数字に強い社長になるポッドキャスト 第577回 コロナ関連資金繰支援策の概要

この番組は、数字がちょっと苦手な中小企業経営者の方が、数字に強くなって業績をばりばりあげてもらうための応援番組です。

今回は、この番組の制作者である、中小企業診断士の六角が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への、資金繰支援策についてご説明いたします。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業への資金繰支援策としては、まず、信用保証協会の保証では、2月にセーフティネット保証4号・5号で別枠2.8億円、3月に危機関連保証で別枠2.8億円を利用できるようになりました。

ちなみに、それぞれの保証を受けられる会社のおおよその要件を説明すると、セーフティネット保証4号の認定を受けることができる会社は、売上が前年比20%以上減少した会社、5号は対象587業種で売上が前年比5%以上減少した会社、危機関連保証は、売上が前年比15%以上減少した会社です。

政府系金融機関では、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付が、国民生活事業で6,000万円、同公庫の中小企業事業で3億円を利用できるようになりました。

これに加えて、商工組合中央金庫の危機対応融資1億円を利用できるようになりました。

ただし、中小企業の多くは、信用保証協会の一般枠の、無担保保証8,000万円を使い切っていることは、ほとんどありません。

なぜならば、中小企業庁の公表している、平成30年中小企業実態基本調査(平成29年度決算実績)によれば、調査対象の中小企業約145万社の1年間の売上高の平均は、約3.5億円であり、販売費及び一般管理費の平均は、約7,500万円です。

さらに、調査対象の約88%を占める、1年間の売上高が5億円以下の会社だけで見てみると、売上高の平均は約9,600万円、販売費及び一般管理費の平均は、約3,600万円です。

実際にはそのようなことは起きませんが、極端なことを述べれば、多くの中小企業は、4,000万円の融資を受けられれば、1年間、売上がなくても会社を維持できます。

このようなことから、多くの中小企業が、新たな融資を受けようとする場合、信用保証協会のセーフティネット保証の無担保枠8,000万円か、日本政策金融公庫国民生活事業の特別貸付6,000万円のいずれかで、十分に間に合います。

さらに、日本政策金融公庫国民生活事業では、3,000万円を限度に、当初3か年は基準金利が0.9%引き下げられて0.21%になり、その融資利息も、3か年分を利子補給が受けられる予定であり、実質無利子になる見込みです。

現時点で、利子補給の手続きは明確になっていませんが、要件を満たしていれば、後から遡って適用できるので、現時点で、申し込みをしても、実質無利子の融資を受けられます。

ただし、日本政策金融公庫は、現在、混みあっており、承認を得るまでに時間を要しているので、民間金融機関を通して、セーフティネット保証もあわせて申し込んでおくことをお薦めします。仮に、両方の融資承認が得られても、いつでもいずれかの取り下げは可能です。

もしくは、セーフティネット保証だけを最初から申し込む方法もよいと思います。

なぜならば、セーフティネット保証等についても、現時点では詳細は明確になっていませんが、3,000万円を限度に、当初3か年分の融資利息は、利子補給によって実質無利子の融資を受けられるようです。

また、信用保証料も、全額、または、半額が免除になるようです。

ただし、セーフティネット保証等の利子補給の申し込みの仕方や条件、信用保証料の減免の条件、これらが遡って適用されるかどうかは、現時点では明らかではありません。

ただし、自治体によっては、すでに自治体独自の支援策として、利子補給による無利子化、信用保証料の全額補助を行っているところもありますので、自社の所在地の自治体へお問い合わせすることをお薦めします。

なお、一部の自治体では、セーフティネット保証の認定を受けるために、1か月程度先まで予約が埋まっているというところもあるようなので、こちらも、早めに認定を受けることをお薦めします。

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