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【感想】金色のコルダ3から入ったオタクが無印のシステムに戦慄しつつ総合優勝を目指した話

アプリ「金色のコルダ スターライトオーケストラ」がリリースされ、新たな盛り上がりを見せていますね、金色のコルダ!
このnoteはそんなタイミングで「金色のコルダ※無印」(※便宜上無印と呼ばせてください)に着手して、金色のコルダ世界観の新たな解釈のベルを鳴らしてしまったオタクの感想になります。
かつて無印をプレイされた諸先輩方にとっては新参の感想はさぞ興味深いものだと思いますので、暇つぶしにでも良ければ読んでやってください。

そもそも無印に着手した理由ですが、私、実は無印の前に加地葵を浴びたくて2ffから着手してたんですよね。
で、とりあえず火原先輩と仲良くしたり月森くんと話したりしてたんですけど、進めれば進めるほど、なんというか、「最初からこんなに仲良くて良いのか…?」という違和感がふくらんでいきまして……
というか当たり前なんですよね、ゲーム内の日野香穂子はなにやらみんなでコンクールを乗り切ってキャラクターたちと新たなステージに進んでいるというのに、彼女を動かしている私にはその経験がない。良くわからないけどヴァイオリンを弾けるようになっていて、みんなから一目置かれている、何があったの日野さん!?!?!?月森くんって結構クールって聞いてたのにそれなりに好感度高くないか!?何!?こんな気持ちのままED迎えるの!?!?そんな……

じゃあもう…無印からやるしかないじゃん……?

というわけでVitaのメモリをなんとか空けて、PSPのThe BEST版をDL。ルビパさんこれホントSwitchでもできるようにした方が良いとおもうんですけどどうでしょう。
PSPのゲームをVitaでやる時のザカザカ感には目を瞑りつつ早速プレイ。あれよあれよという間に妖精リリから魔法のヴァイオリンを託されて学内コンクールに出ることになったワイ香穂子。せっかちなのでこのスピード感最高ですね!そもそもやる気しかないので何の葛藤もなくヴァイオリンを受け取るワイ香穂子。そして気付く。

金色のコルダ、妖精に夢を託され""選ばれてしまった""少女の話…?

まって!!!それはメチャクチャ好きな設定なんですが……!?!?!?
私の108ある性癖の一つに「選ばれてしまった人間」というのがありまして、選ばれてしまったがゆえに選ばれるはずだった人間から憎悪を向けられたりしなくてもいい苦労をしてしまうキャラやそのような話が大好物なのですが(例:冠を持つ神の手)、まさしくこれじゃないだろうか!?大興奮!

ちなみに他には「善性の人間」「選ばれなかった人間」などもあり、これらはそれぞれ八木沢雪広(いつだって彼のしたいことは他人に害を及ぼすわけではないし、全て良い方向に転ぶから結果的には皆をあるべき方向に導いてるだけで、自分が皆のためにすることを正しいと信じて疑わない)や、江波紫音(八木沢から選ばれなかった男なんですけど当の八木沢は誰も選んでいないという業深選手権)が担ってくれています。(そうですか)

無印に話を戻すんですが、設定がドストライクなことに大興奮しつつじゃあってことでゲームを進めてたんですけど、え、なんか、システム…ちがいません…?
ヴァイオリンを手に入れたと思ったら始まる怒涛のチュートリアル。正直なところシステムが3とここまで違うとは思っていなかったので戸惑いが隠せない。え?楽譜を集める?解釈?ラーメとは?あといつもの「次はこうすればこのイベントが起きますよ」っていう親切情報も無い…!?
かつてまだネオロマンスゲームは遙か3しかしていなかった頃、乙女ゲームという共通の趣味を持っていた大学の先輩に言われた「コルダをやってほしい。本当は無印をやってほしいけど、難しいからそれなら3をやってほしい」という言葉が頭をよぎる。

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↑いやマジでこんな感じでした。
ここにきて「月森くんのこと知りたいな♡」みたいな自分を封印することに。とにかく無印というゲームに慣れるために目標を「総合優勝」にシフトチェンジする。乙女ゲームとは……?

