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いいトコ取りFINANCE~PL(損益計算書)と利益


世界には今3つの共通言語があると思います。

1.英語: Communicationの共通言語
2.Programing言語: 情報技術社会の共通言語
3.Finance: ビジネスの共通言語

自分のキャリアも思い返すと割とこの3つの言語をこれからの時代の柱の言語だと考えて歩んできたし、中でもこの3年近くを費やしてきた、Financeの世界を少しでも皆さんと身近なものにしたいと思ってFinanceの事について書きたいと思います。

正直Financeを学ぶまでは、PL/BS/CFって?現在価値?貸方、借方?みたいにちんぷんかんぷんな事がかなり多かったです。(今もめっちゃ多いです。)

Financeって確かに取っ付きにくいし、知らないからなんとなく難しそうだったりするけど、実は知ってると役立つし、案外簡単じゃん!みたいなところも多いんです。

ど素人だった時のフレッシュな疑問は徐々に消えてきているので、それを覚えているうちに、複雑な会計の話は専門家に任せたいけど、大枠では理解したい、そんなビジネスマンのためのNoteを書きたいと思います。
*Finance畑の方なんかは微笑ましい気持ちで温かく見守ってください(Feedback大歓迎です!)

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まずは、基本的なところからここらへんはちょっとつまんないし、知ってるよって話だけど、おさらいくらいにはじめたいと思います。

Financeと言えば、決算や財務諸表というイメージがあると思うのですが、そもそも最も基本の財務諸表を3つ皆さんは分かりますか?
また、それぞれがなんの為に存在しているのか?ぱっと聞かれて何をみなさんなら思いますか?

ってことで、まずは財務諸表のそもそもの目的を最初はおさらいして見ましょう~

ここでなんとな~くよく言われる、
BS,PL,CFでいったい何を見ているのかは分かったと思います。

今回はそんな財務諸表のPL(Profit and loss statement)の特に利益に焦点を当ててみたいと思います。(ようやくタイトルに迫ってきた。)

PLは特に売上、費用、利益の計算、及び会社の収益力を見るのに優れていると上記の図では説明されるように、ざっくりと売上、費用、利益の関係をまずは理解してみましょう。

利益とは、PLで言う所の、売上-費用で計算されます。

利益=売上-費用

この大前提は常に頭の中に入れておきましょう。
初見でPLを理解する時に混乱をしてしまう理由は、PLを売上(収益)、費用、利益の捉え方が出来ていないことが多いのかなとおもいます。

裏を返せば、基本的な作りは
利益=売上ー費用
このシンプルな引き算の世界だと理解できるだけで簡単なんです。

ではでは、いよいよPLの作りを見ていきましょ~

上の図が、売上高が純利益になるまでの流れです。

さて、こうやって見ると色々と気づきがあるとは思うのですがいかがでしょう?(折角なのでスクロールする前に自分で作りの気づきを30秒くらい考えてみてください!)



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ここで皆さん当然のようですがおさらいです。
基本的にPLは売上、費用、利益の3つにすべて分類出来てしまいます。
すると気づくのが、普段何気なく使用している利益という言葉が4つも出てきてます。(本来は経常利益も入れるべきでしょうが、いいとこ取りなのでなるべくシンプルにして割愛します。)

そうなんです。
実は企業にとっての利益の考え方は複数存在するのです。
しかも同じ利益でも売上高総利益と純利益では全然大きさが違うんです!!

ではいったい何が違うのかも本記事では簡単に説明していきたいと思います~


① 売上高総利益(粗利)=売上高ー売上原価すごいざっくり計算の利益です。(粗利だけに)
これは企業の売上から売上原価(商品を製造、仕入れるのにかかる費用)を引いただけのざっくり計算だと考えてください。

そりゃもちろん細かく計算したほうがわかる部分も多くありますが、この粗利という考え方は非常にシンプルで、その場で計算できてしまう使い勝手のよさが利点です。

また、少し言葉を言い換えれば、その商品(サービスやプロダクト)単体を作る費用を売上から引いただけなのでビジネスの付加価値の大きさを表しているともいえます。

粗利の時点で利益が厳しいビジネスはビジネスとしての付加価値が低いため、モデルを検証する必要性があるかもしれません。

そういう点でもビジネスモデルの検証にも最も使いやすく、案外重宝します。



② 営業利益=売上高総利益ー(販売費及び一般管理費+研究開発費)
会社の本業で稼いだ利益が営業利益です。
言葉そのままですが、まさに会社を営業する事で稼いだ利益です。

上の粗利が商品単体の付加価値だとしたら、会社が商品を売るのために掛けているお金を販売費及び一般管理費といいます。

・例えばCMを打ったり(広告費)
・人を雇ったり(人件費)
・オフィスを借りたり(テナント料)
・会社によっては研究したり(研究開発費)
※研究開発費は売上原価に含む場合もあるけど今回は割愛!

