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遊ぶと元気になれるショートショートフリーゲーム10選

よお。1年くらいnoteの更新サボってたけど、全く悪びれた様子を感じさせないことで定評のあるロッズだ。

ところで、最近なんか周りの空気重くない? 気のせい? いや絶対重いって。なんていうか、どんよりとしたイヤな感じだぜ。

よし、ゲームだ。こういう時はゲームしかない。楽しい気分になれるゲームをたくさん紹介する。なに? 時間もお金もない? 大丈夫だ。ここで紹介するものは、全部フリーで遊べるし、どれも気ままに初めて気ままに終われる人の良いゲームばかりだ。

各タイトルの最後にリンクを貼っといたから、気になるのを見つけたら適当にダウンロードしてくれよな。面倒ならブラウザでプレイできるやつをそのままプレイすればいい。まあそこらへんは好きにしてくれ。そんじゃあやってくか。

1:ポスティング・ハイ!『MORNING POST』

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いきなりポジティブ地球代表みたいなヤベーのが出てきたな。
この『MORNING POST』は、郵便配達人になって住人へ手紙を届けるゲームだ。ただし、手紙を届ければスコアが得られるだとか、規定の場所へ届けるとストーリーが進むだとか、そんな面倒くさいシステムは一切ない。ただ手紙を配る。ひたすら配る。とにかく配る。目が合った奴には手紙を配れ。何枚も配れ。相手がブロッコリーでも容赦はするな。奴らにここのボスが誰なのか教えてやれ。
ご機嫌なBGMをかけながら、気の済むまで手紙を配れば、いつの間にか気分がHighになってくる。満足したらescキーでサクッとやめる。そういうゲームだ。ちなみに手紙を配らなくても全然問題ない。この世界を自由に楽しんでくれ。

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2:レーシングラクーン『Tanuki Sunset』

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タヌキがスケートボードで海辺の坂道を高速に下っていくっていう、もうそれだけで最高にCOOOLなスケボーゲー。それが『Tanuki Sunset』だ。
プレイする度に自動生成されるシンセウェイヴな坂道を、ドリフトやトリックをキメながら下ることでスコアを稼いでいく。車や岩をかすめたり、道端ギリギリを攻めたりしてもボーナススコアが貰える。つまり、よりクールに、よりリスキーに走るのが正義というわけだ。他にも子ダヌキを救出したり、オーダーを受けて内容を達成したり、Tanuki Bits と呼ばれる謎のアイテムを集めてルーレットを回せば、じゃんじゃんスコアが稼げてしまう。スコアジャンキーも大満足だ。
ちなみに、道の途中でたまに出てくるカセットテープを取ると、カラーパレットが変更され、BGMもエレクトロスウィングやボサノヴァになる。おかしいな。ゲームの説明にはシンセウェイヴがテーマって書いてあったんだが。まさにタヌキに化かされた気分……ってな。いや、ちょっと待て。よく見たらお前、タヌキじゃなくてアライグマじゃねぇか!!

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※ランキング機能はDL版にしか実装されていないので注意。また今後SteamとSwitchでフルバージョンのリリースが予定されている。

3:脱走ヤギは山頂を目指す『ゴートマウンテン』

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牧場から脱走してきたヤギが、山頂を目指して険しい山を登り進んでいくロードトリップアドベンチャー『ゴートマウンテン』
出荷寸前のところを逃げ出し、海を泳ぎ、飛行機の荷物に隠れて密航した末に新天地へ辿り着いたっていう、既に始まる前からゲーム一本くらい作れそうな冒険をしてるタフなヤギの旅路だ。
ノリノリなBGMを流しながら、ほぼノンフィールド形式で山頂まで自動進行していき、その過程で様々なイベントがランダムで発生する。選択肢によってライフが回復したり、しなかったり、ちょっと減ったり、むちゃくちゃ減ったりするんだが、そんなに心配しなくていい。どうせ山頂に辿り着けない時はどうやっても辿り着けないからな。どんなに上手く立ち回っても、ダメな時はとことんダメ。コツはあるが、完全にはコントロールできない。しかも、現在アップデート進行中につきエンディングが未完成。つまり、せっかく登頂してもそこに見える景色は仮のものということになる。
だが、それを分かっていてなお山を登りたくなる、そんな不思議な魅力があるんだ。このゴートマウンテンにはな。

ああそれと、作者のハニーナゲット氏お手製のゴートマウンテン オリジナルステッカーってのがあるんだが、こいつがめちゃくちゃキュートなんだ。全種類コンプして、そこらへんにぺたぺた貼りたくなっちまうな!

