🛠結局スカラーって何じゃい?

「スカラー」(Scalar)という言葉の起源はラテン語の「scalaris」に由来し、これは「階段」や「梯子」を意味する「scala」から派生した言葉です。この語源的な背景から、何らかのスケールや次元に沿ったもの、あるいは単一の量を示すものとしての意味合いが伝わってきました。

数学や物理学の文脈では、スカラーは大きさのみを持ち、方向を持たない量を指します。これはベクトル(方向と大きさを持つ量)とは対照的です。例えば、温度や質量はスカラー量であり、速度や力はベクトル量です。

プログラミングの文脈では、スカラーは単一の値を持つデータ型や変数を指すことが多いです。これは、配列やオブジェクトなどの複合データ型とは対照的です。

「スカラー」は多くのプログラミング言語やライブラリで使用される言葉ですが、具体的な役割や意味は文脈によって微妙に異なることがあります。以下は、一部の言語やライブラリでの「スカラー」の使用例とその役割をまとめたものです。

  1. Perl:

    • 役割: 値を保持する変数タイプ。

    • Perlにおけるスカラー変数は、数値、文字列、または参照を保持することができる。

  2. Python (NumPy ライブラリ):

    • 役割: 配列の要素としてのデータ型。

    • NumPyでは、スカラーは配列の要素としての数値や、特定のデータ型を指す。

  3. Scala 言語:

    • この言語名自体が「スカラー」という名前に由来していますが、スカラーという具体的なデータタイプは存在しない。

    • 名前の「Scala」は「スケーラブルな言語」を意味しており、スカラーという概念とは異なる。

  4. GraphQL:

    • 役割: データの基本的な型。

    • GraphQLのスキーマ定義において、スカラータイプは、String, Int, Float, Boolean, IDなどの基本的なデータ型を示す。

  5. Rust 言語:

    • 役割: 単一の値を持つデータ型。

    • Rustでは、整数、浮動小数点数、ブーリアン、文字型などがスカラータイプとして扱われる。

  6. TensorFlow ライブラリ (Python):

    • 役割: 0次元のテンソル。

    • TensorFlowにおいて、スカラーは0次元のテンソル、つまり単一の値を指す。

「スカラー」という言葉は多くの言語やライブラリで共通して「単一の値」や「基本的なデータ型」を指す概念として使用されることが多いです。

コンピュータ言語の文脈で「アトム」(atom)という言葉は特定の意味で使われることがあります。以下に、いくつかの言語や環境での「アトム」の使用について説明します。

  1. LISPとその方言:

    • LISPやその方言(たとえばCommon Lisp, Scheme, Clojureなど)では、「アトム」とは複合データ構造ではない、単純なデータを指します。具体的には、リストやペアでないデータ、例えば数値やシンボルなどがアトムとして扱われます。

  2. Prolog:

    • Prologでは、「アトム」とは特定の文字列を指すデータ型であり、変数や複合語とは異なるものとして扱われます。アトムはシングルクォートで囲まれた任意の文字列や特定の予約されていない単語として表現されます。

  3. Erlang:

    • Erlangでは、アトムは定数としての名前で、任意の文字列を含むことができます。アトムは、モジュール名や関数名、エラーメッセージなど、さまざまな場面で使われます。

  4. テキストエディタやIDE:

    • 一部のテキストエディタやIDEでは、「アトム」とは最小の編集単位やテキストの単位を指す場合があります。例えば、Atomというテキストエディタはこの概念を名前として採用しています。

このように、「アトム」という言葉は、複数のプログラミング言語や環境で異なる意味で使われることがあります。使用する文脈に応じて、その言語や環境での「アトム」の意味や使われ方を確認することが重要です。


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