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会社の姿勢で銀行の姿勢も変わる

先日、税理士の大久保圭太さんが、大久保さんのポッドキャスト番組( https://bit.ly/3bQVy0g )で、「コロナ関連の融資を受けるときは、当然、自社は業況が悪くなっているわけだから、初めて取引をする銀行には断られてしまうので、既に融資取引がある銀行に申し込みをせざるを得ない」とお話しておらえました。大久保さんのご指摘はごもっともなのですが、あえて大久保さんがそのようなご指摘をされるということは、逆に言えば、銀行と疎遠な関係にある会社が多いということを、大久保さんが見てきているということなのでしょう。

私も、中小企業の資金調達のご支援をしてきて、同様のことを感じます。というのは、融資を受けたいときだけにしか、銀行に行かない経営者の方は、意外と多いということです。その理由はひとつだけではないと思いますが、その最大の理由は、恐らく、銀行が苦手ということでしょう。そのような会社は、銀行から見ると、「都合のいい時だけ銀行に頼ってくる会社」と写ってしまいます。

ここで、「銀行は晴れの日に傘を貸し、どしゃぶりの日に傘を取り上げる」という揶揄を思い浮かべる経営者の方も多いと思いますが、自分の都合のいいときだけ銀行を頼ろうとする会社は、銀行からも「晴れの日は銀行には来ないのに、どしゃぶりの日だけ傘を借りに来る」と写るのです。ただ、ここで述べようとしていることは、「銀行も融資を受ける会社も、お互いさまだ」ということではありません。すべてではないのですが、一部の会社経営者の方は、銀行に対して、「中小企業が資金繰に困っている時、それを助けるのが銀行の役割なのだから、あまり細かいことを言わずに、とにかく融資をして欲しい」という態度で、銀行に接していることがあります。

だからといって、銀行に対してへりくだったり、特別な気を遣う必要はありません。けれども、「こちらが困っているから、それを助けることが当たり前だろう」という姿勢で接していれば、銀行職員も、その程度にしか自社に協力しようとしないということです。このことは、以前、「円環的対応」という言葉で説明しましたが、相手の自分への反応は、自分の相手への反応に左右されている面があります。このことは、多くの方が理解されておられると思うのですが、そのような事例を、まだ見ることがあるので、今回の記事に書くことにしました。

そして、もちろん、このような関係性は、コンサルタントである私にとっても、顧問先との関係にも当てはまります。銀行職員が融資相手の経営者との関係にも当てはまります。そして、こういう時だからこそ、「他山の石もって玉をおさむべし」という姿勢が大切だと思います。なお、当事務所では、新型ウィルス感染症の影響を受けた会社さまからのご相談については、電子メールでのみ、無償でお受けしておりますので、ご希望の方は、こちらからお寄せください。→ http://yuushi-zaimu.net/contact/

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