないという印象です。大体そういった方に向けての上級者のアドバイスはこうです。

「いっぱい譜面触れ!地力上げろ!」

実際言いたいことはわかります。しかしIIDXに限らずどんなゲームでも、いざ実力をつけて高みへ登っていくにつれ、下からの景色がもやがかかったように想像できなくなってしまいます。これはごく自然のことです。

さっきのアドバイスは、ちょっと方針としては漠然すぎる気がします。
"地力"って何なんでしょうね?定義してみるのもよいかもしれません。

地力って何?

私が思うに、"地力"というのは「その人にとって取り組める中間の難易度を捌く力」だと思っています。つまり「その人が楽々拾える、光らせられる難易度(=下限)」と、「その人がぎりぎり食らいつける、もう少しで食らいつける手ごたえがある難易度(=上限)」の側面があり、それらを処理する力を総合的に見たものが"地力"の正体です。

よって地力を上げる方法としては、2通り考えられます。下限を上げるか、上限を上げればよいのです。

一般的な考えだと、下限を上げるのであれば、ハード埋めや、プレーした譜面のミスカウントを減らしてみるのが有効でしょう。また上限の向上には、歯の立ちそうにない譜面や、もう少しでクリアできそうな譜面に特攻してみるとよさそうです。

しかし、特に段位といういかにミスを減らすかが要求されるプレーでは、いったいどちらが重要なのでしょうか?

何が大事なの?

上限を伸ばすと捌ける譜面の幅は広がる

上の図を見てください。地力の取りうる幅が青色の部分です。
同じ伸びしろでも、下限より上限を伸ばすほうが、地力の幅の伸びに貢献していることがわかると思います。ただ注意してほしいのは、「下限を伸ばすことをおろそかにしてはいけない」ということです。

地力が中間の難易度に対する実力ということは話しましたが、上限と下限の差が開けば開くほど、幅が広くなり、地力のブレが激しくなることが予想されます。つまり下限も適度に上げていかないと、場当たり的な実力ばかりがついて、ここぞというときに力を発揮しにくくなってしまうのです。

段位は一発勝負ですから、下限も重要なんです。

地力ブレを少なくするために

段位に必要な地力は、結論として上限と下限どちらも重要ということになります。上限はとにかく特攻して鍛えましょう

また、下限を引き上げるために有効なアプローチはハード埋めやミスカン減らし以外にもあります。譜面研究や、段位に特化した練習です。その際に意識すべきポイントや心構えを、次に説明します。

攻略ポイント

その1. 高速に慣れる

さて、お品書きの項でBPMを併記していた理由はここにあります。EMERALDAS・卑弥呼・冥、どの曲目もbeatmaniaではBPMが早い部類です。
なのでズバリ、皆伝対策には高速譜面に慣れるのが一番手っ取り早いです。

具体的にはBPM180~200の譜面が効果的です。
次の譜面をRANDOMでノックするのがおすすめです。ランプは問いませんが、できるだけミスを減らしていきましょう
(以下、beatmania IIDX SP攻略 @ wiki より)

上位
Chrono Diver -PENDULUMs-(A)
Confiserie(A)
煉獄のエルフェリア(A)

中位~上位
Verflucht(A)
reunion(A)
お菓子の王国(A)

中位
TOXIC VIBRATION(A)

Bad Maniacs(A)

HAERETICUS(A)
†渚の小悪魔ラヴリィ~レイディオ†(IIDX EDIT)(A)

プレーの際は、配置が押しにくい"ハズレ"の配置でも、特攻の時と同じように食らいつく意識を持ってください。メンタルが強くなりますし、上限を上げることにもつながります。

その2. 難所の感覚を覚える

冥の加速地帯を見てみましょう。

実は規則的な配置

1P正規はメイン縦連が2鍵、サブ縦連が3鍵のハズレ配置ですが、正規だろうがランダムだろうが縦連のリズムは共通しています。
ここは譜面研究の出番でしょうか。

有名な音ゲーである太鼓の達人に置き換えてみましょう。
55小節目から62小節目の縦連配置は、メイン縦連をド、サブ縦連をカとして

”ドドカドドドカドカドドカカドドカ”

のリズムです。

譜面が認識しづらいので、このようにリズムを覚えてしまうことは一部の人には有効かもしれませんね。ただ、配置を覚えるのではなく、「リズムを覚える」というのがミソです。配置を覚えてしまうと、癖の原因にもなりますので…

また、そもそも低速の縦連が押せないという方は、冥以外の譜面で慣れてみるのはどうでしょうか。

自分は、レベル10のBPM高めの同時押し主体譜面にS乱をかけて、緑数字を倍にしてプレーしていました。mosaic(H)とかTime To Air(H)とか。

低速の練習から始めてみたいという方はぜひ試してみてください。

その3. 後のことは考えない

これは理論値狙いをしているときにもよく起こる現象なのですが、あまりに集中してプレーしすぎて、逆に空回りしてしまうことがあります。

物欲センサーのようなもので、このプレーをやり遂げた後の自分を想像すると、普段できていることができなくなるんですよね。

もうこれは気持ちの問題なので、目の前のノーツ一つ一つに集中するしかありません。段位はボス曲完走まで油断してはいけません。間違っても皆伝受かって何ツイートしようかなとか考えないようにしましょう。(笑)

自分に自信をもって、ウイニングランを嚙み締めて下さい。

あとがき

自分なりの皆伝の攻略法をまとめてみました。
スクラッチについては今だいぶ実力が落ちてしまっているのであまり触れられていません。(すみません…)

一応その2.に関連する攻略法として、ハンドクラップを聞きこんで皿のリズムをある程度覚えてしまうのは有効かと思います。

今回の記事では、攻略法だけでなく、「地力」という音ゲーマーの間であまり明文化されない概念について言葉にすることができたので、なんだかすっきりした感覚でもあります。

それでは、皆様よき音ゲーライフを。
今度は麻雀の記事でも出してみようかな。

あるてぃな



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