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Big Bang Theory S2Ep4 Junoのエレン・ペイジとペットのグリフィンとジョーカー・シェルドンの日本のAI

今回のエピソードの描き出すもの

通常、私のNoteでのビッグ・バン・セオリー紹介とは異なり、今回のエピソードはネタの取り上げ方が、かなり「下」の方に振ってあることに加えて、アメリカ社会における、インド人を含むいわゆるWASPではない人たちの関係を映し出してしまったように感じています。
このため、アメコミネタに焦点を絞って紹介することができず、ほぼエピソード全体の紹介のようになってしまいました。

既にビッグ・バン・セオリーは完結しておりますし、もっと過激なブラックユーモアを描いた作品(たとえばSouth Park)もあるので、ビッグ・バン・セオリーがターゲットになって作品が非公開になることはないとは思いますが、見れば見るほど2008年だから放映できたエピソードであり、今なら不可能だろうと感じます。

本エピソードの紹介に際して、あらかじめこの点を注記として冒頭に置かせていただきました。
それでは、ここから通常の体裁でお届けいたします。

本投稿タイトルは記事用です。ドラマの正式なタイトルはこちら。

The Griffin Equivalency:傲慢と友情の法則
アメリカでの放送日:2008年10月13日

ビッグバンセオリーを見ていて面白いなと思ったオタクネタで自分が知っているネタ、調べたネタをまとめておいておくために作ったものです。ざっくりとした背景はこちらもご覧ください。目次もかねて作成しています。

エピソードタイトルについて

今回も日本語タイトルは、ほぼエピソードの内容をそのまま伝える感じになっています。
一方、英語版は「The Griffin Equivalency」。グリフィンの等価性という意味ですが、グリフィンはシェルドンが飼いたいペットとして等しいみたいな感じだと思います。
Fandomサイトでも、次のように説明されています。

Title Reference:  Sheldon describes to his friends the perfect pet, a Griffin- half-lion and half-eagle mythological beast.

https://bigbangtheory.fandom.com/wiki/The_Griffin_Equivalency#Notes

それにしても、グリフィンとは古代ギリシャ・ローマの時代から伝説・神話に登場する生き物として取り上げられていて、ヘロドトスの歴史にも記載がある鷲の翼と上半身、ライオンの下半身をもつ伝説上の生物だそうです。
最近ではハリーポッターの入学したホグワーツのグリフィンドールなどの語源にもなっている生き物で、こんなのペットにできたら、というかそもそも遺伝子工学で作り出せたら、それはそれですごいことになりそうです。

日本語のタイトルには、まったくそういうところには触れられていませんが、このあたりも日英のタイトルの付け方の違いが典型的にあらわれている感じではあります。

あらすじ

ラージがPeople Magazine の選ぶ「30 Under 30 to Watch」(注目すべき30歳以下の30人)に選ばれた。

ラージがカイパーベルトの外側で発見した物体がボリウッドと名付けられ、これが注目されたというのがその理由。選ばれた30人の他のメンバーの中には、映画「Juno」で有名になったエレン・ペイジなどがいる。

しかし、シェルドンはもともとただ存在していただけのものを見つけたからという理由で注目すべき30歳以下の注目すべき人物として選ばれた、ということに納得がいかない。

そんなシェルドンをさておき、これを転記に、ラージの周辺が変わりだす。

ゲーブルハウザー学部長は、ラージに大きな部屋を与え、学部長食堂でのランチに招待して直ちにラージにアシスタントをつけ、People Magazine での写真撮影に、レセプションパーティでのVIP待遇。

ラージは我が世の春がきたとばかりに弾け、お酒の力でペニーをレセプション・パーティに誘うが…

冒頭のシーン

レナードの部屋に、ペニーとハワードが座っている。レナードが食事を買ってきたようで、ペニーとハワードにそれぞれの分を渡している。

ここでもハワードがキモイ会話をして、ペニーから隣の席から反対側に移るようせかされる。

その時の会話がこれ。

Scene: The apartment. Leonard is sorting out Chinese food.
Leonard: Let’s see, Raj was the Kung Pao Chicken.(えーっと、ラージはクンパオ・チキンだったな)
Penny: I’m the dumplings.(私はダンプリング)
Howard: Yes, you are.(君はそうだね)
Penny: Creepy, Howard.(ざわっとするわ。ハワード)
Howard: Creepy good or creepy bad?(ざわっとするほど良い?悪い?)
Leonard: Who was the Shrimp with Lobster Sauce?(ロブスターソースがけのエビは誰だっけ?)
Howard: That would be me. Come to Poppa, you un-kosher delight. (To Penny) I’m not necessarily talking to the food.(それは僕。さあ、パパのところにいらっしゃい。非ユダヤ食事の楽しみよ。僕は食事に言ってるわけじゃあないけどね。)
Penny: Sit over there.(あっちに座って)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-04-the-griffin-equivalency/

ラージの頼んだ「Kung Pao chicken」とはこんな料理らしいです。

なぜか中華料理のメニューにも詳しくなるビッグバンセオリー(笑

ペニーが頼んだ「ダンプリング」は団子とか餃子の意味もありますが、たぶん熱々に蒸した小籠包だと思います。そう判断する理由はハワードのセリフで、詳細は割愛。

ハワードのエビ料理は特定不明なので省略しますが、彼のセリフに注目すべきところがあって、「un-kosher delight」と言ってます。
これなんでしょうね?

Un-kosherなので、当然「Not Kosher」な食事の喜びと言ってますが、Kosherとはユダヤ教の掟に従って料理された(ユダヤ教としての)清浄な、という意味だそうです。

ここで初めて知ったんですが、欧米ではKosher Saltなどと言って、割と普通に使われているようですね。

これは知らないと聞き取れないし、聞き取れても意味不明ですね。Amazon プライムビデオの字幕にも、ここまでは訳されていません。調べないと分からないですね。

そんな訳で、ハワードの席をどかせたペニーが座っていたのはシェルドンの「定位置」。そこに帰ってきたシェルドンがウェットティッシュで手をふきながら入ってきたところで、場所を移るよう指示されます。
この時の表現が、つい先ほどハワードに向って言った「Sit over there.」なのはコメディのお約束。

ペニーをどかせて定位置に座り、ウェットティッシュで指先まで拭き終わったシェルドンはペニーにもウェットティッシュを勧めますが、ペニー、なんでそんなに神経質なのか不思議に思って尋ねますが、シェルドンを良く知るレナードとハワードが「そんなこと聞くな」と大騒ぎ。
しかし、シェルドンがそんなことに気を使うはずもなく。

