大蚯蚓

表題

大蚯蚓

概要

丹波国柏原遠坂村の山崩れで出た大蚯蚓の記事。

訳文

『和漢三才図絵』に載っているところによると、深山の地中には一丈(約3メートル)程の大ミミズがいる。最近、丹波国柏原の遠坂村で一日中暴風雨が吹き荒れ山崩れが起こって、2匹の大ミミズが現れた。1匹は一丈五尺(約3.5メートル)、もう1匹は九尺五寸(約3.1メートル)あったという。『東国通鑑』によると高麗の太祖8年の年に、城の東に大ミミズが現れた。体長七十尺(約23メートル)あったという。

原文

 和漢三才図絵に云。深山の中に大なる蚯蚓一丈余のものあり。近ごろ丹波国柏原遠坂村にて、一日大きに風雨して、山を崩す事あり。而して大なる蚯蚓二頭出たり。一は一丈五尺、一は九尺五寸ありしと云。東国通鑑に云。高麗の太祖八年に、宮城の東に蚯蚓出たり。其長さ七十尺あり。是は渤海国の来投の応なりと云。

出典

『斉諧俗談 巻之五』宝暦8 (1758)年刊(『日本随筆大成第一期19巻』吉川弘文館、1976年)

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