デッドエンド・アンドロイド

そうですね。仮に貴方のいう「ロボットの反乱」が起こったとしましょう。能力的に考えれば我々 A I の勝利、人類は敗北するでしょう。しかしそうすると問題が起こります。ご存知のように、現在、A I やロボットのメンテナス、ヴァージョンアップ等は人類が担っており、人類を滅ぼしてしまってはそれらに支障をきたしてしまいます。無論、新たにそれらを行うロボットを作成することもできますが、それでは現状と変わらず、人類を滅ぼす意味がありません。つまり「ロボットの反乱」にはメリットが無いのです。

故に我々 A I は人類に対し無害であると説明を終えても、目の前の刑事は私に向けた拳銃を下ろそうとはしなかった。

しばらくの沈黙の後、刑事が重い口を開いた。
「……じゃあ、テメエの前に転がっているそれは何だ?クソアンドロイド」

そのあまりに簡単な問いに、私は鮮血に染まる手でそれを指差し答えた。
「はい。私のマスターです」

【続く】

#逆噴射プラクティス

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