Sheldon (entering, to Penny who is in his spot): Sit over there. Baby wipe?(そっちに座って。ウェットティッシュは?)
Penny: What do you have….(どうして…)
Leonard and Howard together: Don’t! Don’t! Don’t! (ダメダメダメ!)
Sheldon: I’ll tell you why.(どうしてかって?)
Leonard and Howard: O-o-o-oh!(あーあ)
Sheldon: I had to sanitize my hands because the university replaced the paper towels in the rest rooms with hot air blowers.(大学がトイレのペーパータオルをホットエアブロワーに入れ替えたから、手を消毒しないといかないんだ。)
Penny: I thought the blowers were more sanitary?(ブロワーの方がもっと清潔だと思ったけど?)
Leonard and Howard: Why? Don’t!(なんでそんなこと聞くの!)
Sheldon: Hot air blowers are incubators and spewers of bacteria and pestilence. Frankly it would be more hygienic if they just had a plague infested gibbon sneeze my hands dry.(ホットエアブロワーは、バクテリアと疫病を培養して吐き出す装置だ。正直に言って、伝染病に罹ったテナガザルにくしゃみをさせて手を乾かす方がまだ衛生的だろうね。)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-04-the-griffin-equivalency/

字幕はここまで訳せてないので、原文をあたって情報量の多さに眩暈がしますね。
とくに「plague infested gibbon」はただのサルと表記されていますが、シェルドンがそんな穏やかな表現で収まっているはずもなく。

いくら何でも伝染病に罹ったテナガザルにくしゃみをさせる方がホットエアブロワーより衛生的とは個人的には全く思えませんでしたが、実際のところどうなんでしょうね?

さて、ここまででようやく導入が終わり、宮保チキン(Kung Pao chicken)を頼んでいたはずのラージが駆け込んできて、ニュースがあるんだ!と叫びますが、ペニーがいるのを見てものが言えなくなってしまいます。

ラージはニュースがあるけどペニーがいるので話せない。ペニーが、これだけ長い間、お互い知り合ってるのに、まだお酒ナシでは話せないの?というも、ラージにとって無理なものは無理。ということでペニーは自室に戻って食事をすることに。
レナードは、そこまでしなくても、と止めますが、話せない彼(ラージ)に話し過ぎる彼(シェルドン)と彼(キモイハワード)がいるので、ということでラージに挨拶のキスをして部屋を出ます。(笑

ラージはしかたないとして、ハワードは本当にくじけないよな。シェルドンと反対の意味で空気を読まない。

さて、ペニーがいなくなったところで話せるようになったラージ。
ニュースというのは、ラージがカイパーベルトの外側に「2008-NQ17」という惑星(?)を発見したことでピープル誌が選ぶ「30 Under 30」に選ばれたというもの。

この「2008-NQ17」ですが、確かに字幕ではこのような表記となっていますが、レナードは「2008-NQ Sub17」と呼んでいます。
この「Sub」はNoteではテキストとしてはうまく表示されないのですが、下図の画像のように付けられる数字だからそう呼んでいるようですね。

https://bigbangtheory.fandom.com/wiki/The_Griffin_Equivalency  から転載

また、カイパーベルトは冥王星の外側に「天体が密集した穴の空いた円盤状の領域」のことをさすそうです。
ラージは「惑星ボリウッド」と呼んでるそうですが、冥王星でも準惑星に格下げされ、それと同様の扱いの星が他に二つあるとされていますので、さすがに惑星と呼ぶのはでかすぎかとは思います。

公式に準惑星に分類されている天体のうち冥王星ハウメアマケマケの3つが存在する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

ちなみに、カイパーベルトは宇宙戦艦ヤマトでも出てきます。

ガンダムは「ファースト」の宙域が地球と月のラグランジュポイント周辺に限られていましたし、Zガンダムでパプテマス・シロッコが地球連邦政府の木星資源採掘船ジュピトリスの責任者として登場して、「木星帰りの男」と呼ばれていたそうなので、それより外側にあるカイパーベルトまでは登場してなかったのでしょうか。

各サイドは、地球と月の各ラグランジュポイントを中心とした楕円に近い軌道に設置されており、建造順に番号が振られている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%89_(%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA)

「2008-NQ17」の何がニュースだったかというと、ラージがこれを発見したことでPeople Magazineが「30 under 30 to Watch」に選ばれたという事でした。

2008-NQ17の実在性

「実在性」と書きましたが、もちろんフィクションであるラージが発見した惑星もフィクションでしょうし、その事はこちらの記載を見ると、「ラージが発見したことになっている2008-NQ17」はフィクションと書いてありました。
しかし、2008年7月15日までに発見された441番目の小惑星のことを想起させるとありますので、実際になんらかの小惑星的なものが発見されたことをネタに取り上げた可能性があります。
もっとも、441番目とされている小惑星体の発見も、実際にはそれより少ない数だった可能性もありそうですが。

Raj's planetary object, 2008-NQ17, is fictitious, though its (provisional_designation_in_astronomy) planets designation implies that it was the 441st minor planet discovered during the first fifteen days of July 2008; although analysis of old photographs can result in late additions, considerably fewer than 441 discoveries have been made over that period and it is highly unlikely that number will ever be assigned.

https://bigbangtheory.fandom.com/wiki/The_Griffin_Equivalency

いずれにしても、こういう点まで科学的な裏付けがある話題を持ってきますね。ビッグバンセオリー。

30 under 30 to Watch

このニュースを聞いた3人の反応が面白い。レナードとハワードは、すごいな!と喜びを共有。
一方、シェルドンの反応が、いかにも彼らしい。シェルドンだけでなく、そこからのハワードも、まったくハワードしているわけですが。

Leonard and Howard together: Well, wow, that’s incredible.(それはすごいね)
Sheldon: Excuse me. Thirty what, under thirty what, to watch what?(ちょい待ち。何の30の、何が30以下で、何を見るって?)
Raj: Thirty visionaries under thirty years of age to watch as they challenge the preconceptions of their fields.(年齢が30歳以下で、各分野での予想が注目される洞察力を持った30人だよ。)
Sheldon: If I had a million guesses I never would have gotten that.(100万回考えてもそれは思いつかないな。)
Raj: It’s pretty cool, they’ve got me in with a guy who’s doing something about hunger in Indonesia, and a psychotherapist who’s using dolphins to rehabilitate prisoners, and Ellen Page, star of the charming independent film Juno.(すごいのはさ、一緒に選ばれた人たちの中にはインドネシアでの飢餓の克服に取り組んでいる人や、イルカを使って囚人のリハビリをしているセラピストとか、素敵な独立系の映画「Juno」でスターになったエレン・ペイジがいるんだよ)
Howard: Oh, I’d so do her.(ああ、彼女とやりたい)
Leonard: You’d do the dolphins.(イルカとでもやるんだろ)
Howard: Do I get an honorable mention for designing the telescope camera mounting bracket you used.(君が使った望遠カメラを取り付けをデザインした僕のことについて、スピーチで言ってくれるかい?)
Raj: Sorry, it’s not part of my heartwarming and personal narrative, in which a humble boy from New Delhi overcame poverty and prejudice and journeyed to America to reach for the stars.(悪いけど、質素な少年がニューデリーで貧困と偏見に打ち勝ってアメリカにやって来てスターになるという心温まる僕の身の上話には登場しないんだ。)
Howard: Poverty? Your father’s a gynaecologist, he drives a Bentley.(貧困だって?あんたの親父は産婦人科医で、ベントレーに乗ってるじゃないか)
Raj: It’s a lease.(あれはリース車なんだよ)
Sheldon: I’m confused. Was there some sort of peer review committee to determine which scientists would be included?(ちょっと混乱しているんだけど。どの科学者が選ばれるべきかを決める専門家のレビューとかあったのかな?)
Raj: Peer review? It’s People magazine. People picked me.(専門家のレビュー?People Magazineだよ。大衆が選んだのさ。)
Sheldon: What people?(どの大衆?)
Raj: The people from People.(People誌の大衆さ)
Sheldon: Yeah, but exactly who are these people? What are their credentials, how are they qualified, what makes accidentally noticing a hunk of rock that’s been traipsing around the solar system for billions of years more noteworthy than any other scientific accomplishment made by someone under thirty?(うん。だから正確にどんな大衆?どんな資格をもってて、どう選ばれ、なんで30歳以下の誰かが、偶然にも数十億年も太陽系を漂っていた岩のカタマリを見つけたことが、他のどの科学的な業績より注目すべきとしたんだろう?)
Raj: Boy, I bet Ellen Pages friends aren’t giving her this kind of crap.(エレン・ペイジの友達はこんなクソなこと言わないよ。)
Leonard: Are you proud of yourself?(満足したか?)
Sheldon: In general, yes.(普通にそうだよ。)

