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🖊志賀は鏡花を愛読したのは何時頃からだ

武者小路実篤 志賀は鏡花を愛読したのは何時頃からだ?
志賀直哉 中学からだね。ずいぶん愛読した方だ。
しかし鏡花の文章というものは、多少紅葉の影響もあるかもしれないけれども、独特なものだね。あれがちょっと不思議だ。
武者小路 自分の調子で書いたのだね。
志賀 調子で書くんだろうね。しかし丁寧に読むと調子だけのでたらめじゃないね。ずいぶん飛躍しているようだが、辻褄はちゃんと合ってるね。

鏡花は生成ばなしは確か淀川長治もしていた。どんな文章かみてみよう。

 

これが紅葉の系譜になると言うんだが




「そうした人たちのなかの、当時の代表者は泉鏡花でした。鏡花は尾崎紅葉の愛弟子で、従って硯友社文学の後継者として、一生を過したのですが、当時の自然主義作家たちは、伝統的な古典的な硯友社文学の否定を旗印しにかかげたので、現実に鏡花は作品の発表舞台さえ奪われるという迫害を受けました。」

—『文章読本(新潮文庫)』中村 真一郎著

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淀川長治 嫌いだったね。もしゴダールがいなかったら、もっと世の中はよくなったと思うのね(笑)
淀川 だから、気になることは気になる。ゴダールほど嫌いな人はいないけど、あの人には、なにか日本の文豪の泉鏡花みたいなところがある。鏡花の文学は明治・大正時代なのに、突拍子もない表現のしかたをする。場面を変えてね。外国を知らないくせに、その小説にはフランス的なところがある。ゴダールの作品にも、そんな感じがあるんだな。なにか、いっきに思い詰めていくような、一念みたいなものを感じる。そう、運命ね、この男の運命、女の運命、それを別の人のようにさめた目で見ているようなところが、ゴダールの映画にはあるね。だから、ゴダールは嫌いだけど、どこか憎めない。

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