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何故「会意形声字」を認めるべきでないのか

X(旧Twitter)で漢字のコミュニティーに入っている人の中には「会意形声字は誤り」という主張に出会ったことがある人もいると思う。これはほとんど「日本の全ての漢字辞典に書いてある漢字の成り立ち」はデタラメであるという主張と同義である。 ここではなぜ「会意形声字は認めるべきでない」のか様々な角度から示していく。 なお、注意されたいのは「会意形声字は存在するか」という議論をする訳ではなく、そもそも「認めるべきなのか」という議論をすることである。 ①声符は交替する (これはW

    • 「母」の2個の点は乳房ではない

      導入 インターネットや漢字辞典で「母」という字の成り立ちについて調べると、必ずと言っていいほど、母に含まれる2つの点は「乳房」であるという記述に出会う。以下に例を示そう。 ・「指事文字です。「きらびやかに しなった腕でひざまずいている女性」 の象形に点を2つ追加したのが「母」 の漢字の由来です。(女の漢字の由来 もご参考下さい)この2つの点は、 両手で子を抱きかかえている姿とも 子供に乳を与えている姿とも言われ ています。その様子から、「子を産み、 養い育てる女性、はは」

    何故「会意形声字」を認めるべきでないのか