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ハワードのセリフ、これがいくらコメディとは言え、こんなの流しても大丈夫だったんでしょうか?日本なら大クレームになりそうですが。
そしてシェルドンとハワードが彼等らしい発言でにぎわったシーンでしたが、ラージも彼らしい「唯我独尊」な面を先出しで覗くことができる会話になっています。

ラージの功績には、多少なりともハワードの貢献もあったようなのですが、スピーチでもその事には触れないと言っちゃうあたり、最初に聞いたときにあれ?と思ったら、ラージのこの嫌味な性格が暴走するのが今回のエピソードでした。

ところで、People Magazineは実際の雑誌ですが、この雑誌が「30 Under 30」をやった記録は見つかりませんでした。ForbesやTime、Inc社ではやっているようですが。

これらの雑誌を出すと実際とは違うことになるので、実在の雑誌だが架空の企画として取り上げたということかと思います。芸が細かいですね。

エレン・ペイジの「30 Under 30」

エレン・ペイジが「Juno」で2007年に鮮烈なデビューを果たし、注目を集めたのは当時の映画雑誌でもかなり取り上げられていたので、記憶があります。

そういう意味では、注目される女優の一人であったのは間違いないのですが、2008年の時点では「30 Under 30」には選ばれていません。

しかし、これが2015年にForbesが選ぶ「30 Under 30」に選出されている、というから面白いですね。

ところで、エレン・ペイジですが、ウィキペディアを見ると不思議なことになっていました。

詳細はウィキペディアのリンク先をご覧ください。2008年のビッグバンセオリーでのハワードの発言は、現在なら違う意味になってしまいますね。

ラージとシェルドンを取り持とうとするレナードとハワード

シェルドンの傍若無人な発言に切れたラージでしたが、上述の通り全く悪びれていないシェルドン。

このままではいけないということで、レナードとハワードが翌日にとりなしにきます。

Sheldon: Oh, there’s my missing neutrino. You were hiding from me as an unbalanced charge, weren’t you, you little subatomic Dickens?(おや、行方不明のニュートリノがあったぞ。不均一な電荷に隠れていたんだね、この原子のおチビちゃん。)
Leonard (entering with Howard): Hi Sheldon.(ハーイ、シェルドン)
Sheldon: Here, look, look, I found my missing neutrino.(ねえ、見て見て。行方不明だったニュートリノが見つけたよ。)
Howard: Oh, good, we can take it off the milk cartons.(そりゃよかった。そいつを牛乳パックから外せるな。)

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大学の個人事務所でのシェルドン。ホワイトボードで電荷の図を書きながら、ニュートリノが見つかったと言って喜んでいます。
”you little subatomic Dickens”と言っていますが、Subatomic=原子の構成要素のを外すと、こんな意味のようです。

You little dickens. 困ったいたずら小僧だな。

ニュートリノなので、Subatomicをつけて呼んでみた、といういかにもシェルドンなら言いそうですね。

Milk Cartonsと捜索願の方程式

これに対してのハワードのセリフが、日本人にはわかりにくい。
Amazonの字幕では、「捜索願を取り下げるか」となっていますが、Milk Cartons=牛乳パックから外すことが「捜索願を取り下げる」になるのはなぜでしょう?

アメリカでは行方不明になった子供たちの写真が牛乳パックに掲載されていたことがあったようです。
さすがに今ではネットなどにとって代わっているようですが、こちらにそのあたりのことが詳しく記載されています。

WeというレナードとIというシェルドン

ハワードの茶々入れはさておき、本題に入るレナード。
ここでレナードは、ずっと「We」を使っています。「僕たちは昨日、ラージに悪いことをした」と。

Leonard: Well, we’re going to go apologize to Raj and invite him out to dinner.(あのさ、ラージに謝って夕食に招待しようと思うんだけど)
Sheldon: Apologize, for what?(謝るって何を?)
Leonard: Well, he came over last night with some pretty good news, and we weren’t very supportive.(えーっと、彼が素晴らしいニュースを持ってきたのに、僕らはあんまりサポートする感じじゃなかったから)
Sheldon: I sense you’re trying to tell me something.(何か僕に言いたいっぽいね)
Howard: You were a colossal ass-hat.(お前が一番くそったれだったじゃん)
Sheldon: Oh! No, I beg to differ. Of the three of us, I was by far the most supportive.(いやいや。失礼ながら、3人のうちでは僕が群を抜いて、彼のためを一番、思っていましたが。)
Leonard: Really, do tell.(へー。じゃあ言ってみてよ)
Sheldon: How will Raj ever reach true greatness if his friends lower the bar for him? When I was eleven, my sister bought our father a “world’s greatest dad” coffee mug, and frankly the man coasted until the day he died.(もし彼の友人がバーを下げてしまったら、ラージはどれだけ偉大なことを成し遂げられる?僕が11歳の時、妹が父親に「世界一偉大な父さん」と書かれたコーヒーマグを買ったら、死ぬまで父親は惰性で生きたっていうのが正直なところ)
Leonard: Okay, let’s try it this way, what if the People magazine thing is the best Raj is ever going to achieve?(分かった、じゃあこう言い換える。ピープル誌のことがラージが達成しうる最善だったとしたらどうする?)
Sheldon: I had not considered that.(それは考えたことなかった。)
Leonard: Come on.(行こう)
Sheldon: I often forget other people have limitations. It’s so sad.(人間には限界があるっていうことを、たまに忘れるんだ。悲しいことだね。)
Howard: He can feel sadness?(悲しさなんて感じてるのか?)
Leonard: Not really, it’s what you and I would call condescension.(いいや、まさか。あれは上から目線ってやつだよ)

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上から目線か悲しみかはともかく、3人でラージの事務室に出かけていく途中、レナードとハワードは、ラージをなだめるために、ともに喜んでいることを伝えようとしますが、そんな気持ちはこれっぽっちもないシェルドン。

