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松山しげき個展 “Portraits III Red room” 今週末まで

大規模なインスタレーションによって展開された松山しげきによる “Portraits III Red room”。この“赤い部屋”に足を踏み入れることができるのも、今週末まで。ぜひご来場くださいませ。

会期中無休でオープンしております。なお、最終日は18:00にてクローズいたします。くれぐれもお見逃しなく。

Portrait of dazzle #112 803×803mm (S25) Acrylic on Canvas 2022
展示風景

【作家ステートメント】
 本展では、SNSなどにアップロードされている無数のセルフィーやスナップ写真をモデルとした肖像画《Portrait of dazzle》や、複数の自分でSNSを使いこなす現代人を描いた自画像《Self-portrait for multiple accounts》などポートレートシリーズの新作を、赤という色の持つ特徴を用いインスタレーションとして見せる試みを行っています。
赤は興奮色とも呼ばれ、心拍数を上昇させ気分を高揚させる効果を持つのが特徴です。実際に赤い色の部屋では、交感神経が刺激され脈拍や体温が上がるという実験結果もあるそうです。
今回展示しているポートレートシリーズはSNSをモチーフとしていますが、例えばSNSでは、自分の投稿に他者から「いいね」などの反応があると、脳内に快楽物質のドーパミンが放出され、気分が高揚し快感を感じます。このドーパミンは人間が生存するために必要な脳へのご褒美システムで、自分にとって良い事(例えば食べ物を食べるなど)をすると、その都度脳がご褒美にドーパミンを出し気分が高揚し快感を得られるため、人間はご褒美欲しさに繰り返し自分にとって良い行動をとるのだそうです。
SNSでは、いいねやコメントやフォローなどで素早く簡単にドーパミンが放出されるため、新たな「いいね」を貰うために次々と投稿をしたり、「いいね」が増えているか確認するために繰り返しスマホを見てしまったりと、気付けばSNSに依存している状態になってしまいます。
赤い部屋では、色の効果により鑑賞者の気分が高揚し、擬似体験としてSNS依存のように静かな興奮状態となります。しかし、この赤い部屋には鑑賞者を良い気分にする「いいね」はありません。鑑賞者がここで感じられるのは気持ちの良い高揚感ではなく心拍数の上昇からくるストレスであり、これこそがいま私たちが夢中になっているSNSに於けるコミュニケーションの本質的な部分なのかもしれません。

松山しげき

展示風景
Portrait of dazzle #109 1,000×1,000mm (S40) Acrylic on Canvas 2022

松山しげき個展
“Portraits III Red room”

会期 : 2022年 4月23日(土)-5月1日(日) (会期中無休)
営業時間:12:00-19:00 (最終日は18:00まで)
会場:ロイドワークスギャラリー
〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-12 湯島ハイタウンB棟1F
https://roidworksgallery.jimdo.com/ TEL: 03-3812-4712

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