Kindle、AudibleとAmazonのアカウント設定
外国語、特に英語学習に関しては専門の方がたくさん書いておられますので、ここではそれをサポートするガジェットとしてのKindleやAudibleについて、今までの経験などをまとめておくことにいたします。
※11月24日追記:最初、日本に住む方だけを念頭に置いていましたが、海外在住の日本人もお困りの方がいらっしゃるかもしれません。そういう方を対象としたものも含めて、今後アップデートしていきます。
本記事を投稿して後、Kindle/Audible関係の投稿記事も増えてきましたので、以下の目次ページを作成しました。こちらもご覧ください。
■本記事の対象読者
本記事の対象者は、英語学習者というよりは以下のような方をメインのターゲットにしており、日本のAmazonアカウントで購入できる書籍で十分という方は、この記事は冗長な内容かと思います。
A)日本在住で、日本では販売されていない本(洋書)を購入したい人
もう少し具体的に述べると以下のような方。
① 日本では出版されていない/Kindleで提供されていない本を購入したい人
② KindleとAudibleを連携した形で使いたい人
B)海外在住の方で、現地で購入したKindleで日本の書籍を読みたい方
こちらは2020年11月24日の公開当時では十分な内容を集めきれていませんでした。追加で別の記事を投稿しましたので、こちらもご覧ください。
本投稿では上記のA)の方を対象に記事を書いております。
ところで、外国語学習にはKindle + Audibleの組み合わせは最高なのに、本記事の対象としてない理由はなぜか?
これは非常に簡単で、単に英語学習としてKindleやAudibleを利用したい人には、この記事を読まなくても十分な書籍やオーディオブックが提供されていると考えるからです。そういう方は、あえてこの記事で書いてあるような(若干の)手間と暇をかけてまで「特殊なKindleとAudible書籍」を購入しなくても大丈夫だからです。
尚、以下では日米のアカウントとのみ書いていますが、アメリカのアカウントに限らず、それ以外の国で提供されているAmazonのサービスアカウントでも同様と思われます。
もし、日米以外の国で、本記事を参考にトライしてみたけれどもできなかった、という方がいらっしゃいましたら、コメントでご指摘いただけますとありがたいです。
1)現在のAmazonのアカウントの状況と、国ごとの販売制限
2020年11月23日現在、日本と米国のAmazonのアカウントについて、判明しているのは次の通りです。
ア)日米の各アカウントがあり、アカウントの連結を済ませておられる方
日本から海外、または海外から日本へ何度でも居住地を変更することができます。
このような日米のアカウントの連結を設定してあれば、日本では販売されていないKindle本を購入して、日本のKindle端末にダウンロードして楽しむことができる場合もあります。
しかし、書籍によっては、販売権の設定がされていて、書籍またはオーディオブックが購入できないケースがあります。これは書籍ごとに確認するしか方法がありません。
イ)日米の各アカウントはあるが、連結申請をしていない方
以前は可能だった、日米のアカウントの連結を新たに申請することはできなくなっています。
この場合、日本と米国のアカウントは個別のものとなり、居住圏の変更も日本のアカウントの場合、海外から日本への居住圏の変更しかできません。
ウ)日本のアカウントしかお持ちでない方
日本のAmazonのアカウントでは、居住国の変更は現在は日本国内の住所のみしか、設定できないようになりました。このため日本のAmazonアカウントしかお持ちでない方が、Kindle端末の居住地を海外に移動することもできなくなっています。
もし数年前に、海外の住所で登録されておられる場合、私の方では確認やトライができないのですが、たぶん、日本への居住地変更しかできなくなっていると思われます。
アメリカを含む海外のAmazonアカウントのみお持ちの方が、日本に居住国を変更できるかは試しておりません。
2)上記1)の結果、アメリカでしか販売されていない本の購入
日本語未翻訳、アメリカでのみ出版されている本をKindleやAudibleで購入しようとすると、「日本と連結されていないアメリカだけのAmazonアカウント」で購入するしか方法がなくなりました。