無理に作った作り笑い

ハワードも自分の思いを殺してるんだから、シェルドンもなんとかごまかせよ、と促す場面。
どうしてほしい?と聞かれて「微笑んだら」とのレナードのアドバイスに、無理くり笑った表情が怖すぎて、「バットマンを殺しに来たわけじゃない」と言われる始末。

Howard: Well then fake it. Look at me, I could be grinding on the fact that without my stabilizing telescope mount he never would have found that stupid little clump of cosmic schmutz, but I’m bigger than that.(じゃあ、なんとかごまかせよ。僕だって、自分の望遠鏡マウントの安定化装置がなければ、彼は決してあんな馬鹿げた宇宙ゴミのカタマリなんか見つけられなかったってねじ込んでもいいはずだけど、僕はそんなちっぽけな奴じゃない。)
Sheldon: Fine, what do you want me to do?(分かった。僕は何をしたらいい?)
Leonard: Smile. (He does, exaggeratedly.)(微笑んだら)
Howard: Oh crap, that’s terrifying.(クッソ。こえーよ)
Leonard: We’re here to see Koothrappali, not kill Batman.(クースラポリに会いにいくんだ。バットマンを殺しに行くわけじゃない。)
Howard: Try less teeth. (Does. It isn’t much better.)(歯を見せないでやってみて)
Leonard: Close enough, come on. (Knocking and entering.) Hi Raj.(まあましか。じゃあ行こう。ハーイ、ラージ)

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台詞では「バットマンを殺しに来たわけじゃない」が字幕では「それじゃバットマンのジョーカーだ」となっていました。

ちなみに、タイミング的には、この「傲慢と友情の法則」が放映されたのが2008年10月13日。『ダークナイト』は2008年7月18日。

タイミング的には、脚本家がダークナイトのジョーカーを念頭に置いてこのシーンを書いた可能性はあると思います。時事的アメコミネタを上手い形で取り込んだと思いますし、意味の面からもうまく字幕が付けられていると思います。

超映画批評でも、ダークナイトは大絶賛でした。

超映画批評が高得点だから、自分にも良いというわけではないのですが、ここでの批評はかなり納得がいく内容でした。

ダークナイトのブルーレイが960円とか、なんか信じられない値段になっていますね。
ダークナイトで唯一、非常に残念だったのがレイチェル・ドーズを演じたのがケイティ・ホームズではなかったことでしょうか。
制作会社には制作会社の都合やメンツもあったとは思いますが、『バットマン・ビギンズ』のレイチェル・ドーズがドンピシャだっただけに、女優の交代は非常に残念でした。

『バットマン・ビギンズ』では遊び惚けているように見えたブルース・ウェインがホテルでレイチェルに見つかった時に言われたセリフを、バットマンの姿の時にそのままひっくり返して自己紹介する部分は、英語の表現的にも相当話題になりましたし、このセリフでバットマンの正体が分かったレイチェルの表情が抜群に良い。

彼女が降板させられたのは、ファンとしては返す返すも残念ですし、たぶんこのことが尾を引いているのか、彼女のキャリアはその後あまり、芳しくないようにみえます。

It's not who I am underneath, but what I do that defines me.

https://www.youtube.com/watch?v=OLTrHcbO_MU

博士とそれ以外、Star = Money の現実

ラージの部屋で夕食のお誘いをしているところにやってきたゲーブルハウザー学部長。この時の4人のやり取りがすごい。私は博士号もってないですし、アメリカの大学で務めたことないので、これが現実かどうかは知らないのですが、なんとなくありそうな感じです。

Gablehauser (entering): Hello boys.(やあ、みんな)
Raj: Dr Gablehouser.(ゲーブルハウザー博士)
Gablehauser: Dr Koothrappali.(クースラポリ博士)
Leonard: Dr Gablehauser.(ゲーブルハウザー博士)
Gablehauser: Dr Hoffstadter.(ホフスタッター博士)
Sheldon: Dr Gablehauser.(ゲーブルハウザー博士)
Gablehauser: Dr Cooper.(クーパー博士)
Howard: Dr Gablehauser.(ゲーブルハウザー博士)
Gablehauser: Mister Wolowitz. Boys, I’ve got a question for you. Who in this room discovered a star?(ウォロウィッツ君。一つ質問があるんだが。この部屋でスターを発見したのは一体誰かな?)
Raj: Actually, 2008 NQ sub 17 is a planetary body.(実のところ、2008‐NQ17は惑星体です)
Gablehauser: I’m not talking about you, I’m talking about me. You, my exotic young friend are my star.(私は君のことを言ってない。私のことだよ。若いエキゾチックな君こそ、私のスターだ!)

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博士号を持っている3人は、博士と呼び、修士号はあっても博士ではないハワードには「ウォロウィッツ君」とか、見ててウヘぁ!って感じでしたが、さすがにネタと思いたいですね。

そして、スターに相応しい部屋を用意しようという学部長の提案に、最初はとんでもないと言ってたラージ、少し大きめの部屋はどうかね?と言われて、もっと大きい部屋が良いですとか言い出してて、もう大草原というか草しか生えないというか。

Gablehauser: Let me ask you something, what do you think the business of this place is?(ちょっと聞いてみたいんだが、ここの仕事は何だと思う?)
Leonard (after he, Sheldon and Howard whisper to each other): Science?(科学でしょうか?)
Gablehauser: Money.(お金)
Howard: Told you.(そう言っただろ)
Gablehauser: And this boy’s picture in People magazine is going to raise us a pile of money taller than… well, taller than you (ruffling Howard’s hair.)(で、ピープル誌に掲載された写真は、お金をうず高く…そう、君より高く積んでくれるだろう。)
Howard: I have a master’s degree.(僕は修士号を持ってます。)
Gablehauser: Who doesn’t? Dr Koothrappali, have you ever had lunch in the President’s dining room?(持ってない人なんかいないよ。クースラポリ博士、学長のダイニング・ルームでランチを取ったことはあるかね?)

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という訳で、とことん酷い扱いを受けたハワードでしたが、ラージも同僚をほっぽり出して学長と肩を組んで出ていく始末。
この場面まで見ても、ラージって結構イヤな奴かも、と思わされます。

ピープル誌の撮影を終えた後のディナーで

場面変わって、チーズケーキファクトリー。学長のダイニング・ルームに、ピープル誌の撮影もあって、超ゴキゲン。
ウザさに拍車がかかってしまったラージ。アルコールも入って、他の人に全く気を使わない。
今までより広い部屋、学長のダイニング・ルームでのランチに加えて、写真撮影のシーンを語るだけでもうざいのに、なんと彼には助手までついてスケジュール調整の対応をしているほど。
しかも助手も付いたばかりで、なんの仕事もしてないはずなのに、「彼がいなきゃ、何もできない」とか言い出す。
この場面、いかにもラージらしいとは思うけれども、今なら放送できないんじゃないだろうか?

