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けずる

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アロの著述集です。
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記事一覧

【過去記事】落ち葉#4「言葉にするということ」

自分の思いを言葉にすることは、自分の内にある不明瞭なかたまりを、言葉という輪郭をもったピースで分解することだと思う。しっくりくるピースが見つからないこともある。切り分けるとき、木屑のようにこぼれ落ちてしまうものもある。それでも、見つかったピースを一直線に紡いで相手におくる。相手はそのピースを受け取り、相手自身の中で再構成したものをおくり返してくれる。このとき、相手のピースが自分の中にぴたりと当てはまることもあれば、自分がおくったピースとの違いに違和感を覚えたりすることもある。

【過去記事】落ち葉#5「シーグラス」

ねえ、シーグラス。 きみはどこからきたの。遠くから。 ねえ、シーグラス。 きみは前、どんな仕事をしていたの。どんな姿だったんだい。 ねえ、シーグラス。 きみはとってもきれいだ。透きとおっていてうつくしい。 ねえ、シーグラス。 きみはまるくて、角がないね。削られたのかい、それとも自分で磨いたのかい。 ねえ、シーグラス。 きみの中に黒い線が入っているよ。これはなんだい。誰かと一緒にいるのかい。 ねえ、シーグラス。 きみの仲間を探していいかい。ぼくはきみの仲間を探したいん

死にそうなくらい愛した人と失恋したら

「絶対にもう二度と好きになることはない」と言われたアロへ 死にそうなくらい愛した人と失恋したら、まず、映画『食べて、祈って、恋をして』を観よう。たぶん、それでも立ち直れないから、何か自分のやりたいことを見つけよう。好きな食べ物って何?買ってきてゆっくり腹いっぱい食べな。それは過去にも食べたことがあるよね。好きなことも同じ。今まで生きてきた中に好きなことのヒントがあるよ。いきなり全身で飛び込むんじゃなくて、いろいろ片足を突っ込んでみる。過去の原因のせいで、今ネガティブだから、

First Love, Last Love

愛するひとへ 助手席から見るあなたが好きです 陽の光に照らされる豊かな表情はどの瞬間も唯一無二です 深い思考からコクのある言葉を発するあなたが好きです 香り立つ言葉にいつも心が動きます 笑顔のすてきなあなたが好きです おひさまのような笑顔はいつもぼくの心をポカポカにしてくれます おいしそうに頬張るあなたが好きです 分けあう温かい食事にはあなたの存在が一番のスパイスです 真剣なまなざしで絵を描くあなたが好きです ペンやクーピーを走らせる姿は子どものようです 全力で走

眠れぬ一夜も流るるままに

消灯一間(しょうとうひとま) 暗青灰色(あんじょうかいしょく) 瞼奥漆黒(けんおうしっこく) 暗澹溟濛(あんたんめいもう) 過日幻影(かじつげんえい) 灯る鍵盤 踊る手影 足りる欠伸 騒ぐ胸 眠り遠く悩み近く 過ぎし日の影 明日の未分 布団にふれ 胸に手をあて 今 ただ今 ただ いる ここ 今 すぅぉ ふぅぅ すぅぉ ふぅぅ すぅぉ ふぅ かおあげて ブルーオレンジ グラデーション うつつあかりに とけゆくゆめみ

うたあつめ 『後始末』

小石松 恋しく待つの 意を込めて 観て聴いて 香りとらえて 味わって ふれたあなたが いま、胸に トクトクと 君をもとめて ほとばしる 熱き血潮の 潮騒だ ドクドクと 君を求める 音がする ぼくの鼓動は きみを呼ぶ声 毎朝届け ラブレター 海も赤らむ ぼくの愛 きみのおひさま 胸にいる しゃぼん玉 ひとときの夏 ゆらぐ影 たまいろの渦 若く儚く てをあてて このむねあてて つたわって なにもいらない きみだけほしい 溢(あふ)れると 溢(こぼ)れるしずく ひとす