スペキュラティブデザイン

スペキュラティブデザインとは?

こんにちは!

本日は、「スペキュラティブデザイン」について書こうと思います。

スペキュラティブデザインとは、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート教授のアンソニー・ダン氏が提唱したデザインのことです。

想像力を駆使して、新しい見方を切り開くことです。従来とは異なるあり方について話し合ったり、討論したりすることで人々にとって「望ましい未来」を考えます。

なぜ、今日私がスペキュラティブデザインのことを書こうと思ったかというと、未来を考える上でとてもワクワクする方法だなと思い、とにかく自分にインプットしたいという思いで今日のnoteに書いています。

なぜ?スペキュラティブデザイン?

さて、なぜ今スペキュラティブデザインが注目されているのかというと、世界を見渡しても解決不能な問題が多く存在しているからです。例えば、新型コロナウイルスを想像できるでしょうか。

日本を見渡しても、少子高齢化に始まり、自然災害や経済格差などが起きていますよね。世界をみても人口増加や食糧問題などがおきています。

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既存のやり方や考え方ではどうにもできないのが現状です。そこで、「デザイン」の力を使って人々の価値観や信念、考え方を変えることが注目されています。

その中の一つが「スペキュラティブデザイン」です。

スペキュラティブデザインとは?

スペキュラティブデザインとは、冒頭にもあった通り、「想像力を駆使して厄介な問題に対する新しい見方を切り開き、人々にとって望ましい未来を考える」ことです。

どうやってスペキュラティブデザインで発想するの?

スペキュラティブデザインを発想するためには、2つの見方があります。1つ目は、映画や文学、芸術の方法論に目を向けること。もう1つは「もし〇〇なら?」と考えることや、思考実験を使うことで発想します。

日々のビジネスの現場や教育現場で使うためには?

先ほど、述べたようにスペキュラティブデザインは人々の【望ましい未来】について考える見方であります。未来予測と異なる点は「未来の可能性」を手段として考え、現在の人々が望む未来を見出していきます。

未来予測との違いを詳しくお伝えします。未来予測は、「唯一の未来」を考えることが目的です。未来の可能性を手段として使うスペキュラティブデザインとは異なるのです。

未来の可能性を考えることは、自然とシナリオ形式「もし〇〇なら」という形をとることになり、「これはできるのか」「今それをやるお金や力があるのか」など現在のあり方との整合性を考えることはしません。目の前の物事の可能性を考えるのです。

つまり、スペキュラティブデザインは想像力に満ちた思考(思索)を考える手助けの道具なのです。

さあ、未来予測とは異なることがわかったところで、スペキュラティブデザインが目指す【望ましい未来】とは何かを考えたいと思います。そのような潜在的な未来を考えるに当たり下記の図を見てください。

スペキュラティブデザイン図形

最初の円錐には「起こりそう」な未来を表しています。ほとんどのデザイナーは、この領域で活動しています。例えば、戦争や金融崩壊、経済破綻などについてデザイン方法やツール、教育までもがこの領域です。

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次の円錐には「起こってもおかしくない」未来を表しています。起こってもおかしくないとは、シナリオの計画や洞察に関わる領域であり、主に、組織が未来に備えて繁栄していくために、経済や政治を考えています。

さらに、次の円錐には、「起こりうる」未来を表しています。この領域では、現在の世界と想定上の世界を結びつけることです。不可能と言われている、永久機関(外部からエネルギーを受け取ることなく、仕事を行い続ける装置)と予知以外に起きること全てであり、政治・経済・社会・文化では起こりうることです。ここで起こることは、シナリオで描かれる上で大切な科学的に可能で現在の状況からシナリオが描く未来への道筋があるものです。

最後に、「望ましい」未来です。これは、「起こりそう」なことと「起こってもおかしくない」ことが交わる部分です。誰にとっての何なのかについては、政治や産業界が決めることですが、より良い未来を考える上では、一般市民も考えることができるのではないかと言われています。

具体的には、様々な専門家と共に、デザインを用いて可能性を話し合うような場に参加することが挙げられます。

やはり世界は「スペキュラティブデザイン」を求めてる

1970年代より前は、ラディカルデザインなどが繁栄しており、刺激的なデザインの作品が多く存在していました。しかし、1970年台のデザインの商業化により、デザインはその機能を失いました。加えて、80年台後半の東西冷戦の終結により主流とは異なるデザインも終わりました。

社会も個人社会へと移行して来ています。大きな政府などの社会的セーフティーネットなくなり、個人の責任社会へと変わりました。そのおかげで、トップダウン型の支配はなくなり、一人一人が夢を見るユートピアへと社会が変わっていきます。

21世紀に入り、人口問題や食料問題が表面化して来たとき、改めて、私たちが見るものは希望となります。その希望を考えることこそ、スペキュラティブデザインなのです。

スペキュラティブデザインを知っての感想

最初に、このアイデアを聞いたときは、ドラえもんの「もしもボックス」を思い浮かびました。もしもボックスを使うのび太は暗い顔をしているのではなく、希望に満ちた顔で使っています。

このような、問題や課題が多い現代だからこそもしもボックスを使うのび太のような「希望に満ち溢れた」顔で未来の可能性を作っていきたいです。

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