Raj: Okay, just put it on my calendar but start thinking of a reason why I can’t go, alrighty? Koothrappali out. God bless that boy, I don’t know what I’d do without him.(OK。それ僕のカレンダーに入れておいて、でも僕が行けない理由を考えておいて。良いかな?クースラポリ、抜けます。神よ、彼に祝福を。彼なしではどうしていいかわからないよ。)
Leonard: You just got him this afternoon.(助手は今日の午後についたばかりじゃないか)
Raj: Yes, but I’m finding that having a lackey suits me.(うん。でも召使いがいるのは、僕には合ってるってことが分かってさ。)
Leonard: A lackey?(召使だって?)
Raj: Oh, I’m sorry, is that politically incorrect? In India we just call them untouchables.(あっと、ごめんごめん。間違った表現だったね。インドじゃ、普通に不可触賤民と呼ぶからさ。)

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うーん。これ、今なら通りますかね?本当にギリギリのところに踏み込んでるような気がする。

V.I.P.席への招待は、V.I.P.オンリー?

ラージも、この「召使発言」で思いだしたっていうセリフが、さらに輪をかけて酷い。

Raj: Speaking of untouchables, I’ve got great news for you guys. People magazine is having a reception this Saturday, and I managed to get you invited.(不可触賤民と言えばさ、みんなに素晴らしいニュースがあるんだ。ピープル誌が今度の土曜日にレセプションパーティをやるんだけど、みんなが招待されるようにしておいたよ。)
Howard: Oh, gee, thanks.(おやまあ、ありがとう。)
Raj: Oh, you’re welcome. Of course, I couldn’t get you into the VIP section, because, you know, that’s for VIPs, and you guys are just, you know, Ps.(お安い御用さ。でも、VIPセクションには入れてあげられないんだ。だってほら、そこはVIP用で、君らはただのPだからさ)
Sheldon: There’s a tribe in Papua New Guinea where, when a hunter flaunts his success to the rest of the village they kill him, and drive away evil spirits with a drum made of his skin. Superstitious nonsense of course, but one can see their point. (Smiles)(パプア・ニューギニアのある種族は、狩人が自分の成功を他の住民に見せびらかすと、みんなでその狩人を殺し、皮をはいで作った太鼓で悪い霊を追い払うそうだ。迷信からくる馬鹿げたことなのは間違いないけど、共感できるところもあるな)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-04-the-griffin-equivalency/

上記のセリフで太字にしたラージのセリフ。
V.I.P.= Very Important Personで、ラージが「君らはPだから」は、「Very Important」が付かないただの「Person」だと言いたいのは分かります。

しかし、これ音だけ聞いたら、「you guys are just, you know, Ps」(君らはただの、ほら、Peesだから)って、アメリカ人にすれば「pee 」に聞こえているはず。下品すぎて、誰も書いてないでしょうけども(調べるのもちょっと憚られます)。
ほんとに、こんなの良く放送してましたよね。つい13年前なんですけどね。

ペニーはレセプションパーティに行く理由

こんな風に「Pees」扱いされた3人、ラージがねじ込んだレセプションパーティには行かないと気のない返事をしているところにやってきたペニー。なんの話をしているのか把握した後での会話がこれまたすごい。

Penny: And you guys aren’t going? I can’t believe you, Raj is celebrating a tremendous accomplishment and you’re not even going to be there to support him?(みんな行かないの?信じらんない。ラージがとてつもないせいかを出したのに、みんなそのことを祝わないの?)
Sheldon: A tremendous accomplishment would be if the planetary body he discovered were plummeting toward Earth and he exploded it with his mind.(とてつもない成果って、彼が発見した惑星体が地球に衝突してきたけれども、彼が心で念じるだけで爆発させたっていうんだったらね。)
Howard: That would be cool. I’d go to that reception.(そりゃすごい。そのレセプションパーティだったら僕も行くね)
Penny: Come on, this is huge, Raj is going to be in People magazine. And he didn’t even have to knock up one of the Spears sisters.(ちょっと、これはすごいことなのよ。ラージがピープル誌に載るのよ?それにスピアーズ姉妹のどちらかをラージが孕ませた訳でもないのよ?)
Raj: Would you like to go with me?(僕と一緒に行ってくれる?)
Penny: Of course I would, I would be honored.(もちろんよ。ありがたく行かせていただくわ)
Raj: Really? Cool.(ほんとに。そりゃステキだ)
Penny: Shame on you guys. (Leaves)(あんたたち、サイテー)
Raj: Look at that. I got a date with Penny. I can’t believe it took you a whole year.(ねえ、見て。ペニーとデートだよ。僕には信じられないんだけど、レナードは1年もかかったよね?)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-04-the-griffin-equivalency/

今回のエピソードは、ジュノのエレン・ペイジがどうしたの、スピアーズ姉妹のどちらかを孕ませたの、召使だの、もう驚くしかない回ですね。

ところで、アメリカの芸能ニュースには疎いんで、このスピアーズ姉妹云々は良くわからないのですが、ちゃんと回答がありました。

スピアーズ姉妹はもちろん、ブリトニー・スピアーズとジェイミー・リン・スピアーズの(本当の)姉妹。ブリトニーは2005年と2006年、ジェイミー・リンは2008年6月に出産して、そしてどちらも雑誌の表紙を飾っているそうです。

上のコメントで掲載されている写真を見ると、ブリトニーはピープル誌でした。もうここまでくると、リアルとドラマがリンクしすぎていて、笑うしかないですね。

もう一人、ピープル誌のカバーの常連さんが

ペニーとデートに行くと言い出し、「そういや、君は1年もかかってたね」とか煽られまくられたおかげで、とうとう温厚なレナードも切れて、シェルドン、ハワードと共にラージを置いて出て行ってしまいます。
それで、まくし立てる相手がいなくなってしまったラージは、隣の席に座っている人に話しかけるのですが…

Raj: Hey, buddy. I’m going to be in people magazine.(あのさ、僕ピープル誌に載ることになったんだ)
Charlie Sheen (turning round): Yeah, call me when you’re on the cover.(そうかい。カバーを飾った時に出直してきな)

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なんと座っていたのはチャーリー・シーン。

たしかに「チャーリー・シーン ピープル誌」で検索したら何枚も写真が出てきますね。適当に見繕ってもPinterestでいくつかありました。たくさんリンクしてもしょうがないので、二つだけ。

チャーリー・シーンは、『ビッグ・バン・セオリー』のプロデューサー、チャック・ロアと組んで『チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ』で主演を張っていました。

しかし、この番組が人気があった時に、色々問題を起こして降板させられて訴訟を起こしたり、役がアシュトン・カッチャーに交代となった関係で、チャック・ロアとは仲が悪いとされていました。

このため、『ビッグ・バン・セオリー』にチャーリー・シーンが登場したのは、チャックと和解したかといった話も飛び交ったそうですが、さすがに詳しいことまで良くわかりません。
チャックは優秀なコメディのプロデューサーですし、チャーリー・シーンも実力のある俳優なので、仲良くやってくれるに越したことはありません。
某人気ドラマのように、裁判裁判でDVDなどの販売が差し止められても困りますし。

正直、これが怖くて『ビッグ・バン・セオリー』のブルーレイ・コンプリートボックスが出た時、日本語版を待たずに買ったほどです。

ちなみに、この投稿を準備していたら、なんとGoogle先生からこんな記事がオススメされました。

Google先生、優秀すぎ。
この記事ではハーパー★ボーイズに出ていたキャストがビッグ・バン・セオリーでもかなり出てきている、との内容です。
まぁ、それはどちらも12シーズンも続くビッグタイトルですし、脇役が被る事はよくある事ですよね。