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※最新版は現在バグが多く快適に遊べるとは言い難いので、旧バージョンである安定版を推奨する。ただし、最新版には魅力的なイベントやイラストがたくさん追加されているので、遊んでみる価値は大いにある。

4:頭を使うキュートなレスキュー『Super Ness』

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『Super Ness』は、心優しいプレシオサウルスが、自慢の首で船の航行を助けてあげる善意に溢れたミニゲームだ。タイトル画面の寝てる姿がもう可愛い。
ゲームルールはシンプルで、画面端からやってくる船を、流れてくる障害物に当てないよう頭に乗せて持ち上げて、反対側の画面端へ到達させてやることでスコアが加算されていく。3回船を沈めてしまうとゲームオーバーだ。障害物は、木箱や機雷、果ては巨大な氷山まで、縁日のスーパーボールすくいかと思うくらいどんどん流れてくる。なんでこんな危険な航路へこぞってやってくるんだ人間ども!って、俺がプレシオサウルスならまずその時点でキレるので、こいつはほんとめちゃくちゃ良いヤツだと思う。
無事に船が通過した時の、プレシオサウルスの幸せそうな感じがすごくいい。あと首をとてもよく伸ばせるので、船を頭に乗せてリフト感覚で昇降させられるのが楽しい。調子に乗って雲の上まで首を伸ばしてたら船をうっかり落下させてしまい、入水角度がエグくてそのまま船が沈んでしまった時の気まずい表情も良いぞ。

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5:ソーセ…『Deadly Mortal Bloody Hot Dogs of Destiny!!』

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タイトル長ぇよ!! 頭の部分しか書けなかったじゃねぇか!! ちなみに略称は『DMBHDD』だ!! まだ長いなっ!!
それよりホットドッグの話だ。そう、グリルしたソーセージを細長いバンズに挟んで、レリッシュやらザワークラフトなんかのトッピングをたっぷり入れて、ケチャップとマスタードをかけたファストフードの大定番であるあのホットドッグだ。一口ほおばると、ふわふっわのパンとパリッパリのソーセージが歯に心地よい刺激を与え、噛むほどに小麦の甘みと肉汁の塩気が口の中で溢れ出し、そこにトマトの酸味とマスタードの辛味が合わさって、幸せの四重奏を奏でる。大勝利。そこにチーズをたっぷり入れて粗めのブラックペッパーを振りでもしたら、天国への急行エスカレーターができちまう。これ深夜に書いてるから腹が減ってきたな。たまらん。
そんな世界中で多くの人々に愛されるホットドッグだが、使われているソーセージがどのようにして選ばれているかについては、あまりよく知られていない。
心して聞いてくれ。実は、人知れぬ決戦の地でソーセージ同士が戦い、そこで敗れ去ったものがホットドッグの材料になっているんだ。つまり、ホットドッグは勝利などではなく、100%敗者の味だったのである。なんという残酷なホットドッグ真実ッ!
決闘場の周囲は灼熱の炎に包まれていて逃げ場などなく、そこで初めてソーセージたちは覚悟を決めるという。いくつかの縦ラインで構成され、自分の意思では前進も後退も許されないらしい。“らしい”というのは、決戦の様子を観戦できるのが、今回は選ばれなかったソーセージたちを除くと、「ホットドッグキング」と呼ばれる全ホットドッグの頂点に立つ存在しかいないためだ。そして、このホットドッグキング、どう見てもただの犬である。
決戦は、最初から与えられたケチャップガンを用いてお互いの戦線を後退させることで進行していく。途中で放り込まれるマスタードやポテトなどの色んな意味でソーセージと相性抜群の武器を使いこなせば、より有利に立ち回れる。武器はライン上に現れるので、相手が入手できないよう素早くラインを後退させて妨害するテクニックが重要だ。そうやって、最終的に相手ソーセージを炎の中へ叩き落とし、絶叫と共にグリルすれば勝ち! 敗者はホットドッグにされ美味しく召し上がられる。いただきます!
ケチャップでケチャップを洗う凄惨な決闘。飛び交う歓声と響く怒号。熱狂と狂喜と溢れる肉汁。すべてが終わったその後に、会場を包むのは香ばしい残り香のみ。そこは、ソーセージ・グラディエーターたちの夢の跡。

