間違いなく良品。ただし同封品のみ難点。

修業時代から愛用させていただいていたが、独立してからは経営も苦しく、安い代替品を用いていた。しかし徐々に商売も軌道に乗り始め、また先代が亡くなられご子息が跡を継がれたとのこと、初心に帰る気持ちで当商品を購入した。
まずその風体。透き通るような白色と粒感が若干感じられる輝きは、先代の仕事をしっかりと引き継いでらっしゃると感銘を受けた。最近は機械化の波もこの業界に押し寄せ、添加物も多く粒度も感じない極端な微小化工程により、くすんだ砂のようなものが横行しているが、やはり除霊に臨むにあたり背筋が伸びるようなお清めの塩は欠かせない。
次に触感。見て分かる粒感とは打って変わり滑らかな感覚。気を抜くと指の間からすり抜けていくような危うさがある。塩を振る際、いかに手元の量を稼げるかなど、俗っぽい指標の議論が流行っているが、これから悪霊に立ち向かわんとするもの、身の危うさを所作から構えるべきではないだろうか。この商品は業界への強い信念が表れているものと小生は考える。
さらに飛距離。強く握られた径の大きい塩は、慣性力が効き飛距離も他の追随を許さない。多対除霊においてはお清めの塩の効果範囲の大きさはまさに命とりであり、その意味でも本商品は目を見張るものがある。
ここまで一般的な除霊におけるポイントを踏まえたレビューだが、あえてここで有志によるベンチマーク評価の結果も踏まえたい。小生としては除霊師個人の力量によるところが大きい項目を、定量的な指標に基づいた評価で甲乙つけることには懐疑的な立場であるが、異なる立場から見ても本商品が優れていることを示したいものである。
まず最も一般的な一振りあたりの空間除霊密度だが、伯〇の塩が0.1R/m³、ア〇シオが0.25R/m³であるところ、本商品は1.5×10⁵R/m³と脅威的なスコアとなっている。(なお測定には、除霊工学学会発行の効果測定における信頼性確保のためのガイドライン記載の手法に従ったとのこと。)これはヒマラヤの岩塩に相当する値であり、価格を考慮すると高品質であることは間違いないだろう。
さらにFFRは180、ピーク除霊速度は2.8×10³R/sを誇る。これらの値は業界最高値であり、一般にハイエンドモデルと言われるボンネビル・ソルトフラッツの塩をも上回る。
性能、使い心地共に文句なしの丁寧な仕事ぶり、代々受け継がれてきた家業をまっとうに、そして真面目に受け継いでこられたことを商品を通し感じることができるが、一点のみ難点がある。
本商品は同封されている手紙があり、ご子息の思いがつづられているのだが、これは商品価値を著しく下げてしまう。代々の家業に対する思い、早くして旅立った先代への思い、低迷する除霊業界への思い、どれも嘘偽りない正直な言葉で綴られているが、強すぎる思いは塩に残留思念が残り除霊に使えない。このため、いったん商品を開封してから手紙をお焚き上げし、塩を純化するために10日間の護摩行が必要となる。これらの手間を考慮すると、商品購入のコストを大きく上回ってしまうため、除霊業としては赤字だ。
彼の思いはよくわかる。小生もこの業界で約25年、思うところも多々ある。何なら彼に同調するところも多い。しかし商品価値を毀損するような行為は、仮にその思いが正しいものだったとしても、決してやってはいけないことなのだ。
よって本商品の評価としては星一つとなる。彼にとっては厳しいものとなるが、応援の意味も込めてこの評価としたい。今後のご活躍を祈念する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?