さて。話をビッグ・バン・セオリーに戻します。
ピープル誌に写真が載ると有頂天だったラージも、表紙を何度も飾っているチャーリー・シーンにはかなわず、周りの客にウザがらみをするのはやめたと思われます。

Redonculous = 「ぶっ飛んだ」的なゴージャスな服装

場面変わって、ペニーのドアの前。ばっちりスーツを決めたラージがシャンペーンを両手に、足でペニーのドアをノックすると、ペニーがオフィシャルなパーティでも通用する素敵な姿で現れます。
ラージもシャンペンで出来上がっているので、ペニーに話しかけるのは問題ない。

Penny: Oh, Raj, look at you!(まあ、ラージ、素敵じゃない!)
Raj: I know, I am resplendent like the noonday sun, am I not?(そうさ。僕は真昼間の太陽なんだ、違う?)
Penny: Um, yeah, starting with the champagne a little early aren’t you?(えーっと、そうね。シャンペン、ちょっと早すぎるんじゃない?)
Raj: It was in the limo. They sent a limo. I have a limo. I just love saying limo. Here, sip on this while you’re getting ready.(リムジンにあったんだ。僕にリムジンを回してくれててさ。リムジンがあって、リムジンって言いたいんだ。ほら、シャンペンでも飲みながら準備してよ。)
Penny: Oh, I’m ready.(もうできてるわ。)
Raj: That’s what you’re wearing.(その服装でいくの?)
Penny: Um, yeah, why what’s wrong with it?(えー、そうね。何かまずかったかしら?)
Raj: Nothing, I was just hoping for something a little more, you know, redonkulous.(別に。ただ僕はほら、もう少し、ぶっ飛んだのを期待してたから。)
Penny: Yeah, well, this is all the donkulous you’re gonna get.(ええ、そうね。飛んでるのはこれぐらいなの。)
Raj: Okey dokey, let’s roll. Alright, it’s time to raise the roof. Oo-ooh, oo-ooh.(よーし、繰り出していこうか。さあてっと、大騒ぎの時間だ!)

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この「Redonculous」ってのは辞書にないんで、グーグル先生に聞いてみたら、こんなのが出てきました。

「beyond ridiculous」。馬鹿げたの上を行くということで、日本語だったら「ぶっ飛んだ」みたいな感じでしょうか。
ラージはきっと、アカデミー賞とかに出場する女優たちがレッドカーペットを通るときに着るようなドレスを身にまとったペニーを期待していたんだろうなと。
こういう「アカデミー賞のレッドカーペットを彩った女優たち」に登場する女優のドレスからすれば、ペニーのは落ち着いたスーツで、それほど「ぶっ飛んだ」感は確かにないですしね。

ラージにペニーをさらわれたレナード達は…

廊下で美しく着飾ったペニーと、ノリノリのラージとすれ違い、リムジンの件で煽られたレナードが部屋に戻ると、ハワードがネットで何かしてます。
ここの会話も、ネタっちゃネタですが、今回の脚本家はギャグは下ネタ方向に全振りしているのか、っていうぐらいのストーリー展開。

AnythingforGreenCard.com = グリーンカードの為ならなんでも.com みたいなサイトでクロアチアの女性が連絡を待ってるぞとか、ハワードが超絶下品なハンドルネーム付けて、レナードに貸してあげるとか、英語を勉強し始めたばかりだからわかりやすい方がいいんだとか、もうこんなの本当にいいのか?っていう話題が続きます。

シンプソンズのアプー博士

ということで、このパートは飛ばしますが、その直後にシンプソンズのネタが来ます。
日本人でシンプソンズに詳しい人ってどれくらいいるのでしょうか?
最初、これを聞いたとき全く分かりませんでした。

Howard: Well, you gotta make it easy for them, they’re just learning English.(まあ、彼等に分かりやすくしなきゃ。英語をちょうど勉強しているところなんだし。)
Leonard: Pass.(パスするよ。)
Howard: So you’re just going to sit around here and mope while Penny is out with Doctor Apu from the Kwik-e-Mart?(じゃあ、ぼーっと座ってペニーがクイックeマートのアプー博士と出かけている間、ふさぎ込んでいるのかい?)
Leonard: It’s not a date, and that’s racist.(あれはデートじゃないし、それにそれは差別だよ。)
Howard: It can’t be racist, he’s a beloved character on the Simpsons.(差別じゃないさ。彼はシンプソンズの愛すべきキャラクターなんだ。)

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ということでググってみましたら、こんなウィキペディアの項目があるとは。

アプー・ナハサピーマペティロン(Apu Nahasapeemapetilon)
声:ハンク・アザリア/広瀬正志
インド出身のヒンドゥー教徒。Caltech出身(カルカッタ工科大学であって、カリフォルニア工科大学ではない)
酷いインド訛の英語を話す、クイックEマートというコンビニの店主。店は頻繁に強盗(主にスネーク)に襲われ、悪ガキたちに万引きされている。
積極的に表記のごまかしやぼったくりを行うちゃっかり者だが、哲学の博士号の持ち主で頭脳は明晰。(中略)
2017年に制作された映画『アプーにまつわる問題』で彼のインド系のキャラクターがステレオタイプだとして取り上げられて以降、彼のキャラクターは人種差別なのではと問題になり炎上、この事態を受け製作側はシーズン30から彼を登場させなくなった(このことについてエピソード内でリサが『ずっと前に始まったことは最初は称賛され、無害でも、今は正しくないと言われる。どうすればいいの?』と語っているシーンがある)。

Wikipedia:ザ・シンプソンズの登場人物から

英語版ではイラストも表示されていました。

2008年にこのエピソードが放送された当時は、ハワードのセリフで押し切ったわけですが、それから9年後にはやはりアプー博士のことは人種差別的ということで、それ以後のシンプソンズには登場しなくなった、ということです。この辺は、まあそうですねというのが正直なところ。

そういう意味でも、ビッグ・バン・セオリーはこの時代だったからこそできた番組で、今ならもうこのネタでは作れないんだろうなと思います。

シェルドンの故郷のベトナム人漁師と猫のラッキーとグリフィン

レナードとハワードの間でのクロアチアの女性達やザ・シンプソンズのネタの後、レナードが買って来た夕食のメニューがシェルドンの希望通りかどうか、マスタードや醤油が指定通りかどうか、そしてやっぱりシェルドンの希望通りでなかったのは、レナードがペニーとラージの行方に気を取られていたからか、といった会話もあるのですが、ここは割愛します。

シェルドン、レナード、ハワードの3人が定位置に座って夕食を始めると、こんな会話が始まります。
そしてこれが英語のタイトル「The Griffin Equivalency」の回収パートでもあります。