このことに気が付いたのは、熱心なスターウォーズファンの方のツイートからなのですが、たとえば参考例を一つあげると、Star Wars: Age of the Republic (New Canon)という6冊のシリーズ、アメリカでは6冊とも書籍、Kindle、Audibleが提供されています。
しかし日本ではこの三種類のすべてが提供されているのは半分の3冊だけで、残り3冊のうち、2冊は書籍のみ。1冊は書籍とAudibleのみです。
Star Wars: Age of the Republicシリーズ:日本のAmazonでの取扱い状況
書籍タイトル 書籍 Kindle Audible
Dark Disciple: Star Wars 〇 〇 〇
Master & Apprentice 〇 〇 〇
Dooku: Jedi Lost (Star Wars) 〇 〇 〇
Ahsoka: Star Wars 〇 × 〇
Star Wars Queen's Shadow 〇 × ×
Star Wars Queen's Peril 〇 × ×
この表から明らかだと思いますが、日本で発売されていないアメリカの書籍をKindleやAudibleも含めて購入しようとする場合、アメリカのAmazon単独アカウントの設定が必要となります。
後述しますが、日米のアカウントが連結されていれば、上記のうち「Ahsoka」は「居住地をアメリカに変更して、アメリカ在住者としてKindle本を購入し、日本アカウントで設定したKindle端末、Kindleアプリでダウンロードして楽しむことができる」状況になります。
しかし、こちらも後述しますが、このような方法でも、「Star Wars Queen's Shadow」は単行本とKindle本のみ購入が可能で、Audibleは購入できません。
3)アメリカ単独のアカウントのメリット
アメリカで販売されている書籍・オーディオブックをアメリカのアカウントで購入するのですから、上述のようなめんどうなことは何一つ発生せず、好きな本を好きなタイプ(書籍、Kindle、Audible)で購入することができます。
さらに、アメリカのAmazonでは、KindleやAudibleが連動する「Whispersync for Voice」というサービスが提供されており、以下のリンク先に非常に詳しく説明されている通り、洋書を読むならこれ一択しかないぐらいのサービスとなっています。
4)アメリカのAmazonアカウントのみの場合のデメリット
デメリットというほどでもないと思いますし、考えてみれば当然なのですが、アメリカのAmazonで売っている本しか買えません。
つまり、日本のAmazonでは売っている書籍が、アメリカのAmazonでは買えないものもある、ということになります。これは日本のAmazonのアカウントではアメリカのAmazonで販売されている本が買えないことの裏返しでもありますね。
5)日米のAmazonのアカウントを連結された方
数年前に日本とアメリカのAmazonアカウントの連結というサービスが提供され、日米のアカウントを文字通り連結して、Kindleなどでも書籍を購入して片方のアカウントのKindleでもダウンロードできるようになっていました。
この設定がお済の方は、確かに今でもアメリカのKindleで購入した書籍を日本のアカウントのKindleにダウンロードして楽しむことができます。
ですが、それも販売権の設定が日本にも開放されている書籍に限っており、アメリカのみのアカウントで自由に購入できる書籍・Audibleが、日米連結アカウントのアメリカのAmazonでは購入できないという作品もあります。
上の参考例では、Star Wars Queen's Shadowは日本のAmazonでは書籍のみでした。アメリカでは全て提供されています。
しかし日米連結アカウントのアメリカのAmazonでは、下記の画像の通り書籍とKindleは購入できますが、Audibleは購入できません。
上記の通り、日米のAmazonのアカウントに不思議な制約がかかっているため、日本未発売のアメリカの書籍を買って読みたい、Audibleで楽しみたいという方には、(私の様に日米の連結アカウントがある人でも)新たにアメリカの新規アカウントを設定されることをお勧めする次第です。
最後に:謝辞および本記事を書こうとした背景
この記事を書こうと思ったのは、最初は私個人のAudibleで購入しようとしていた本が買えなくなったことがきっかけでしたが、その後、ツイッターでけい子さんという方が似たような事例に遭遇されたこと。
