【伊谷賢蔵】 油彩 「メキシコの夕立」 査定 鑑定 買取 致します
伊谷 賢蔵
メキシコの夕立
1964年 キャンバスに油彩 F12号
◎ 伊谷 賢蔵の芸術
伊谷賢蔵（1902-1970）は、鳥取県出身の洋画家であり書家でもありました。彼の芸術は風景画を中心とし、特に戦争画家としての一面も持っていました。京都高等工芸学校（現在の京都工芸繊維大学）を卒業後、関西美術院で黒田重太郎に師事し、洋画を学びました。
伊谷は1925年に春陽会に入選し、翌年には二科展でも入選を果たしました。以降、二科会に所属し、1943年の解散まで作品を出品し続けました。1939年には従軍画家として北支戦線に派遣され、戦意高揚のための戦争画ではなく、大同石仏や中国の民衆の質朴な暮らしを描きました。
戦後、伊谷は向井潤吉らとともに行動美術協会を創設し、活発に画壇で活動しました。また、京都学芸大学（現在の京都教育大学）や京都精華短期大学で教授を務め、多くの後進を育てました。1953年には九州の山々を取材し、その中で「伊谷レッド」と呼ばれる独特の赤褐色を多用した作品を制作しました。代表作には「大山」「阿蘇」「桜島噴煙」などがあります。
伊谷賢蔵の作品は、自然の壮大さとその中にある人々の生活を描き、観る者に強い印象を与え続けています。彼の芸術は、日本の風景画の一つの頂点を築いたといえるでしょう。
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