『呼び声』終幕!
『呼び声』をご覧になった方も、ご覧になっていない方も。私は六分儀ハル、演劇『呼び声』の脚本家です。このnote、または『呼び声』に興味を持ってくださりありがとうございます。せっかくなので少しだけ、脚本について補足したいと思います。要は追加DLCです。
ここで長々と「あの話にはこんな意図が云々」と語るのは興ざめですので、このnoteには『呼び声』を作るにあたり参考になったものを列挙しようと思います。興味がありましたら、ぜひ調べてみてください。
オマージュ・着想元
午後の恐竜(小説)
→ミサイルによって滅ぶ直前の地球(全生命)が走馬灯を見る
わが星(演劇)
→消滅した星を見ていた描写
ラナウェイベイベ(演劇)
→主要キャラクターの突飛な登場シーン、「血だ」の引用
天の敵(演劇)
→フラッシュによる場転、回想による時の遡り
惑星ナイン(小説)
→惑星最後の一人が、かつてこの星に生きた人々をコールドスリープから起こし過去の話を聞く
千年女優
→回想を聞くうちに、だんだんその回想に巻き込まれていく主人公
箱舟はいっぱい(漫画)
→彗星が衝突する直前の地球、「風が吹いてきた」というセリフ(午後は嵐だ)
終末の惑星(漫画)
→隕石が衝突する直前の地球、「役目を終える地球を見届けたい」という看守
宝石の国(漫画)
→人類とは発祥の異なる無機生命体、無機生命体を愛した博士
スターウォーズ(映画)
→「遠い昔、はるか彼方の銀河系で...」引用
イザナキとイザナミ(古事記)
→「1000人殺しても1500人生まれる」引用
シェイプレス・チーズケーキ(演劇)
→キャラクター(賢者の石)や海水を汲むシーンなど着想
ザ・コア(映画)
→なんでもボイスレコーダーに記録する宇宙飛行士、最後はレコーダーを手放す
ファイアパンチ(漫画)
→最終盤、自分の名前は忘れても、『誰かのために地球を温める』という役割は覚えているヒロイン
宇宙から恐怖がやってくる!地球滅亡9つのシナリオ(小説)
→だいぶ昔に読んだのでうろ覚えだが、地球の滅亡シナリオが九つ語られた後に「宇宙の滅亡後、新たな宇宙が生まれるシナリオ」が続く。「宇宙から希望がやってくる」という文言で乄られていた気がする。
風の谷のナウシカ(漫画)
→火の7日間の前の古代人が「未来に残すべきもの」として音楽や芸術品を集めた場所(庭)が登場する。ナウシカが「技術では無いのか」と問いかけると、庭の主人が「人類はこれしか価値のあるものを残せなかった」と返す。本当に?美しいものよりも、むしろ失敗を記録として残した方が役に立つのでは?と思い、本編に反映させた
不思議惑星キンザザ(映画)
→砂ばかりの惑星、奇天烈な挨拶、男二人の奇妙な友情...オマージュと言いたいところだけど、脚本完成後に見たので他人の空似。でもとても面白いので見てほしい。
他、星新一、猫の地球儀、砂の惑星、ダンジョン飯など
参考にした風俗・歴史
補陀落渡海
タスキギー梅毒実験
SETI計画
名前の由来
ヒュマ
→ヒューマン
アトラス号
→ギリシャ神話のアトラスより。アトラスは戦いに負け天空を担ぐことになった神様で、名前は「支える者」「耐える者」「歯向かう者」を意味する古印欧語に由来する。(Wikipedia引用)
エレクトラ
→アトラスの娘、悲しみから彗星になった。同名の小惑星が太陽系内に存在する。
いかがでしょうか。今作は比較的安産でしたので、話を作るためにインプットを爆増〜などのステップは踏んでいません。
こうして見ると脚本って食べたものからできていますね。これからも色んなものを摂取して、もっと面白い脚本を生み出せたらと思います。
六分儀ハル
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