そして、いろいろと居住地の設定変更など、Amazonのアカウントでできることを試そうとしたとき、非常にたくさんのテストにお付き合いいただきました。
時間をかけてテストして分かったことはまとめておきたいと思ったのですが、ツイッターしか持っていなったため、今まで踏ん切りがついていませんでした。あるきっかけで「note」のアカウントを作成したので、この機会にまとめておいておくことにいたしました。
けい子さんには多大なご協力をいただいたことに改めてお礼申し上げます。
参考までに、過去の出来事をまとめておきます。
ア)きっかけ
2020年9月26日。Audibleのコインを新しくゲットしたので、購入リストに入れて次に買おうと思っていたタイトルのオーディオブックがリストには残っていましたが、なんと「この地域では販売されていません。出版権の制約により、お住まいの地域では、このタイトルを販売していません」と表記され、購入できなくなってしまいました。
イ)AudibleばかりかKindleでも
上記で購入したかったタイトルはシリーズもので、以後の続編が軒並み購入できなくなっているのは、当時のツイートで「日本のアカウントを退会しようか」と書いたほどです。
しかし、ほどなくしてこれはAudibleだけでなく、Kindleでも同じようになっていったことが分かりました。
こちらはツイッターでけい子さんとやり取りしたときのものですが、このリプライを返した10月28日、私のアカウントでは間違いなく、Kindleで購入できることを確認してリプライしていました。
「日米のアカウントの連結できてたら、Kindleで読めます。」と書いた通りです。
ところが、それからしばらくすると、この本は日米のアカウントの連結とかに無関係に、こんな状況になってしまいました。
・日本からは「書籍」すら表示されない
・日米連結のアカウントからだと、アメリカのAmazonからは書籍のみしか買えない。Kindle本、Audibleは表示されない
以下の画像は日米の連結がされているアカウントでアメリカのAmazonで該当する書籍を表示させたものですが、「Comics」しか表示されていません。
一方、こちらはログインを解除した状態でのアメリカのAmazonで同じ本を表示したもので、Comicsだけでなく、Kindleでの購入も表示されてるのが分かります。
ウ)日米のAmazonアカウントの連結
数年前に、日本とアメリカのAmazonのアカウントの連結というのが設定できて、この連結を行うと、アメリカのAmazonで売っているKindle本も購入して日本のアカウントで設定しているKindleにダウンロードして読むことができるようになっていたそうです。これはつい最近、発見した内容でしたが、こちらの記事にそのやり方が書いてあります。
エ)日米のアカウントが連結されている場合の「居住地の変更」
この日米のアカウントが連結されていて、居住地を変更したらアメリカのAmazonで売っているKindle本を購入して、日本のKindleにダウンロードして読めるというのは画期的でした。
私の場合は日米アカウントの連結をしていたので、前から購入したかった「Ahsoka」のKindle本も購入することができました。その時のツイートは以下の通りです。ここでは、スマホのKindleアプリの最初のページです。
辞書が使えることを示すため、比較的簡単な単語ですが辞書機能も利用した状況でスクリーンショットを撮っています。(”option"の単語の意味が表示されていないのは御愛嬌。アプリではきちんと表示されています。)
こんな感じで簡単に居住地の変更ができれば便利だなと思っていたのですけれども、上述のとおりけい子さんが欲しい本が読めないとか、それでテストしてもらったらうまくいかないということで、さらにいろいろと調べ倒して得られたのがこの記事ということになります。
この記事を必要とする人は、非常に限られた層でしかないと思いますが、それでも何かお役に立てば幸いです。
最初に述べましたように、海外在住の方が現地でKindle端末を購入した場合については、以下の記事に新たにまとめました。こちらもご覧ください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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