クソゲーオブザイヤーで選評を書いてた私が思う「クソゲー」の基準
クソゲー
という言葉はあれど、
どの程度からがクソゲーなのか
というのは人によってだいぶ異なる。
ちょっとつまらなかったりすると「クソゲー」という人がいたり、
逆に「クソゲーなんてこの世にはありません!」という人がいたりするが、
これには私は両方に異議を唱えたい。
どちらも本当に酷いゲームを味わったことがないからこそいえるセリフだと思うためである。
一回やってみればそう簡単に「クソゲー」とは言えないし、「クソゲーなんてありません!」という人には私がセレクションしたクソゲーをやらせてみたいものである。
私が「クソゲー」と言うときのハードルは、一般人と比べるとかなり高いほうだと思っている。
なぜならば私は実際に酷いゲームをいくつも味わったことがあるからである。
合わせてクソゲーオブザイヤーにて選評を書いていたこともある。
最初に書いた選評はこちらの選評1のほう。
今見ると結構恥ずかしい。
そんな私が思う「クソゲー」の基準は、
楽しませようという意思を感じるか否かである。
文字だけで言っても伝わりにくいので、この記事ではいくつか例を出しながらその基準を示したいと思う。
なおこれはあくまでも私個人の基準である。
クソゲーオブザイヤーで扱うクソゲーの基準では断じてないことを了承していただきたい。
ファイナルソードはクソゲーではない
※ここで述べる感想は発売停止になったほうのバージョンである。現在販売されているDefinitiveEdition版ではないことに注意。
なお私はこちらまで買う気はない。
ここ数年で「クソゲー」だと一番騒がれたゲームといえば、このファイナルソードであろう。
だが、私の基準ではこれはクソゲーではない。
あえて言うならば「駄ゲー」といった方がしっくりくると思っている。
確かにこのゲーム、キャラクターなどのオブジェクトはアセットストアのいろんなものをごちゃまぜにしたもんだから、統一感がないので非常にチグハグである。
グラフィックがそんな状態な上、演出面もこれまた迫力がない。
さらに操作感も正直に言って悪い。全体的に動作が遅いうえに慣れないと思った方向に攻撃できない。
もっと言えば戦闘のバランス調整も甘い。
だがマップ地形は雑には作られていない。
これで簡単に壁抜けできてしまうようならクソゲー待ったなしであったが、
そう簡単にバグが起こったりすることはないのだ。(あるにはあるけど)
更にマップつながりで注目したいのは宝箱だ。
フィールドやダンジョンをうろついているとそこそこな頻度で宝箱があるのだが、この宝箱の位置がいい。
「ここに何かあるだろ」とプレイヤーの期待を裏切らない箇所にちゃんと宝箱が置いてあるのだ。
この点は非常に高く評価したい。
家の裏やフィールドのくぼみなど、いかにも隠しやすいところに
ちゃんと宝箱が置いてあるというのは素晴らしい。
またストーリーも特別悪いものではないし、サウンド面も(違法アセット云々は置いておいて)雰囲気は出ている。
操作感も悪いとは言ったが、ちょっと癖をつかめば許せる程度のものである。だからこそRTAをやっている人がいたりするわけで。
少なくともゲームをプレイした人を楽しませようという努力は(一応)見えるのだ。技術や表現力が追い付いていないが。
なのでこのゲームをプレイしたとき最初に思ったのは、
「このプロトタイプから徐々にブラッシュアップしていくんだろうなーと思えるような未完成品」であった。
なので「クソゲー」だとは私は言えない。少なくとも「ゲームである」と言えるからだ。
Dungeonoid(ダンジョノイド)はクソゲー
こちらのゲームは、ゲームブロガーのラー油さんの記事で知ったものだ。
記事タイトルから見てわかる通り、ラー油さんはこのゲームに対して「酷い」と言っているので買ってみた。
そしてやってみた結果本当に酷かった。私としては「クソゲー」認定である。
まずこのゲームは基本はブロック崩しである。
通常のブロック崩しとは違い、ブロックをすべて崩す必要はない。フィールド上にある扉に弾が行けばクリアである。
まず酷いのがバーの動きが遅いこと。
初期の弾の速度でも角度によっては追いつけない。
そのくせブロックがバーに近いところに配置されているステージが非常に多いため、変な当たり方をすると確実に1ミスである。
更にギミックが全体的に酷い。
このゲームは「RPG+ブロック崩し」とうたっており、ステージ上には確かにRPGで出てきそうな敵がいる。
この敵は時々攻撃を行い、当たると状態異常になる。
状態異常とは、上記のアイテム説明画像の下三つが該当する。
どれもこれも困りものなうえ、先に述べたバーの移動速度の問題も相まって、食らうとほぼ1ミスである。
更にこのゲームはリトライ時の弾の発射タイミングは選べない。
そのため酷いときは状態異常が解除されないまま発射されそのままさらにミスが続くこともあった。
更に酷いのがステージ構成。全体的に悪意しか感じない。
細い隙間に弾を入れる というのはブロック崩しあるあるだが、このゲームでは序盤から終盤までそれを何度も要求してくる。
逆にオーソドックスなステージが来たかと思えば、突然始まるタイムトライアル。
タイムトライアル面はすべてのブロックを時間内に壊しきらないと1ミス扱いになる。
当然のごとく破壊しにくいうえに制限時間も渋いのでクリアするのは至難の業と化している。
また途中から出てくるマンドラゴラも酷い。
こいつは時間がたつと色が変わり、弾をぶつけると色が固定される。
これをステージ上にいるマンドラゴラすべて同じ色にしないと倒せない。
これはブロック崩し(のはず)である。
そうそう狙った場所に何度も打てるはずもなく。
揃えるのに失敗するとまた色が変わりやり直しになる。なのでそろわないと延々と続ける賽の河原と化すのだ。
このようにこのゲームはブロック崩しができないブロック崩しであり、プレイヤーに楽しんでもらおうという心遣いは全く感じない。
難易度が高いゲームというのはあれど、そういったものはクリアの道はちゃんと示されていたり、別の爽快感があったりするのである。このゲームはそもそもブロック崩しをさせてくれないのでそんなものはない。プレイヤーにリスクだけ掛け過ぎてリターンが少なすぎるのだ。
ゆえに「クソゲー」である。
ローカライズ元のスターサインは本当にクリアしたのかと問いたい。
このやる気のないローカライズも含め、
何故ローカライズしようとしたのか。
同じくブロック崩しのジャンルでクソゲーといえば、2010年のクソゲーオブザイヤー携帯機のほうで大賞に輝いた「ハローキティといっしょ!ブロッククラッシュ123!!」(通称:覇王鬼帝)があるが、
このゲームをやっていると、当時覇王鬼帝をプレイした記憶が蘇るほど酷いゲームであった。
あちらと違ってブロックに当たって反射した弾が変な方向にすっ飛んだりはしないが、バーの移動速度が遅いのと弾を自由に発射できない仕様によりどっこいどっこいである。
覇王鬼帝の酷さがわかりやすいと思う動画。
3:00~から本気
楽しませようという努力が見えるなら評価したい
私は結構甘い性格である。全体的に酷かろうとも「ここはいいな!」というところがあればそこを誉めたい。
だがゲームは娯楽である。娯楽である以上、何か楽しめる要素がないといけない。それが感じられないならば「クソゲー」であると思う。
あと当然ではあるが、実際に遊んでみないと楽しませようという感覚があるかどうかはわからない。
なので私は遊んでいないゲームにクソゲーとは言わない。
「クソゲー」という言葉に対する一つの基準として認識していただけるとうれしい。
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