自由民主主義 vs. 共産主義?

ツイッターを眺めていると、この二つが対立しているかのような言説をよく目にし、違和感を覚えています。

そもそも、民主主義とは政治の話で、共産主義は生産の話。次元の違う話を同じベースで話しているので混乱するのだと思います。対立するなら、民主主義vs.専制主義(独裁とか全体主義も入るでしょうか)、共産主義vs.資本主義です。ナチス時代のドイツや帝国時代の日本を見ればわかる通り、ファシズムと資本主義は両立します。同じ理屈で、民主主義と共産主義も両立します。私にはどちらかと言えば、労働者に生産の主体性がある共産主義よりも、資本を集中して生産する資本主義のほうが専制主義に親和性があるように見えます。

共産主義が独裁と結び付けられるようになったのは、間違いなく、ソ連(ロシア)と中国のせいです。マルクスがスターリンに怒っていたのは有名な話です。今の中国とロシアは、労働者が生産の主体ではありません。党幹部や一部の資本家が生産活動を牛耳っています。これは本来的な共産主義や社会主義ではありません。言うなれば、市民革命といいつつ、ただのブルジョア革命だったにすぎない明治維新のようです。

では、日本共産党はどうなのでしょう?

自分も一度読みましたが、至極まっとうだと思いました。どこにも独裁を匂わせるものはなく、むしろ民主主義を追求しようとしています。

対して、こちらが自由民主党の憲法改正案です。

つまり、資本主義=民主主義、共産主義=独裁主義という構図は必ずしも成立するわけではないのです。

現在、自由民主党の総裁選の最中です。極右の総裁、首相が誕生するかもしれない危機的状況です。日本が後進国になるのか、先進国の端っこに留まることが出来るのかの瀬戸際です。今は勝ち負けとかプライドとか自分が右か左かとかすべてを脇に置き、ニュートラルに情報を集めて判断すべき時です。子供や孫の世代のために。

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