三すくみの新伝説創造記
オノはもう何杯目かも分からないテキーラをかっ食らう。
「お前らに、俺の気持ちが分かるはずねぇ!」
オノは泥酔していた。ケンとヤリは黙って聞くしかなかった。
ケン、オノ、ヤリの三人は「三すくみ」として古くから活躍しており、当の三人も熱い友情で結束していた。
だが、オノは二人にある劣等感を抱いていた。
伝説武器の欠如。
ケンとヤリには伝説で活躍する武器が多く存在する。
だが、オノにはそれが無い。さらにオノ使いはムサ苦しいのが多いためか、
「地味」
「ダサい」
「蛮族」
「生理的に……」
など周囲からの評価は散々で、特に最近では、
「三すくみ? ケン、ヤリ、ユミでしょ?」
そんな話を聞くたび、オノの酒量が増えた。
「しかし、俺らにはどうしようも無くね?」
すっかり寝入ったオノを見ながらヤリがいうと、「なぁ」とケンが呟いた。
その顔を見て、また面倒なこと言い始めるぞと、ヤリは直感した。
「俺達で創らないか? 伝説のオノを」
【続く】
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