Sheldon: You know, this situation with Koothrapali brings to mind a story from my childhood.(このクースラポリとの状況は、子供の頃を思い出させるんだよ。)
Howard: Oh goody, more tales from the Panhandle.(やったね。パンハンドルのお話がたくさん聞けるぞ)
Sheldon: That’s Northwest Texas, I’m from East Texas, the Gulf region, home to many Vietnamese shrimpers.(それはテキサスの北西部。僕は東の湾岸部の出身で、ベトナム人のエビ漁の漁師がたくさん住んでる)
Leonard: Do the shrimpers feature in your story?(エビの漁師は、キミの話に関係してるの?)
Sheldon: No. Anyway, when I was eight, a Montgomery-Ward delivery van ran over our cat, Lucky.(いいや。ともかく、僕が8歳の時、モンゴメリー区の配達トラックがうちの猫のラッキーを轢いたんだ)
Howard: Lucky?(ラッキーだって?)
Sheldon: Yes, Lucky.(うん。ラッキーだよ。)
Leonard: He’s irony impaired, just move on.(こいつは皮肉障害だから、無視して)
Howard: Okay, dead cat named Lucky, continue.(分かった、死んだ猫で、名前はラッキー。続けて)
Sheldon: While others mourned Lucky, I realized his untimely demise provided me with the opportunity to replace him with something more suited to my pet needs. A faithful companion that I could snuggle with at night, and yet would be capable of killing upon telepathic command.(他の人達がラッキーのことを悲しんでいる時、僕は彼の究極の消滅は自分のペットに求めているものに相応しい何かに置き換えられる機会が提供されたことに気が付いたんだ。夜には抱き寄せあって、そしてそれでもテレパシーの命令で殺人する能力もある忠実な仲間だとね。)
Howard: So, not a puppy?(そりゃ、犬じゃないね?)
Sheldon: Please, no, nothing so pedestrian. I wanted a griffin.(あのね、もちろんそんなありきたりなものじゃない。僕はグリフィンが欲しかった)
Leonard: A griffin?(グリフィン?)
Sheldon: Yes, half eagle, half lion.(そう。半分ワシで半分ライオンの)
Leonard: And mythological.(それは神話だけど)

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Amazonでの字幕ではとても表現しきれないのですが、シェルドンのペットに求めているもののレベルが、悪い魔法使いレベル過ぎて、笑うしかないですし、この表現も普通の人はこんな言い方しないですよね。

ところで、パンハンドルはテキサスの北西部にある町で、それは間違いないのですが、ハワードが「また」と言うほど言及されていたかどうかが、確認できませんでした。
こちらのFandomでも言及がありませんし、他の資料でも今のところ見つかってないです。

今後、エピソードを見続けて、見つかったら追記することにいたします。

さて、ここでグリフィンがでてきて「The Griffin Equivalency」の半分は回収されましたが、「The Equivalency」(等価物)とはなんでしょう?

グリフィンの等価物

それはまさにここからの会話の続きで語られます。

Sheldon: Irrelevant. See, I was studying recombinant DNA technology and I was confident I could create one, but my parents were unwilling to secure the necessary eagle eggs and lion semen. Course my sister got swimming lessons when she wanted them.(<グリフィンが神話上の生き物だというレナードの意見は>見当違いだね。あのね、僕はDNA組み換えを勉強していて、それを作り出すことには自信があったんだ。でも両親が必要なワシの卵とライオンの精子を確保することに反対でさ。妹が行きたいと言ったスイミングレッスンはすぐに行けたのに)
Howard: Sheldon, not that we don’t all enjoy a good lion semen story, what’s your point.(シェルドン。僕らは君の素敵なライオンの精子の話が楽しくないわけじゃないんだけど、何が言いたいの?)
Sheldon: My point is, if Koothrappali is moving on to a new life of shallow, undeserved fame, perhaps this is an opportunity to create a better cohort.(僕が言いたいのは、もしクースラポリが浅くて相応しくもない名声の新しい人生に進むなら、きっと新しい仲間を作り出す良い機会だってことさ)
Leonard: You want to breed a new friend?(新しい友達を繁殖させるの?)
Sheldon: That’s one option, but who has the time? But consider this, the Japanese, they’re doing some wonderful work with artificial intelligence, now, you combine that with some animatronics from the imagineers over at Disney, next thing you know, we’re playing Halo with a multi-lingual Abraham Lincoln.(それもいいけど、そんな時間はないよね。でも、日本人がAIで素晴らしい実績を上げているんで、それとディズニーの想像力豊かなアニマトロニクスの人達を組み合わせれば、Haloを多言語のアブラハム・リンカーンともプレイできるようになる)
Howard: Sheldon, don’t take this the wrong way, but, you’re insane.(シェルドン、誤解してほしくないんだけどね。君、正気じゃないね。)
Leonard: That may well be, but the fact is, it wouldn’t kill us to meet some new people.(それもありだろうけど、それより新しい人に会っても、殺されたりしないよ。)

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この2008年頃は、AIと言えば日本と言われていたのですね。
あれから13年たって、果たして今の日本がAIのトップランナーなのかは、ちょっと怪しい気がしますが…

という訳で、「グリフィンの等価物」とはつまり、ラージの代わりの仲間で、日本人が開発したAIとディズニーの想像力豊かな人たちを組み合わせて作り出す多言語を話すアブラハム・リンカーンで、一緒にHALOができる相手だそうでした。

HaloはX-Boxのゲームで、これだと思いますが、これを多言語を話すアブラハム・リンカーンとやるのか?っていう。
ここはハワードに一票入れておきたいところですね。

多言語のリンカーンのその先は?

さて、シェルドンはこんな話題を持ち出しましたが、レナードとハワードと組んでの会話はさらに進展します。

Sheldon: Uh, for the record, it could kill us to meet new people. They could be murderers, or the carriers of unusual pathogens, and I’m not insane, my mother had me tested.(えー、念のためにいうけど、新しい人と会うと殺されうるよ。彼らは殺人者かもしれないし、あるいは珍しい病原体の感染者かもしれない。それに、僕は正気でなくはないよ。母親がテストしたし。)
Leonard: If we do get a new friend, he should be a guy you can trust. A guy who has your back.(新しい友達を得るにしても、信頼できる人がいいな。自分達のことを支持してくれるような。)
Howard: And he should have a lot of money, and live in a cool place down by the beach where we could throw parties.(そして大変なお金持ちでさ。ビーチの素敵な場所で、パーティできるような場所に住んでるんだ)
Sheldon: He should share our love of technology.(技術への愛を共有できないとね)
Howard: And he should know a lot of women.(沢山女性がいるんだ)
Leonard: Yeah, let’s see, money, women, technology, okay we’re agreed, our new friend is going to be Iron Man.(そうだね。えーっと、お金に女性に技術っと。OK。その通りだ。僕らの新しい友人はアイアンマンだね)

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Haloができる多言語のリンカーンから、実在するアイアンマンがラージの代わりであり、グリフィンの等価物でもあるわけですね。
ちなみに、ロバート・ダウニーJr.主演のアイアンマンが最初に劇場公開されたのも2008年でした。
今、ウィキペディアを見ると、世界で一番最初に公開されたのはオーストラリアのようです。

それにしても1.4億ドルの製作費で、全世界の興行収入が5.8億って、ものすごいですね。
日本の映画だと、製作費10億の超大作とか宣伝されてたりしますが、桁が文字通り一つ違う。
そして、ここからMCUの驀進が始まったのでした。

そりゃ、アイアンマンが友達になってくれたら、ラージがいなくてもなんだってできますね。
夜に抱きしめあうかとか、テレパシーの命令で動くかどうかは別として、圧倒的な攻撃能力もあり、ワシとライオンではなく、人間と機械の合体したものですし。

そういう意味では、究極的に「グリフィンの等価物=アイアンマン」という訳でした。

パーティから戻ったペニーとラージは?