ところでタイムラインには無印プレイ済みの先輩がたくさんいらっしゃって、皆様にはプレイにあたって様々なアドバイスを頂いていたのですが、その中に「ライバル視してもらえますよ!」みたいなのがあって、これがまた個人的に大興奮ポイントだったんですよね。
え?ライバルとして見てもらえる…?というか、生まれてこの方楽器に命ささげてきた人間をおしのけてポッと出の天才が優勝するに当たってでてくる""感情""、浴びたすぎるんですが…!?
金色のコルダ3における好きな部分の一つに、冥加から小日向への、つまり男から女に向ける、男女関係ない能力(この場合は音楽の能力)によって、対等に見ることで生じる「優しくない感情」を描いているというのがあるんですけど、これを、金色のコルダはもしかしたら最初から描いていてくれたのか…!?
社会に出てしまうとどうしても意識せざるを得ない「男社会・女社会」というものがまだ関係ない、純粋に能力だけで競い合える学校という環境で、性別関係なく、優しくない感情も向け会える時間がいかに尊いか。プレイ20分くらいでここまで考えて涙ぐんでしまった。何。

オタクのツイートではない。
この""解釈""という、今まで私がプレイしてきたコルダの中には無かった概念、これが慣れるまではまぁわけがわからなかったんですけど、考えてみると非常にアツいシステムですよね。
たまたま月森君のオキニの解釈で演奏していたこともあり、コメントなどを頂いたんですけど、ああなるほど、こうやってキャラたちは日野香穂子という人間に興味を持ち、知っていくんだなぁと思うとすごく自然で良いなと思いました。
なんやかんやでヴァイオリンロマンスのヴの字もないくらいただひたすらストイックに練習を重ね、BPがなくてドレスも買ってやれずに一人だけ制服で出場させてしまった第一セレクションでなんと日野香穂子、優勝。

あの…これ…何というか……

メチャクチャ嬉しいですね!?!?!?!?!?

いや本当に、わけのわからないまま、乙女ゲームをするつもりが恋愛をあきらめてコンクール優勝にシフトチェンジしたというのに、第一セクションまでの練習を手探りでもぎ取ったこの高揚感、気付いたら2時間も3時間も経っていて、こんなに時間を忘れてゲームをしたの、何年振りだ!?そんな興奮でいっぱいになりました。
最初は今まで音楽に生きてきた人間たちがポッと出の主人公に優勝を奪われたときの感情を浴びるつもりだったのに、今はただ優勝したい……このヴァイオリンでわたしの音楽を奏でたい……!
というかそもそもヴァイオリン・ロマンスは恋愛成就を目指すものではなくて、音楽に真摯に向きあった時に、音楽を通じて他人と心を通わせることができた時に、自然に発生するものなんじゃないのか……?だとしたらこうやってヴァイオリンに向き合うことこそが乙女ゲームとか関係なく、金色のコルダというゲームで目指べきことなのではないのか……!?

このあたりで完全に金色のコルダという世界の解釈のベルを鳴らしてしまいました。金色のコルダ、めちゃくちゃ面白くないですか!?何で教えてくれなかったんですか!?!?

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これは2ffの画像で、月森君が言っていてなぜかすごく心に残ったのでスクショしていた台詞なのですが、無印をやらないとこの言葉の重みってなかなかわからないんじゃないかなとあたらめて思いました。
ステージの孤独に耐えれられるものだけが優勝という栄光と手にすることができる、なんてシビアな世界……

その後も突然のリリクイズで親の声より聴いたカプリース24を聞かされたり、作曲家の生没年をグーグル先生に聞いたりしつつ、第二セレクションへ。いや、月森君に「その解釈もええやんけ」とか言われたのでちょっと調子にに乗ってたのは認めます。第二セレクション、惜しくも優勝を逃すことに。

「何が足りなかった!?」なんて悔しがることアラサーになってからあっただろうか?いや、無い……

第二セレクションで本気で悔しがり、気持ちを新たにする日野香穂子(アラサー)。僅差の場合、リロードでどうにかなることもあるらしいのですが、どうにもならない僅差だったみたいなのでこのまま続行することに。(世界はそれを僅差とは呼ばない。多分。)


