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空。

高校生になって携帯を持つようになった頃から、やたらと空の写真を撮りためていた。
画質がものすごく悪くて、今開くとすごく軽い。
PC用のハードディスクに全部保存してある。

もう何十年も前のことで、社会人になってからは、仕事は室内だし、上なんか見ずに、恋人とか友達とかライブとか、前ばかり見て、その上車もあるし、天気も気にならなくなり、わたしにとって空はそこにあるだけの存在になってしまった。

なんやかんやあって15年以上経ち。

去年から始めた仕事は、外での仕事で。
天気にものすごく左右される。
雨だと売り上げはマイナス、そもそも晴れか曇りでないと出勤できない。

故にやたらと空ばかりみるようになった。

そんな日々を1年過ごしてみて思ったのは、晴れているだけで幸せ、ということだった。
仕事ができるから、ではなく、どんなに暑くても、晴れていて天から光が差すだけでものすごく気持ちいい。
来年にはまた違うことを思っていそうだが、晴れているということだけで、その日1日がとてもいい思い出になっていってる。

今は当時の気持ちは覚えていないが、その頃から空が好きだったんだろうなと思う。
綺麗な空を嫌いな人なんていないだろうけど。


昔、10歳年上の人と、19と29で付き合っていたことがあり、君は田舎っぽくて、高いレストランに連れて行く必要もなくて、プレゼントも何あげても喜んでくれて助かるよ、と言われ、19だった私のプライドはまあまあ傷ついたのだが、今思うとすごくいいことだよなぁと思う。
その人がどんなつもりで言ったのかは知らないがそんな貶し方をする人ではなかったので褒め言葉だったのかもしれないと今は思う。
19と29では見えてるものは全然違うしね。

晴れてるだけで幸せなんてほんと安いよなぁと思いつつ、安い方がやっぱ幸せだよなぁ。

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