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「ヘーミテオス」企画書

キャッチコピー

愛を誰からも与えてもらえなかった子には天からの加護がある。
親に捨てられ神に拾われた子供たちの愛の冒険。

あらすじ

全焼した村から生後わずかでただ一人生き残ったレスは、不思議な力を恐れられ、ひとり保護施設で退屈な日々を過ごしていた。
そんな12歳のある日、加護の存在を理解するプロメテという男から「君のその力に頼みがある。」と地獄の門番ケルベロスの退治を頼まれる。
施設での生活に飽き飽きしていたレスは、二つ返事でこの奇妙な提案を承諾した。
ケルベロス退治に同じく加護を受けたテナという少女と向かうレスだったが、彼女に手を引かれ門をくぐり共に地獄へと堕ちてしまう。
レスたちは地上に帰ることができるのか。

第1話のストーリー

レスは大地にぽっかりと空いた底の見えない大穴を覗き込む。
この穴の底に地獄への門があるらしい。

プロメテが少女を一人連れて来るなり、彼女に連れて行って貰えと言う。
「テナです。加護により羽を授かりました。レス様を底までお送りします!」
と、ビシッと明るく自己紹介をされたが
「レスです。よろしくお願いします。」
と、こちらはたどたどしく定型文を返す。
この小さな羽で大丈夫なのか。
純粋に目を輝かせている彼女を前にそんなことを言えるはずもなかった。

レスはテナを背負う。
こんなにも気まずいことがあるか。
しかも、命を預けるなんて。
「行きますよ。」
テナが後ろでうなずいているのが伝わると同時にまわしている腕がより強く結ばれる。

一度大きく深呼吸をして、穴へと飛び込んだ。

やはり装飾程度のかわいらしい羽では二人で飛ぶことはもとより滑空することもままならず、重力に身を任せ二人は落ちていく。
「離さないで!」
より一層強くテナがしがみつく。
この一言を発し、強い風と恐怖を感じていると闇から地面が現れた。
レスが右手に力を込めると右手が黒いオーラに覆われる。
迫りくる地面を目一杯に殴るとすさまじい衝撃を生み、レスは何とか着地をする。
背中にテナがいない。
と思うと同時に上から降ってきたテナに押しつぶされる。
羽は何だったのか。一人で来れたなと後悔する。
が、テナに謝られると
「いえいえ、無事でよかったです。」
と、言うしかなかった。

土煙の靄が晴れると徐々に大きな生き物が現れる。
二人が着地に安堵していたのは、ケルベロスの前だった。
テナがケルベロスに気付き悲鳴を上げる。
「離れててください。」
本当に存在するのか。驚きと恐怖を感じたが、それ以上に授かった力を試すチャンスだと気持ちが高ぶった。
物心がつく前までは、よく周りのモノを破壊していたらしい。
そんなことを知ったことではないが、最近では右手に確かな力を感じる。
気持ちの高鳴りと共に右手が黒のオーラに覆われる。
ケルベロスに向かい走り出し、右足で飛び上がると10メートルほど飛び上がった。
自分の跳躍力に困惑したが、高揚感がさらに増す。
重い一撃をケルベロスの顔面に喰らわすと呆気なくケロべロスは倒れた。

番犬のうしろには当然門があった。
なぜか半開きの。

自分の力に浸っているとテナに手を引かれ、二人で門をくぐっていた。

「ごめんなさい。」
なぜかテナが泣いていた。

第2話以降のストーリー

「初めて人に必要とされたのが嬉しくて…本当にごめんなさい。」
テナの母親はテナを授かったことで男に面倒がられ捨てられた。
その恨みからテナは母親に存在を否定され続けた。
母親が亡くなり、児童養護施設に入ると数年後プロメテが現れ
「君の力が必要だ。ある少年を地獄に落として欲しい。」
と頼まれた。
彼女にとっては必要としてくれるだけでうれしかった。
「地獄の門をくぐったらもう現世へは戻れない…知っていたのに、私はあなたを殺しました。」

レスはテナを恨むことはなかった。
なにか自分のこの力のせいでテナを巻き込んだと思ったからだ。
「あなたを人殺しにするわけにはいかないし、あなたを現世に返さないといけない。何か方法を探しましょう。」
生まれた瞬間から不幸な人間がいること、さらには自分のために死んだことに納得がいかなかった。
ここから現世へもどることを目指し地獄の旅が始まる。


