ももクロ✕東京女子流 五番勝負 2011年11月22日
ニュー・シングルの発売日を同じくする、ももクロと東京女子流が合同イベントを開催!というプラチナ・チケット化必至の有り得ないイベントのチケット配布方法は、それにふさわしく有り得ないものとなった。
会場の横浜BLITZを中心とする半径15km圏内のどこかで先着順にてチケットを配布。その場所は、LIVE前日の午前三時(!)に発表という、常軌を逸した趣向。
「平日にそんな無茶が出来るもんか」
「労働を讃歌しながら、労働を妨げるとはナニゴトだ」
(ももクロのニューシングルのタイトルは『労働讃歌』)
といったド正論のブーイングが渦巻く中、自分は平日に駆動できるヤクザな仲間たちと参戦を決意。
終電で横浜に向かい、当初は、前回のイベントが行われたラゾーナ川崎にヤマを張るも、会場ではタッキー&翼のイベント準備が進んでおり、これは絶対ない!と大慌てで横浜駅前へ。
駅前にはすでに多くのファンが群れており、午前三時の配布場所の発表時には、タクシー乗り場にてタクシー争奪戦が展開すると読んだ我々チームは、横浜BLITZ前のファミレスに拠点を置き、発表直前にタクシーをチャーターするという策を思いつく。
午前2時50分にはタクシーが到着し、乗り込んだ我々は
「運転手さん、あと10分で行き先が分かるので待って下さい!」
と前代未聞なリクエストをして大いに怪しがられる。
そして3時キッカリにHPにて配布場所が発表。それは横浜BLITZから更に先の横浜ベイホールであった。横浜駅からBLITZまでの僅かな距離だが、駅前待機組を出し抜けたことになる。
直ちに行き先を告げ、午前3時の横浜ベイサイドを疾走するタクシー。やがて前に後ろに何台ものタクシーが連なって、ちょっとしたカーチェイスが展開。道路脇には、ふくらはぎを引き攣らせて全力疾走するチャリ軍団の姿まで!!
運転手さんは
「一体ナニゴトが有るんですか?こんなことは運転手生活で初めてだ!」
と驚き、自分たちも、これまで味わったことのない劇的な興奮にアドレナリンを沸騰させる。
やがて10分ほど走ったタクシーは現場到着。
何台ものタクシーが横付けとなり、ドアから吐き出されたファンたちがプラカードを掲げて待ち受ける係員のもとに弾丸のように全力疾走。磁石のように吸い付いて、アレヨアレヨと列を成して行く。
自分たちは20番目ぐらいを確保し、寒空の下に座り込む。それからも次から次にファンたちが結集し、数百人が地べたに座り込んで朝を待つ、難民キャンプのごとき様相に。
一瞬前までのライバルも、今は戦友。列の前後のファンたちと興奮気味に挨拶を交わし、気が遠くなるような朝までの時間も、持参した菓子やオツマミなどを交換しつつ、楽しく語らって過ごす。
体育座りで満点の星空を見上げつつ、師匠格の某氏と、
「今夜のことは、年とってからも何度となく思い出すでしょうねぇ」
とシミジミ語る。
ともあれ翌日のLIVE当日。
自分は2番という、この先もまず無いであろう究極的な良番をゲット。夢にまで見た最前列ド真ん中のバーに陣取り、ももクロと女子流の豪華な対バンを最高のロケーションで堪能させてもらった。
まったくテイストの違う二組を交互に愉しむのはまことに心地よく、初めて観る女子流の流麗かつエレガンスなパフォーマンスには大いに心奪われた。
何よりも、所属事務所やレーベルの壁を超えてほぼ同世代の二組の女子たちが仲良く楽しげに競い合い、睦み合っている麗しい光景だけでも涙が出そうに感動的であったことよ。
チケット争奪戦を含めて、度外れて楽しいイベントであった。
日常を景気よくテイク・オフした大冒険の夜の興奮を、一生忘れることは有るまい。
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