これら全部なんのお金なんだっけ?っていうと会社が本業で稼ぐために使った原価以外のお金だと思ってください。すると、営業利益はその裏返しで、本業で出した利益ということになります。

営業利益のいい所は沢山あるのですが、純粋に会社でコントロールしてる費用(Cost)はほとんどここに現れてくるので、事業会社でまずPLの改善を考えた時に普通のビジネスマンにとって一番とっつきやすいのはここです。

販売費及び一般管理費の内容を少し細かくみて、それぞれの費用の妥当性を見ていけば大体の会社で、コストセービングの可能性は見えてくるかと思います。



③ 経常利益=営業利益+営業外収益ー営業外費用 <※無視してOK>
営業利益は売上から本業に関わる費用を引いたものでした。
ただ企業によっては本業以外からも収入や支出があります。
本業以外の損益を営業外収益・営業外費用といいます。営業利益から本業以外の損益を加えたのが経常利益です。

正直ここら辺は、もちろん知ってたらよいことですが、ぶっちゃけいいとこ取りするなら後回しでいいと思います。(そんなものもあるんだなぁ~くらいに流しましょう!)

一応気になる人もいるかも何でさくっと説明だけすると。
営業外収益には株(有価証券)とか、費用には銀行から借りたお金の返済利息の支払いなんかが当たります。




④ 税引前純利益=経常利益ー特別損益 <※無視してOK>
毎年発生する損益だけでなく、一時的に発生してしまう利益や損失もあります。たとえば、不動産を売却したりとか災害があって損失が出たり。これらを特別利益・特別損失といいます。これらの損益を経常利益から引いたのが、税引前利益です。

ここも基本的には、いったんスキップでオッケーです!
会社でOne timeな収益や費用を最後に調整するってのが頭のどこかにあってもなくてもそんなに人生は変わらないと思います。




⑤ 純利益=税引前純利益ー法人税等
税引前の利益から、支払う税金の額を引いたのが純利益です。
これが、企業の最終的な利益です。
簡単に言うと、会社の黒字、赤字はこの数値が黒いか赤いかで決まります。
また、この純利益がこの後の株主への配当金や、翌年以降の投資へ回っていきます。


会社にとっての最終結果が純利益だからこそ、この数値が赤くならない限りは、一応会社としての収益力はまだ存在している状態といえます。


ただ、ここでも産業、見る視点や会社の戦略によっても利益の考え方は本当に複数あるものだと思うので、あくまで大事なのは上に記載した利益それぞれの持つ意味を抑えて、自分の必要な視点で見れることだといえます。



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では、上のPLのつくりとそれぞれの利益でいったい何を示すのかが分かると何がいいとこ取り出来るんでしょうか??

例えば、
どこがその企業のBusinessのCore部分なのか?
その企業がどこに今注力しているのか?(お金を使っているのか?)
どのような産業なのか?(産業傾向はなんなのか?)
自分が経営者ならどこの費用を削る?とか
兎に角色んな妄想が膨らみます。<これが割と楽しんです>
たった一枚の数値の羅列から数多くの情報を読み取ることが出来ます。

ここまで読むのに10分くらい使わせてしまったので、最後に少しは上に上げ
たFinaceの世界を皆さんにも見せたいです。

って事で、最後はPLを比較してみましょう~

※2017年度のPLです・・・トランプさんの税制改革の影響をもろ受けしてる会社なんかもありますので、Extremモードですが、折角なのでチャレンジしてみてください(笑)

さて、上記のA社B社C社は、<J&J,Toyota,Google> 
D社E社は、<Walmart,Coca Cola>のうちのどれかです。
各社のPLを全て同じ売上規模にならした時のPLが上になります。

ちなみに、直接IR資料から更に読みたいという猛者の方の為に、各社IRのLinkも下記に記載しておきます。

Walmart 2017

Toyota 2017

Google(Alphabet) 2017

Coca Cola 2017

Johnson and Johnson 2017

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