【感想】オランピアソワレ

ウイルスのせいで例年より長く休みになったものの、どこにも出かけられないので完全に虚無と化したGW、久々に乙女ゲームでもやるか!と思い立ち、 

購入しました。確かタイムラインで「オラソワどんな感じ?」といつも通り虚空に向かって話しかけたところ、優しいフォロワーから熱烈に勧められたのがきっかけだったと思います。 ちょうどブツの森ごとSwichを持て余していたため早速DL版を購入。(自粛だからね)

そんなこんなで面白すぎてGW中に一気にクリアしたので、当時fusetterに書き散らしていたものを含めてキャラごとの感想をまとめてみました。

※例によってネタバレまみれなのでクリアした人向けです※

攻略順で行きます







【璃空】

青い島崎…長は信頼できる

ハッピーエンド良かった~!

こういうキャラのテンプレを無視して、意外と自罰的というか自信がなさげなところも含めて青い島崎…長は信頼できるなと思いました(言いたいだけ)

父母のような彼らに対する璃空の「貴方がたから教えていただいたものから今の俺は成り立っている」という言葉は、その前の発言にあたる「下層のものを憎み、排除しようとしたら自分が惨めになっただけ」というまっとうな感覚を育てたものであるというのが尊い。

彼が最後まで二人に対する尊敬の念を捨てなかったところからも、間違いなく大姉も叉梗も彼を大事に育てたというのがわかって涙が出ました。

一番好きなのは出生の秘密を声を震わせながら告白してくれるシーンです。

バッドエンド①
シンプルに地獄。彼が最もおそれ忌み嫌っていたあの死刑執行の断末魔を永遠に聞き続けるのかとと思うと耐えられない…オープニング画面のあのモノローグも、呪いあれといった感じの演出がいい意味でよくできてますね(頭を抱える) 

バッドエンド②
まさかの大姉エンド(違います)
大姉がオランピアに何度も子供だと言い放つシーン、思い返すと若き自分自身に言っていたのだと思うし、叉梗も君達の為を、と言って2人を離そうとしていたのもここで納得。
学舎を作り、女達の、青の、島の未来を重んじていた大姉様が、オランピアと2人で失った男という過去および滅んでいくこの島の話しかしないあたり、強かった女たちの絶望がこちらまで迫ってくるようでした。

ちなみにこのエンド、「美しい徒花」ってタイトルなのヤバですね!?!?徒花つまり実のならない花二人…

【天草四郎時貞】

大本命の弟

所謂年下枠でしたがセ…交配してくれて良かったです。(一発目がそれ?)
年下キャラというだけで個人的な好感度ぶっちぎり(※)なんですが、その上更に最初の印象から大きくブレず、ひたむきで努力家な時貞最高でした。

※…私は乙女ゲームにおいては主人公と年齢が近いほど、または年下である方が好きなキャラになりやすい人間です。
乙女ゲーム的には、キャラの年齢をばらけさせる時には年上キャラの数の方を多くする上に、年下キャラには何かと"過剰に可愛い" "過剰に生意気"などの属性がつけられがちじゃないですか?あの風潮が好かん。(知らんがな)

時貞は最初から最後まであざとくない可愛さと強さがあって年下キャラのキャラ設定としてはドストライクでした。本当にありがとう。


時貞√ですが、全体的に、「求めよ、さらば与えられん。」(マタイの福音書)だなと思いました。彼自身が何かを得たいと、そう強く思って行動することで周りを巻き込み最終的に良い方向へ持って行くことができたのではないでしょうか。
(当時使われていた聖書について詳しくないのですがザビエルが持ってきたのがマタイの福音書らしいのと、エリ、エリ…もそこに載ってるみたいなので)

首のアザのイベントが印象的でした。それまでの時貞は周りをよく見て思慮深い印象だったので、道摩を思い込みで襲うのが不自然に見えたのですが、逆に言えば彼にとってそれほど「処刑」が地雷ワードだったのかと思うととても辛い。
何かを成し得ないとそこにいてはいけないというのは、生前(?)の彼のことを考えるとあまりにも酷だなぁと思いました。そんな彼にとって「選ばれるだけでいい、愛し愛されるだけで社会的にそれでいい」というのは新しくて、でもそれがまたこの天供島だからこその価値観の中にあるというのが業が深いですね。
でも、最終的には「長」となり、選ばれるだけでいい、愛されるだけでいいというところから脱却して、彼の役目をできることから一つずつやっていくという形で回収されたのが良かったです。なんかもう未来に幸あれ。