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6:ひとりでできるよ!『Mai-Chan's Sweet Buns』

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あー、ついついホットドッグ食いすぎたな。胃がパンパンだよ。もうマスタード一粒も入らない。うん? この甘くて香ばしい匂い……あれは! 可愛らしい店主のマイちゃんが一人で切り盛りしてるっていう、巷で評判のパン屋『Mai-Chan's Sweet Buns』じゃないか!
レトロスタイルのゲーム制作ツールPICO-8で作られた圧倒的キュートなパズルゲーム。まるっとしたドットでふんわり感たっぷりに表現されたパンの数々は、見ているだけでも笑顔になれる。よし、甘いものは別腹だ! この店のパン、全種類制覇してやるぜ!

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店内のルールはちょっと特殊だ。まず4×4マスにランダムでパンが配置される。パンの種類は全部で4種類。そして、画面下部にパンの種類と個数が描かれたカードが4枚配られる。このカードが客のオーダーだ。配置されたパンからオーダー通りのパンを必要個数分だけ取ると、オーダー完了。空欄マスの分だけ上からパンが補充され、右の山札からオーダーが追加されていく。これを繰り返し全てのオーダーを完了すればクリアだ。
一見簡単そうに見えるが、パンは直接動かせず、また同じパンが縦と横で隣接する分だけ個数がカウントされるのだが、2個ならちょうど2個でなくてはならず、3個の場合は不可となる。つまり、何も考えずにオーダーをこなしていくと、いつかはパンの配置的に「詰み」になってしまう。ちなみに、上の画像は詰んでいる。
しかし、小さな個人経営のパン屋を若くしてここまでの人気店に伸し上げたやり手のマイちゃん、ここでその手腕が光る。左上にある魔法のスターボックスに注目してくれ。これを開けると、星を消費して魔法を発動し、ちょっとしたズルができるんだ。
例えば「つまみぐい」は任意のパンを1個食べて消すことができるし、「ダイエット」は勝手に客のオーダーの注文数を1個にしてしまう。さらにはワンオペ地獄にブチ切れたマイちゃんが、客のオーダー全てを文字通りひっくり返してシャッフルしてしまう「ちゃぶ台返し」まで繰り出したりする。魔法やべー。
魔法はパン一つ一つにそれぞれ専用で宿っているので、パズルクリアで獲得できるコインを使って新しいパンをアンロックしていけば、使える魔法も増えていく。ちなみに魔法を使うのに必要な星のストックは、魔法の代わりに初期ブーストが付いたパンを装備するか、縦か横で同じパンを4つ揃えてパンを消滅させることでそのエネルギーを変換して獲得できる。ヤバいパン屋に来ちまった。

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7:お前のイカダは俺のもの『Seal, Your Fate???』

