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ふうら逍遥

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ふうらかんの野外写真集です。
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2020年3月の記事一覧

一遍の春

一遍上人の生誕日が1239年3月21日(旧暦2月15日)とも伝わっているので、お伴して野良へ。五年ぶりであるかもしれない。 さっそくヒメオドリコソウの小群と邂逅。後ろでは鼓草(タンポポ)が囃子を受け持ってくれる。次の群落では三味線草(ナズナ)が鳴り物を引き受けてくれた。 のらはホトケノザの花盛り。すばらしい群落があったので、一遍さんはその中へ。踊る花たち。踊る上人。 里山からはウグイスの調い始めた歌が届き、すぐ傍らの畑からはヒバリが翔け上がりながらスキャットする。 *

ふうらの春

野辺に花がちらほら、光もうららかになってくると、ああ、ふうらがここにいればなぁ、と思う。以前はいつでも一人か二人一緒だったが、重いものをなるべく持たないようにしているこの頃は手ぶらが多い。 そんな思いを二、三度して、ようやく散歩にお伴してもらった。 18日。柿本人麿、小野小町、和泉式部の命日と伝えられ、精霊の日とされている。空では、この日初めてさえずるヒバリの高らかな歌。「ゲージュツ、ゲージュツ、ゲージュツ」と聴こえてくる。ツバメは昨日渡ってきたばかり。  * 20日。