バッドエンド①
おおむね予想通りでしたが普通に泣きました。もうどうしようもなくなって2人で波間に消えていくエンディング、わかっていてもシンプルに辛いですね。スチルがびっくりするくらいきれいでした。

バッドエンド②
地獄か?
メチャクチャビックリしてしばらく笑ってしまった…………………………
いや〜、まさか。その方向とは思いませんでした。降伏です。あと柑南が喪ったものは明言されないけど予想通りでなるほどなるほど…
時貞バッドエンドの柑南、何が怖いって「私はいつもあなた方と共にいる。そう、世の終わりまであなた方と共にいます」(マタイによる福音書)なんですよね。やめれ。

【縁】

ほんとうに親切な男だよ

最初から最後まで本当に親切なキャラだと思いました。
これはフォロワーさんとも話していたのですが、縁のような紫のセクシー担当のようなキャラは割と大人属性を与えられがちなのですが、攻略キャラの中でも年下(時貞<オランピア<縁 だった気がします)枠に入るのが良いですね。彼、作中でも言及されている通り、女の子にだけ優しいとかじゃなくて、誰にでも基本的に親切なところが最高だなと思います。
  
√としては、オランピア→縁、の愛を自覚していく過程がすごくすごくすごくスキ……ってなりました。
このゲーム、共通ルートまたは他のキャラのルートで得た印象から大幅に外れないのが個人的には好ましいですね。個人√に入って大幅なギャップを見せるという手法もそれはそれで好きなのですが、プレイしていてストレスが少ないのはこっちかなと。※個人の意見です ※このページ全部そう。

大姉と叉梗の話も璃空√で知ったことの更に深い部分につながっていて、彼で3人目だったのもあり、オラソワ世界のこともだいぶわかってきてとにかく面白かったなという印象です。
(しつこいくらい言いますが)縁の印象は最初から最後まで「親切」だったのですが、クライマックスでも、そしてバッドエンドでもそれが痛ましいくらい徹底されていたので、とりあえず二人が幸せになってくれてよかったです。あとなんかシチュエーション含めて全体的にエッチな感じが最高でした。


バッドエンド①
最後に結ばれるシーンがエロさでいえば今までの三人の中で一番好きなエロさです。妊娠するのが良い。
千茅の、何かを察して優しい言葉をかけるシーンで普通に号泣してしまいました。全員終わって考えてみたんですが、縁のこのバッドエンドが一番泣いたかもしれません。

バッドエンド②
このさ〜バッドエンド②というかバッドエンドの片方の枠のフリ切れ具合ね…温度差で死ぬんですよ…好き…なんとなく察してた内容ですが、これタイトル画面の縁のモノローグからも、おそらくオランピアが何をしているか知らされてますよね?その上でのあの言葉、痛ましくて辛い…


【玄葉】

乙女ゲームの杉…智和は良いな…

内容のえぐさもなかなかでしたが海で置いていかれたシーンなど、笑うところも多くて楽しかったです。お清めセ…は正義(誰のだよ)

ハッピーエンド、素直におめでとう〜!って思いました 乙女ゲームの杉…智和大好き芸人大歓喜!薙草には大変申し訳ない気持ちになりつつ、当て馬がいるからこそもりあがるというのは正直ある…!
恋愛への持ち込み方とかセッ…へのあれそれは、おそらく普通に経験あるがゆえにスマートであまりわざとらしさがなく、なおかつズルくてとっても良かったです。
お清めッ…(未遂)など、乙女ゲーム的な盛り上がり要素もありつつ、これまでの三人とは違う種類の差別を描いていたのが印象的でした。(色層差別、【黒】に関してだけ、たしかに他の色とはニュアンスの違う差別をされているのがよくわかるしゾッとした)(全く一概には言えないし、あくまでもゲームの話をしたいだけなんですけど、赤青黄とその他甲乙の色層による差別はどちらかというと職業や出身地による【同族内の差別】で、黒に関してはおそらくこちらで言うところの【人種(つまり異族)】の差別に近いのではないかと)

バッドエンド①
見る前までは「玄葉が処刑されて、完全に薙草と結ばれてしまったオランピアがやるせなく毎日すごすか、薙草に復讐するかそのへんでしょ!」って思ってたんですけど、まさかの透明標本のくだりを回収しにきてブッ倒れた
個人的には意外なエンディングだったのですが、この要素というか鱗片はあったな…と遠い目で振り返りました。失うものがない人間は一番強いですね。あと、白亜や白の女達を殺した葉金の息子がオランピアを殺すエンディングが存在するの、普通に地獄では?

