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写実絵画の無謀な試みに心を打たれる

この歳になって、絵画やインスタレーションなどアートに触れ合う機会ができたのは幸運に思う。もっと早く出会えてればと思いながら美術館をじっくりと進む。

渋谷Bunkamuraのザ・ミュージアムが好きだ。実はまだ数回しか訪れたことがないが、居心地がよく集中して作品を楽しめると思えた。ただ、最後まで集中力が持たず、作品の中盤で疲れてしまうのは自分だけだろうか。好きなものなら疲れても没頭できるものだろう。

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今回のテーマは「超写実絵画の襲来」ということで、展示していたのは「写実絵画」であった。もはや写真と区別がつかないじゃないかと思いながら、デジタル技術が発達した写真の良さもあるけど、写実絵画にしか出せない特徴を考えていた。

存在感や質感の表現はもちろん、画材のこだわりもあるだろう。その時の思い入れがある風景や時間を、たった1枚の絵に収めようと試みる作者の気持ちになると胸が熱くなる。たった1枚の絵に、ここまで尽力する執念と他の人には理解されないだろう絶望感を持って描き続けるのだろうか。

鳥の巣、工場の作業場、木の幹、ロブスター、水。カオスの塊の細部までありのままに描いているところに感銘を受けた。「いやこんな細部までいくのか、すげぇなおい!」と何回も作品(作者)に話しかけていた。写実絵画じゃなかったら鳥の巣やロブスターの細部まで見ないだろうなと思いながら。

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3次元 to 2次元の試み。現実世界をたった1枚の絵に収めようとする無謀な試み。現実世界で五感をフル活用して生活しているように、作品を味わうときも五感を使って楽しむものだなと思った。







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