Don Cherry and Charlie Haden
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ドン・チェリー(Don Cherry)
チャーリー・ヘイデン(Charlie Haden)
画:音座マリカ
文:泉井小太郎
Song For The Whales
ある夜
ラッパは飄々と飛び
ベースは訥々と這う
鯨のために
チェのために
海と音楽の解放のために
ある夜
ベースは跳びはね
ラッパは越境する
虹を
水平線を
鯨を人を大気圏を
耳よ
心に伝えてくれ
この星は音楽する惑星なのだ
♪
ジャズを聴き始めて最初に買ったのが、マル・ウォルドロンの『オール・アローン』とチャーリー・ヘイデンの『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』。この二枚は繰り返し聴いた。貧乏文学青年だったから、マルのは詩集のように繙き、後者は難しい大冊の評論集のように聴き込んだかもしれない。
ドン・チェリーは、相国寺を抜けた小路にあった「SMスポット」という小さなジャズ喫茶でよくかかった。『永遠のリズム』『即興演奏家に捧げるシンフォニー』など、狭い店内風景はチェリーのアルバム・ジャケットと一体の思い出だ。
『リベレーション・ミュージック・オーケストラ』でも共演した二人だけれど、後に「オールド・アンド・ニュー・ドリームス」というカルテットを結成。画像はメールス・ジャズ・フェスティバルのステージ。と言っても現地写生ではなくて、フィルム上映会の印象から。
それにしても、ドン・チェリーの姿、作者の描くシリビリビンによく似ている。(こういうひとたち→星の子シリビリビン)まあ、飄々自在、世界の音楽を駆け回ったひとだから。
♪
ドン・チェリー(Don Cherry)1936 - 1995
ポケット・トランペットをメインに、いろんな笛を自在に吹く。
かろやかに音楽のジャンルを越えていったさすらいの旅人。
チャーリー・ヘイデン(Charlie Haden)1937 - 2014
低音を響かせ、分かり易いフレージングが特徴のベーシスト。
主張が明快で、一音一音のリアリティに凄味がある。
愛聴盤
○ Liberation Music Orchestra / Charlie Haden (Impulse)
○ Soapsuds, Soapsuds / Ornette Coleman (Artist House)
○ Segments / Geri Allen (DIW)
○ mu 1-2 / Don Cherry (BYG)
○ Codona / Don Cherry (ECM)
ご来場ありがとうございました。お楽しみいただけたでしょうか。
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