さて。シェルドンやレナード達がラージの入れ替わりにアイアンマンと妄想を膨らませている裏で、ノリノリのラージとペニーはどうなったのでしょう?
パーティーの場面は見なくても、結論は分かっていますが、制作者側も「ですよね?」とばかりにパーティーから帰ってきたラージとペニーだけを写します。

Raj: Welcome to the Raj Mahal.(ラージ・マハールへようこそ!)
Penny: Yes, it’s very nice, goodnight Raj.(そうね、とっても良かったわ。お休み。ラージ)
Raj: No, wait, the evening’s not over.(いや、待って。夜はまだ終わってないよ)
Penny: Yes, it is.(終わったわ)
Raj: No, it’s time to put on some R. Kelly and suck face.(いや、R.Kellyの曲を流して、キスするんだ)
Penny: Oh, wow, is the evening over.(まあ。夜は終りね)
Raj (as a ringing noise is heard): Wait, wait, that’s my mummy and daddy calling from India. I want you to meet my parents.(待って待って、ママとパパがインドから電話だ。君に会ってほしいんだ)
Penny: Wait, meet them.(ええ?両親に会うって?)

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うーん。今までもビッグ・バン・セオリーは割と吹っ飛んだネタが入ることがありますが、今回は徹頭徹尾ってやつですね。

R.Kellyのは18禁すぎて、動画もあまり出てこない感じ。YouTubeで検索したらあるにはありましたが、「一部の視聴者には適さない可能性があります。それでも視聴しますか?」みたいなメッセージが出てきたので、そこで引き返してきてしまいました。

R.Kellyで、こんな歌があるようですので、たぶんこれをもじったものと思います。セリフでは「Suck Face(キスする)」に変えられていますが、元はもっと直接的なので、さすがに変更したんでしょうか?

ラージの両親 v.s. ペニーはペニーの一本勝ち

ラージの両親がスカイプだかなんかで電話してきたので、パソコンを取るラージ。

Raj (inhales deeply, picks up laptop, presses a button. His mother and father appear on the screen): Hello mummy and daddy, good to see you. I’m not drunk.(母さん、父さん、会えてうれしいよ。僕、酔ってないよ)
Mrs Koothrappali: Why would you say that?(なんでそんなこと言うの?)
Raj: Just making conversation. Mummy, daddy, I want you to meet my new squeeze, Penny.(ただの会話さ。母さん、父さん、新しい僕の抱きしめる相手、ペニーだよ)
Penny: I am not your squeeze. There is no squeezing.(私はあなたの相手じゃないわ。それに抱きしめなんかもしてない)
Dr Koothrappali: I can’t see her, center her in the frame.(彼女が見えない。画面の真ん中にもってきて)
Raj: Here you go, cute huh?(ほら、キュートでしょ?)
Mrs Koothrappali: She’s not Indian.(インド人じゃないわね)
Dr Koothrappali: So, she’s not Indian, the boy’s just sowing some wild oats.(ああ、インド人じゃないな。ちょっと若い時の道楽ってやつだろ)
Penny: No, no, there’s no sowing, no squeezing, and no sucking face.(いやいや、道楽でもなければ抱きしめもなし、キスもなし)
Mrs Koothrappali: What if he gets her pregnant. Is this little hotsy-totsy who you want as the mother of your grandchildren.(ラージが孕ませたらどうするの?この子があんたの孫の母親になるのよ?)
Raj: What right do you have to pick who I can have children with?(僕が誰と子供を作るか選ぶ権利が親にあるの?)
Dr Koothrappali: Look, Rajesh, I understand, you’re in America, you want to try the local cuisine. But trust me, you don’t want it for a steady diet.(あのなラージ。アメリカにいるんだし、ちょっと地元の料理を食べたくなったんだろうが、言うことを良く聞いとけ。一生食べ続けることはできないぞ)
Raj: Now you listen to me, I am no longer a child, and I will not be spoken to like one. Now if you’d excuse me, I have to go throw up.(聞いて。もう子供じゃないんだから、そんな風に言われる筋合いはない。ちょっと行って吐いてくる)
Mrs Koothrappali: What’s wrong with him?(どうしたの?)
Penny: I don’t know, maybe it’s the local cuisine. Okay, well, it’s nice to meet you, just gonna set you on down over here, and I’m going to leave so, Namaste. (Leaves, then almost immediately returns) And FYI, you’d be lucky to have me as a daughter-in-law.(さあ、もしかしたら地元の料理にあたったのかも。それじゃ、お会いできて良かったです。これはこちらに置かせてもらって、私はもう行きますね。ナマステ。
それと、ご参考までに私が嫁になったら嬉しいはずですわ)
Dr Koothrappali: She’s feisty. I like that.(元気のある子じゃないか。気に入ったよ)

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改めて原文をきちんと読んでみると、お互いにすごい応酬をしてますね。
レナードやハワードが言い放題なので、インド人側にも好き放題言わせている感じなんでしょうか?

それにしても、ペニー。あのがちがちにインド人の親であるラージの両親に一歩も負けてません。ラージが酔い覚ましに席を外した理由を聞かれて、ラージの父親が言った「地元料理ですかね?」で一刀両断で切り返したあたりは、舌を巻きます。(もちろん、脚本なんですが)

シェルドンやレナードとやりあううちに、元々持ってた「Feisty」な性格が強化されてしまったような感じですね。

気まずいラージは?

さて。酒にあかせて失礼な行為を繰り返し、親の前でも失態を明らかにしてしまったラージ。
翌日にお詫びの手紙(素面では、ペニーとすら会話できないので)をもって、ドアの隙間から差し入れようとしますが、それに気が付いたペニーにドアを開けられてしまいます。
手紙を渡そうとしますが、いい加減ちゃんと話しなさい!ということで絞り出したのが「Sorry.」の一言。

それでも、自分の言葉で話したということで、ペニーの許しとハグを得てご満悦のラージでしたが、ハグを見てしまったレナードは、昨晩の出来事を誤解するわ、シェルドンはジョーカー・スマイルになるわで、めでたしめでたし(何が?)。

冒頭にも書きましたが、今回のエピソードは全体を通じて、かなりアメリカ社会をえぐって見せていると思います。
そして、これは2008年だったから可能だったもので、今ではラージをアプー博士に喩えて描写することも、たぶん不可能でしょう。

コメディ枠ということで、今後も生き続けるかもしれませんが、下手したら放送禁止になってもおかしくないエピソードのような気がします。この点は、省略したりうまくまとめることができずに、こんなに長い紹介となってしまいました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
コメント等いただけましたら、非常にうれしく思います。よろしくお願いいたします。

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