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[要旨]

1月10日から、ゼロゼロ融資の借換のための保証制度の取扱が開始されます。この保証制度の要件は、売上減少5%以上と、比較的緩いものなので、ゼロゼロ融資の返済が当初の予定通りに行うことが難しいと考えている会社では、借換を申請することで、資金繰を安定化させることができると思われます。

[本文]

昨年12月23日に、中小企業庁が、「民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)を開始」すると公表しましたので、その概要をご紹介します。この制度は、1月10日から取り扱いが開始されるようです。制度の概要は、(1)保証限度額:1憶円、(2)保証期間:10年以内、(3)据置期間:5年以内、(4)金利:金融機関所定、(5)保証料率:0.2%等(補助前は0.85%等)、(5)要件:売上または利益率が5%以上減少など、(6)その他:100%保証の融資は、100%保証での借換が可能、経営行動計画書の作成、金融機関の継続的な伴走支援、などです。

これらの概要は、「要件」と「その他」を除き、令和3年4月に開始された、伴走支援型特別保証制度(伴走保証)と、ほぼ、同じです。一方、「要件」は、伴走保証が「売上減少▲15%以上」と比較して、緩和されています。また、当然のことながら、ゼロゼロ融資を借換できるという点でも、使いやすくなっていると思います。一方、伴走保証と同様に、コロナ借換保証も経営行動計画書を作成し、3か月ごとに銀行、信用保証協会に経過を報告することが要件になっているようです。これについては、計数に基づく計画書を作成したことがない会社にとっては、負担になると感じられるかもしれません。

でも、業績が悪化している状態から回復させるためには、計画的な活動は欠かせませんので、融資を受けるために必要になると考えるよりも、自社自身の業績を回復させるためには欠かせないものと考えるべきでしょう。では、このコロナ借換保証は、どんな会社でも承認してもらえるのかという点については、ゼロゼロ融資のときよりも厳しいかもしれないとは思います。しかし、その一方で、この制度は、借換保証なので、承認しなかったとしても、すでに保証しているゼロゼロ融資は残っているわけですから、既存の融資の確実な返済を促す観点からは、高い割合で承認されるものと考えています。

そこで、ゼロゼロ融資の元金返済を、当初の予定通り行うことは難しいと考えている経営者の方は、このこコロナ借換保証を利用することをお薦めします。なお、コロナ借換保証の保証料や金利については、自治体から補助があることも考えられますが、現時点では、ゼロゼロ融資よりも負担が大きいと考えられます。ただ、その額はあまり大きくはないと思いますので、資金繰の円滑化のためには、コロナ借換保証を利用する方が賢明と言えるでしょう。

2023/1/4 No.2212

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