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誰にでも、お気に入りの場所ってのはあるもんだ。行きつけの店でいつも座る席に先客がいたりすると、なんだかとてもブルーな気分になる。
そんなお気に入りの場所を守るため、アザラシだって日々戦っている。この『Seal, Your Fate???』は、一頭のアザラシが己の心の平穏を守るため、他のアザラシからイカダを死守しようとする、ディスカバリーチャンネルもびっくりの野生動物の生態に肉薄したアクションゲームだ。
ぽかぽか陽気、凪いだ海面、気分の良いこんな日は、お気に入りのイカダで昼寝に限る。そんなささやかな幸せをぶち壊そうとする影。そう、そのイカダはアザラシ界隈で大人気のイカダだった。陽当り良し、餌場へのアクセス良し、最近完成したばかりで築年数も良し、SNSでも話題の有名建築家が設計したデザイナーズイカダ。その優良物件を狙い、大量の「敵」が押し寄せてくる。アザラシ、キレた。

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「このイカダは俺のもんだチンピラども!!!」

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次々と上陸してくる敵アザラシ。もこもこの物体同士が激しくぶつかり合う! 力なき者から順に消えていく! これが自然! これが摂理! 何という壮絶な縄張り争い! アザラシなので基本的にパンチくらいしかできないけど! しかもパンチの反動がダイレクトに返ってくるので、考えなしに繰り出せば、ぼーんと景気よくふっ飛ばされて場外アウトなんてことにもなりかねない。さらに時間が経てば大量の敵アザラシが上陸してきて、もはやイ○バ物置のCMみたいな状態になってしまう。そうなってしまえば、もこもこバイオレンスタイムは終了だ。ただ力の奔流を見極めて、流れに乗っていくしかない。この混沌とした戦場、果たしてあんたはどれだけ生き残ることができるか。

ちなみに俺の最高記録は74.6秒だ! 超えられるか? 既にアザラシの向こう側へ達したこの俺を。でもあっさり塗り替えられたら割とへこむから、そんなにマジにならなくても良いぞ。

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8:エクストリーム潮干狩り『Peck N Run』

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お腹を空かせた雛のために、親鳥が砂浜でひたすら貝を集めていくアーケードスタイルな『Peck N Run』。タイトル通り、とにかくついばみ! とにかく走る! 親鳥は至って真面目にやっているのに、まるで動画を倍速再生しているかのような慌ただしさとコミカルな挙動に、なんだか変な笑いが込み上げてくるゲームだ。
波が引くと砂の中から現れる貝をボタン連打でついばみゲットして、それを雛に届けることでスコアを獲得できる。レベルごとにノルマが決まっていて、制限時間内に達成すると次のレベルへ進むことができる。そうやってタイムオーバーで失敗するまで繰り返し、各レベルのスコアの合計でハイスコアを狙っていくのがゲームの流れだ。
貝は口の中に複数ストックでき、なおかつ奥に行くほど栄養満点で美味い極上物が見つかって獲得スコアも上がるから、波が引くと同時にダッシュして奥の方から貝をついばんでいくのがハイスコアのコツだな。しかし、極上の貝はそれだけ何度もついばまなければゲットできないし、もたもたしていると波がまた打ち寄せてきてしまう。波に飲まれれば、それまで溜め込んでいた貝も全て海へと還っていき、カニやタコのおやつになってしまう。ギリギリまで欲張りつつ、しかし欲張りすぎるなってことだ。
それにしても、口の中いっぱいに貝を詰め込んだリスみたいな形相で、迫りくる波から全力疾走で逃げる親鳥の姿は、シュールでおかしくはあるんだが、ずっとやっているとある種の感動が込み上げてくる。負けるな、親鳥。

