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2022.2.15

育児休暇を終え、今月から育児勤務として一日4~6時間ほど働いている。これがなかなか大変で、ついに今日あるプロジェクトから離脱したい旨関係者に伝えた。
別に同僚が非協力的であるとか、彼らがまったく仕事ができないとかではなく、むしろよく理解してもらっているし気にかけてもらえているし、仕事もできる人たちだと思うのだが、制度上どうしても辛くなってしまう傾向にあることがここ2週間ほどでようやくわかってきた。

まず一日6時間の勤務をするとして、6時間作業できるわけではない。
一日8時間働くのが標準であれば、少なくとも自分の周りの人はプラス2時間働いているいるわけで、残業すればさらにそのギャップが広がる。
しかも年度末に忙しくしているプロジェクトは、大抵年度初めにじっくり腰を据えて計画を練ったり、毎年のルーティン的な業務ではなく、突貫対応であることが多い。(あくまで個人の感想です。)
このような状況でどのようなことが発生するのかというと、自分がいない時間帯にプロジェクトの前提条件が変わるような大きな出来事が発生(∵突貫工事なので目的に資するタスクの細分化や仮説の作りこみが甘いことが多いため)し、メールが数十件飛び交ったのち、「○○の方針にしましょう!」となったとしても、それを知るのは次の日の朝であり、皆が変更された方針に従って作業進めている中、私は方針変更があったメールを数十件追いかけるところからスタートすることになる。
メールを追いかけて何とかなるのならまだマシなほうで、夜中にあった関係者間のミーティングで協議したことがたまたま共有されてなく、作業が手戻りになってしまい、お互いスイマセン…ッ!ってなることもある。
つまり労働時間の内、メールを読んだり電話をしたりして情報を入手するためにかかる時間がフルタイムで働いている時よりも多い割合になってしまうのだ。一日6時間の勤務をするとして、6時間作業できるわけではないというのは、こういった状況を指している。

こういうと、「そもそも方針が即座に共有できない仕組みがおかしくない?」とか、「そもそも打ち合わせ議事はすぐ作成・共有が徹底されれば解決するんじゃない?」とか、「スラックの重要性が理解出来てないんじゃない?『欠乏の行動経済学』読んだ?」とか毒にしかならないそもそも論をかざしたくなるのだが、そもそも今は突貫工事ゆえの繁忙期である。皆残業しており、何なら私が時短勤務しているがゆえに、それでも文句ひとつ言わずリカバリーで働いてくれている人たちも多い。
そんな人たちに向かって「仕事の仕方イケてないっすねwww」なんて到底言えない。イケてない仕事をしちゃうぐらい疲れているのが根本的な原因だが、今立ち止まるということはみんなして仕事をだめにすることなのでそれもできない。

仕方なく多少の不合理はあっても強攻するわけだが、残業して労働時間を増やして対応できる人と、時短勤務せざるを得ない人ではその影響の程度は上述のとおり後者のほうが大きくなることは火を見るよりも明らかであり、ただでさえ短い勤務時間がさらにコミュニケーションコストに消えていく。
さらに手戻り作業の発生等々で仕事のペースも遅くなる。するとそのことをプロジェクトを受け持っている担当者に報告し、ヘルプを出してもらうとかやってるとさらに返事しなきゃいけないメールが増え、電話も増え、さらに作業時間が減り……みたいな感じになる。
(当然ここでも、「担当者が各作業者の状況をタイムリーに把握できていないのが悪いのでは?」とか、「ヘルプお願いするのは担当者で完結する仕事でしょ?」とかの正論は当てはまらない。正論が当てはまるような状況であれば前提からしてトラブルは発生しえない。)

その結果、プロジェクトに参画することがかえって足を引っ張ってしまうこととなり、スケジュールはこれ以上ないぐらいおされ、ひどい場合だと泣く泣くスコープ調整や掛け持ちしているプロジェクトの遅延となってしまいかねない事態となる。
冒頭で示したプロジェクトの離脱を訴えたのも、「本当にコレ間に合うのか……?」と思いつつあり、またこの状況の解決として最も効果的なのはプロジェクトの担当者の負荷を下げることだと思うので、もう限界っす無理っす勘弁して下せえとだけ伝えて(∵上記のような説明をする時間さえないため)、抜けさせてもらった。

育児休業に入る前に引き継ぎの準備を怠ったわけではない。今の視点から見て準備が不十分だった箇所がないかと言われるとないことはないのだけれども、当時考えられうることはすべて考え、ベストを尽くしていたと思う。
育児休業中の間に発生した方針変更が原因でてんやわんやしているので、仕方ないといえばそれまでだけれど、やはり引き継いでくれた同僚に対する申し訳なさと、自分で仕事したかったくやしさみたいなものがある。

当のプロジェクトは、年度末に忙しくなることも私が育児休暇&育児勤務となることも百も承知で私自身が受注すべきだと周囲を説得して受注したプロジェクトでもある。今後の商売の行く末からこれを受注すれば今までとは異なる方向性の業務のきっかけとなり、売り上げを支える主たる別路線の業務になりえるかも……と考えた末の受注だった。同僚たちも理解を示してくれた。
なのでなおさら、もっとうまいことできんかったんやろか……と思うところが多い。本当に多い。

とはいえいつまでも悲しい気持ちに浸っているわけにもいかないので、今持ってる業務はスケジュール通り完遂できるように工夫するしかない。明日は久しぶりの出社なので、仕事引き継いでくれた人には改めてお礼でも言わなきゃいけないな。と思う次第。

ちなみに同僚たちの超人的な努力のおかげもあって、育児休業&育児勤務は難なく取得でき、私の育児スキルはめきめき上達した。母乳を出す以外なら大抵のことができるようになった。
でもどうしてもお風呂に入れるのだけは二人でしかできない。Youtubeでワンオペでお風呂に入れているのを見たりしたが、スゲェ…ッ!ってなる。
世の男性はもっと育児参加すべきといわれる昨今だが、むしろ参加しないでどうやってやりくりしてきたんだ?と思うことが多い。子供がカワイイのはそりゃそうとしても、カワイイで乗り切れるほど一人で面倒見きるのはとてもしんどい。家庭の事情は様々で他人が口出すのもんじゃないとも思うけども、やっぱり一人で面倒見るより二人のほうが絶対楽だ。(良いかどうかは別として。その判断基準は常識の範囲内で個々人に帰せられるべきだとも思う。)

朝ご飯を食べながら、娘のしぐさの話を妻とするのが最近の日課になっている。伸びをするときに腕は伸びてるけどつられて足が上がってきちゃってトータルで伸びてないとか、最近よく笑うようになったとか、どれだけギャン泣きしても母乳orミルクでスッと落ち着いてくれる様のものまねとか、話題に尽きない。

娘のためにも、仕事でうじうじしている様はそうそう見せれたもんじゃないなあと書きながら考えた。

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