バッドエンド②
こっちは予想通りでしたが残るものが空虚さしかなくて普通に泣きました。ところでこういう置いていかれたエンドのオランピアって、朱砂と交配することになるんですかね?

【ヒムカ】

物語も佳境に

私あるあるなんですけど、最後の方になってくると感想をまとめたりつぶやかなくなってくるんですよね…なのでヒムカと朱砂に関しては上の4人よりさっくりした書き方になっています。が、心の中の盛り上がりは絶好調でした。

ヒムカ√、これまでで一番でかいスケールの話だったがゆえに、細部まではどうにもなってないままなのが辛いなと思いました。
もちろん二人が結ばれたのはすごい嬉しかったので、それはそれこれはこれって感じなのですが。
これまでだってオランピアは全員を救えないというのはたくさんあったんですけど、あのあとの海浬とか柑南の件とか考えると心がぞわぞわするんですよね。
物語として面白いなと思ってるのでマイナスな意味ではないですが、後味のなんとも言えなさが残る√だなと思いました。いうなれば、神様と結ばれてしまったことでなにかとんでもないことがあるんじゃないかとかいう不安でしょうか。いや無いと思いますけど…でもヒムカと結ばれて良かったね。

バッドエンドの話 
時貞より更に年下と思われる海浬との交配があっただけではなくまさかの睡眠姦なところ、時貞バッドエンドという名の双子エンドで耐性ついたと思ってたのでまたしてもビビり散らかしました。
その年齢の少年ともそういうことできちゃうんだよってところに(別におかしくはないですが)背徳感とそしてライターさんの信念みたいなの感じて信頼しました。


【朱砂】

あんたが大将(メインヒーロー)!

ハッピーエンドのハッピー部分でこんなに泣くか?ってくらい泣きました。そんな朱砂√ 間違いない お前がメインヒーローだ

だめだヒムカプレイ時よりも更に感想メモが残っていない!!間違いなく彼がメインヒーローで、このオランピアソワレというゲームの主題を表し、最初から比較的好意を向けてくれている最高のキャラと√だったのに当時のつぶやきも感想もほとんどなくて今困っています。でも多分彼に関してはいろんな人が感想を書いてくれていると思うので、そちらを是非読んでもらえればと思います。




ここから先は攻略対象ではないけど気になったキャラ数名について。

【柑南】

あらゆる意味で戦犯

ヤベ~~~~男でしたね…(余韻)
どこまで行っても心のうちがつかめない…ように見せかけて、案外言ってることそのままなのかもしれません。それはそれでヤベェ奴なんですが。

柑南、あのバッドエンドから導き出される障碍による性的不能者であることを踏まえた上で、笹良の「柑南様の子供を生みたかった」発言を見ると本当に地獄ですよね。あの手紙を持ってきて""交配""のために奮闘するオランピアを見てどう思ったのかを考えると泣くんですけど…
あと様々な時代考証は完全に無視ですが、もし時貞が柑南に「カナンは約束の地という意味、良い名前だね」みたいなこと言ってたらどうしよ!無理!!
FD出たら柑南√欲しいけど柑南がオランピアによって救われるのは解釈違いなので一人で立ち直るか救われないままでいいです(オタク特有の早口)

【海浬】

掘り下げプリーズ!!!

声優さんの演技が上手すぎて罵倒されるシーンでは結構本気で傷つきました(弱)自分で美少年って言ってたの面白いですね!正解!

柑南とは本当に友達だったんだと思います。海浬には可能性がありそうで柑南は手遅れっぽいのが特に好きですね。あとフォロワーさんがおっしゃっていたのですが、この二人補色なのも良いですね。
そして彼の生まれと能力に関して、「海浬が璃空の出生の件知ったらどうなる?」という恐ろしい問いが浮かんでしまいました。
海浬と璃空って名前まで海と空になってるのも、まぁ「青」を連想させる名づけからって言えばそれまでなのですが、絶対わざとじゃないかなと思います。瑠空バッドエンドでは同じ職業についてますしね…


以上!また何かあれば追記するかもしれませんがここまで。
オランピアソワレ、すごく面白かったのでぜひぜひFDとか出てほしいなと思います。



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