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9:ウォーミングをさがせ!『Heartreasure』

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ハートが足りない。世の中にはもっとハートが必要なんだよ。いや、そんな目で見るな。ついに精神が耐えきれなくなって限界を迎えたわけじゃない。俺はまだ大丈夫だ。ハートを見つけるには、この『Heartreasure』をプレイするのが最適だって理解してるしな。
このゲームを一言で説明するなら、あれだ。小学校の図書室でいつも貸出中になってたあの本だ。赤と白のボーダーシャツを着た丸メガネの何の仕事やってるのかよく分からないあの人を探すやつだ。娯楽に飢えてた小学生は休み時間に皆やった。これ以上は商標権とかの関係で言えない。つまり、人や物がびっしり描き込まれた風景の中から目的のものを探し出す、いわゆる絵さがしゲームというやつだ。最初からそう言えば良かったな。
絵の中に隠されたハートを探してクリックすると、小気味良い効果音と共に絵にちょっとした変化が起きて、ささやかな幸せが得られる。ハートは全部で50個。最初は一つのエリアだけだが、謎を解いていくと探索できるエリアが増えていく。全て探し終える頃には、小さな幸せが積み重なって、空っぽだった心が満たされていることだろう。いや実際、俺なんかもう溢れちゃったよ。途中の謎解きとか全然解けなくて泣きそうになっちゃったし。
ボールペンで描かれた柔らかなタッチのイラストと、穏やかなのに力強いポジティブなBGMが、自然と口元がほころんでしまうような優しい世界を作り上げている。素晴らしい。ハートはここにあった!

最後にこれだけは言っておこう。前述の通り、一部の謎解きが手強い……というか解けない人には一生かかっても解けないタイプの謎なので、無理だなって思ったらこのヒント(ほぼ答え)を見るんだ。いや気持ちはわかるが、意地張らないで見た方がいいって。俺なんか、自力では絶対解けないってことが分からずに3時間も粘っちゃったもん!

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10:深夜列車食堂『irori』

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異世界の車窓から。今日はオリエンタルな内装が特徴的な食堂車の風景をお届けします。
大陸を横断し山野の間を縫って走るこの寝台特急は、開通以来たくさんの旅人に利用されてきました。中でも、東洋の伝統的な火床である「囲炉裏」を基調にデザインされた落ち着きのある食堂車は、長旅で心身ともに疲れ切った旅人の癒やしの場として好評です。各地より取り寄せた美味しくて栄養価の高い新鮮な食材を、腕利きのシェフが目の前で調理し振る舞ってくれます。
囲炉裏には、直接食材を調理できる利点の他にも、部屋内を自然にじんわりと温める暖房効果があります。そしてなんといっても、囲炉裏を囲むことで人と人の距離が近づくこと、それこそが最大の機能と言えるでしょう。本来は家庭に備わり家族の団らんを促進するものですが、列車内においては、相席になった見知らぬ旅人同士の交流の助けとなってくれます。
美味しい料理と美味しいお酒、そして出会ったばかりの友人たちと共に囲炉裏を囲めば、会話も弾み、心も身体もぽかぽかに温まることでしょう。 

え? 急に文調が変わったから中の人も変わったのかと思った? いや最後だしここでちゃんとやっておいたら今までのがチャラになるかなって。ならない? そうか分かった。じゃあ最後も好きにさせてもらう。

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みんな串焼き好き? 良いよね串焼き。鳥はもちろん牛や豚も良いし海鮮も良い。もう竹串にぶっ刺して焼いたらとりあえず何でもイケそうって錯覚するくらいの魔力あるよな。炭火で中までじっくり火を通すと食材からじわりと旨味が溢れてそれが熱された炭の上に落ちてこうジュッて音を立てるあの感じを想像しただけで堪らん。なんでまた深夜に書いてるんだこれ。
『irori』はつまるところ、列車付きのシェフになって、腹を空かせてやって来る乗客に串焼きを調理して振る舞っていくゲームだ。用意された食材を切り分けて串に刺し、囲炉裏に設置された網の上に乗せて焼いていく。そのまま放っておくと焦げてしまうから、大体なんか焼けてきたなーってところでひっくり返したりして良い感じに仕上げるんだ。まあ多少焦げてても文句は言われないから、ここらへんは感覚でやっていいよ。
乗客も一応要望を言ってくるから、腕利きのシェフとしてはできるだけその要望に沿ってやる。調理中に色々身の上話とか語ってくるけど、これも囲炉裏の効果で初期親密度にボーナスが付いてるからだ。焚き火を囲んでると何故だかいつもより話せる、いわゆるコミュニケーションツールってやつね。そんで上手く行けば上機嫌になった乗客が、さらに深い身の上話までしてくれる。親族の話とか自分の子供の頃の話とか、聞いてないのにどんどん話してくれる。やがて目的地に着いたら乗客とはお別れだけど、しっかりもてなして満足させてやれば、あとで手紙やお土産を送ってくれたりもする。これがとても嬉しい。手紙で乗客のその後や近況を知って、遠い地へ思いを馳せながら、今日も自分の役割を全うするため料理を作る。この一連のプロセスに、偶然が生んだ繋がりだとか、料理人としての矜持だとか、そういう目に見えないけど美しく確かなものが見て取れるのがいい。