第三セレクションに向けてファータ狩りも板についてきた頃、特に意識していなかったキャラたちとのイベントもぽつぽつと発生するようになりました。そんな中で月森くんに一緒に帰ろうと言って断れらなかったことに「ときメモGSならまだ断られて当然の親密度しかありませんが…!?」と驚愕したり(そのあとは普通にしょっちゅう断られた)、土浦くんと月森君がイニシャルで揉めてて高校生ってかわいいなぁ…とほのぼのしたり(???)していたのですが。

月森「君は、俺たちヴァイオリン専攻の学生が、どれだけ時間をかけてきたか、知っているか?」

ライバル度が高いからなのか必須イベントなのかわからないけど、突如月森君に至極まっとうなことを言われるワイ香穂子。

ッアアアアアア~~~~~~~~~!!!!!!!!!こういう!!!!こういう""感情""、ぶつけられたかった……!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

もう大興奮です。私はな、私はこういうのを、こういうのを浴びたかったんだ……!!!!!!だって…!認められないじゃないですか!今までの人生の多くの時間を音楽に向き合ってきたのに!!!魔法のヴァイオリンだかなんだか知らんけど、ポッと出の素人が、コンクールに出るなんて……!!!
月森君たちはまだいいんですよ。コンクールに出場できている。でも、コンクールに出場できなかった、多くの音楽科の生徒たちの気持ちは……?音楽科モブの気持ちになるとやるせなさしかなくないですか?
一周めは本当に攻略も見ずにイベントも大して起こしていないので、もしかしたら誰かの√で深堀される要素なのかもしれないですが、とにかく最高オブ最高だと思います。これはコルダ3では得られない感情ですね。小日向かなでは生まれてこの方ヴァイオリニストなので。

ここまでプレイして約二日なんですけど、金色のコルダはマジで時間泥棒ですね。そうこうしているうちに最終セレクションに。どうやらキーワードはどうがんばっても1つしかねじ込めないらしい。どの曲でいくか悩んだのですが、ひとつ前のセレクションで清麗を上げていたので、ロマンス第1番に決定。ミントキャンディと目薬で目と鼻をやたらスース―させつつただひたすらヴァイオリンの練習に励む日野香穂子。
この辺でリアルタイムで購入していた攻略本が届いたのですが、ここまできたらもう自力でいきたい!と思い表紙を舐めるように見て本棚にしまいこみました。

最終セレクション前日の感情。
選んだ曲と解釈は「ロマンス第1番、運命と戦う解釈」。
え?この解釈アツすぎませんか!?突如ヴァイオリンを渡され、選ばれてしまった少女が、自らの意志でステージの孤独と戦う……!

最終セレクション、日野香穂子はラスト。土浦くんのパガニーニはかっこいいし、緊張して死にそうな中、響き渡る火原先輩の演奏はあたたかくてガチで心がほぐされました。
皆、すごい。皆、がんばってる。
こんな中で、ワイ香穂子、優勝、できるのか……?

限界

ついに我らが日野香穂子、出番。
香穂子…ロマンス第1番 運命とたたかう解釈…きれいだよ…
あと演出のKWクソデカフォント…お前はなんか…どうにかならんかったんか…?

そして運命の時

総合優勝!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!おめでとう香穂子!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ありがとう金色のコルダ ありがとう日野香穂子


というわけで無事に総合優勝を果たしました。第二セレクションで一度二位になってしまったのが非常に惜しいですが、そのおかげで全力で向き合えたと思います。
そして、コルダの先輩方がみんな「無印をやってほしい」と言う意味がいまならすごくわかります。原点なだけあって、たった一周しかプレイしていないのに、この時から金色のコルダという世界はほぼ出来上がっていたのだなぁとよくわかりました。
変な言い方なんですけど、日野香穂子さんを主人公とする一連のシリーズをするにあたって、当初の2ffだけでは決して得られなかったものを得られたと思います。
自分自身は3から入り、ASと4をプレイして、もちろんそれだけでも十分に楽しめるのがコルダのすごいところだとは思うんですが、それでもやっぱり今回無印にふれたことで、小日向かなでを主人公とする一連のシリーズや、最新作のスタオケの理解も深まったと思いました。

金色のコルダ~~!!!!!好きだ!!!!


読んでくださってありがとうございました。次は攻略本片手に月森くんとロマンス奏でてこようと思います!

5/8 追記
月森くんと愛のあいさつ奏でてきました。


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