この数日前

養護施設とは名ばかりで監獄というには綺麗な施設の12階
「あんた久しぶりのお客だよ。しっかし、何人も痛い目あってんのにまだ来る変わりもんがいるなんてね。まさか呪いを知らないで来たんじゃないだろ?」
レスの呪いについて、施設のおじさんがペラペラと教えてくれる。
「みなさん面白半分で来たからでしょう。」
と、プロメテは軽く返す。
「じゃあ、あんたは本気で引取りに来たってことかい?」
呆れた様子で笑うおじさん
「もちろん」
それ以外で来るのかと言わんばかりのプロメテ。
「何する気だあんた。野放しにするのだけは勘弁してくれよ。」
揚々と話していたおじさんの表情に焦りが見える。
「みなさんが言っている呪い(のろい)は天からの呪い(まじない)、言わば加護ですよ。彼の場合はさらに特別ですが…大丈夫、みなさんに迷惑はかけませんから。」
急に訳の分からないことを喋り出すプロメテに
「加護?」
さらに動揺するおじさん。
「愛を頼りに産まれてくる…愛が世界の非力な彼ら(あかご)に…世界が閉ざされていた時、天が力を与えるのは当然のことでしょう?」
まくし立てるプロメテ
「俺はここまでだあとは好きにしてくれ」
レスの部屋に近づきたくないのだろう。おじさんは扉の10メートル前で鍵を渡し、怯えた様子でさっさと去っていく。

「君の力が必要だ。」


▷レス

レスは母親が本妻のいる男性との間に授かった子だった。レスの母親は一人で産み、育てようとしたが本妻にバレてしまう。レスを産んだところで家に火をつけられてしまう。火は異常に広がり、母親と本妻とその夫、その村は全焼したものの加護を受けたレスは無傷で助かる。
レスは加護のなかでも特別な半神(ヘーミテオス)となっていた。
そのため右半身に異常な力が備わっているが、まだすべてを発揮できていない。
レスという名前に「失う」のようなニュアンスもある。

▷12の試練

レスのモデルはヘラクレスで彼もまたゼウスの正妻ではない女性の子であったため正妻から嫌がらせを受け、結果12の難業を与えられた。
母親は人間のため半神。

・1個目の試練:地獄の番犬ケルベロスとの闘い
※一話参照
・2個目の試練:マーズとの闘い
加護により自己強化(筋肉量を自在に増減できる)を授かっている。
純粋な子
地獄の門を先に開けた者。なので半開きだった。
ケルベロスがレスの一撃で倒れたのも先にマーズと闘い敗れていたから。
マーズの母親は中絶するはずだったが、加護により守られ、母親の腹を突き破り産まれた。
しかし、マーズは母を殺したと捉えているため地獄を探している。
地獄を旅するレスの仲間となる。
「俺の母親もどうせ地獄にいるはずだ」
・3個目の試練:キュクの解放
神。一つ目の巨人。
地獄内の洞窟に鎖で囚われていた。
父親に見た目から忌み嫌われ、地獄内の洞窟に閉じ込められた。
「お兄さん達助けて!」
洞窟の前で助けを求める少年がいた為、洞窟内に入ったレスたち。
最初はその見た目から解放は危険と思っていたが、レスたちと似たような境遇のため意気投合。
一晩、洞窟で寝ると、次の朝にテナへ兜を作ってくれた。
「キケンガオオイカラ、コレカブッテケ」
(洞窟の前にいた少年は火に飲まれて死んだらしい。
実はレスの母親のことを忌み嫌っていた本妻の子。)

・最終12個目の試練は冥王ハデスとの闘い
神。地獄の王。
二又の槍を持ち、姿を消すことができる。

▷テナ
小さな羽を授かったが、成長すると攻撃を防ぐ守護の翼となる。
それまではレスに戦闘面は任せっきりだがレスが絶体絶命のタイミングで成長する。
大きな翼で地上に帰る時はレスを抱え優雅に飛ぶ。

テナのモデルはアテナで英雄の守護神で知恵と戦いの女神。
兜とアイギス(神楯)を持っている。

▷プロメテ
プロメテは人間界に降りている神。加護を与えているうちのひとり。
レスやテナ、マーズなど児童養護施設から加護を受けたものを集めている。
その子供たちを自身の施設で保護している。

プロメテのモデルはプロメテウス
プロメテウスは人間に優しい神で賢い。人間に火を与えたことなど人間の味方をしたため怒ったゼウスから罰を受けた。


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