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夜の静けさに包まれた食堂車内には、しとしと降る雨音と、がたごと鳴る列車の走行音と、ぱちぱち火の燃える音だけが響いてて、ああ良い雰囲気だな。この空間そのものが、極上のスパイスになっているんだ。俺もこんなところで串焼き食べたい! 今度は客として来たい!
と、ここで残念なをお知らせしなくてはならない。実はこの作品、厳密に言うと短編ゲームとして完結しているものではなく、開発中のプロトタイプ扱いになっているので、今はまだ乗客が1人しかやって来ないんだ。本来は複数の乗客を相手にできる構想のようだけど、開発がストップしている状態だから、いつ完成版をプレイできるのかはちょっと分からないみたい。画像を見て気付いたかもしれないが、このゲームはファンタジー世界を舞台にしていて、今回のオウムの姿をした乗客の他にも、イノシシの騎士やカエルの貴族やキノコを被った僧侶といった個性豊かな乗客の来訪が想定されているようだ。

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プレイ後にアンケートが送れるから、気に入ったのならぜひその熱意を開発者に届けてやってくれ。その声の一つ一つが、きっとこのゲームを完成に近づける。いやもうやれば分かるけど、このゲームめちゃくちゃポテンシャルあるから! 完成すれば間違いなく話題になる! だからよろしくな!

なんか最後に締めるどころか、今までで一番砕けた感じになってしまった。いいのかこんなので。ま、これもたぶん囲炉裏の効果でリラックスしちゃったからに違いない。なんならもう既にこの場から動きたくないフェーズに入っちゃってる。囲炉裏さいこー。

よし。今回はこんなところで勘弁しといてやる。だが忘れるな。お前たちがまた重苦しい雰囲気になっちゃった時、俺は必ず帰ってくる。必ずだ。せいぜいそうならないよう、なるべくポジティブに生きていくことだな!

ちなみに、今回のほぼ全タイトルを掲載している海外ゲーム投稿サイトitch.ioでは、「name your one price」という販売方式を採用している。これは0円~ユーザーの好きな価格でゲームを購入できるもので、itch.ioに投稿されている多くのゲームがこの方式で価格設定をしているんだ。つまり、今まで紹介してきたゲームのほぼ全ては、厳密に言うとフリーゲームではなく、無料でも買えるゲームだったということになる。ここに来てまさかのタイトル騙しオチ。なんてこった。
しかし、そんなことはどうでもいい。それよりも、自分の気に入ったゲームに好きなだけ金が払えるという目の前に開かれた事実が重要だ。
元気を貰ったら、元気を返してあげる。それはやがて、自分たちに最も望む形となって還ってくる。ざっくばらんに言うと、お金を貰ってモチベーションが上がった開発者がさらに面白いゲームを作ってくれてそれを遊んだ俺たちがまた投げ銭をして……という最高の循環システムが構築されるわけだ。

良いこと言ったな俺。よし、最後は人の書いたitch.ioの解説記事を貼って締めるぞ! itch.ioのこと初めて知ったとか海外サイトだからよく分かんないって人は、この記事を読んで登録とかダウンロードの仕方なんかを調べてくれ! いやー、こういう良質な記事が既にあると楽できていいな。節約できた時間はその分ゲームを遊ぶのに回せるし。そう、こんなことしている場合ではなかったんだ。俺はゲームを遊ぶぞ!!

したらな!!!!!!





ココイチでカレー食べます。